入試が終わり、この春から大学生としての生活が始まる、という人も多いと思います。大学では、高校のころとは全く違う生活が待っています。その中でもっとも違うことは、大学での学び方でしょう。

高校までは、体系化された事実や、答えのある問題の解き方をおぼえ、それをアウトプットすることが主に求められてきました。しかし、大学ではそうではありません。大学での学問は、「学」んで「問」うの文字通り、学びながら自ら問いかけ、考えることが必要。そのため、教える側の教授陣が、必ず答えを用意しているとは限りません。

そこで求められるのが、今回紹介する本『アカデミック・スキルズ 大学生のための知的技法入門』で解説される、学ぶための方法なのです。

academic-skills02『アカデミック・スキルズ――大学生のための知的技法入門』
佐藤望・湯川武・横山千晶・近藤明彦著
慶應義塾大学出版会 2012年
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アカデミック・スキルズとは何か

大学では先述のように、答えがまだわからない問題について学び、それを解明していかなくてはならないことも多々あります。そのような問題に対しては、まず、問いを適切に立てるということが求められます。そのために必要になるのが、物事を多角的に見る土台としての「教養」。その教養からなる「知」を身につけたことで養われる、学問に必要な問題解決能力こそが、当著でいうところのアカデミック・スキルズなのです。

大学の講義での板書の意味

アカデミック・スキルズで重要な技法の一つが、情報を集めることです。その中で最も重要な一歩として、講義でノートをとるということがあげられます。

大学に入った瞬間、ノートをおろそかにしてしまう人も多いのですが、講義でノートをとることは大学でももちろん重要です。しかし、大学での講義は、必ずしも秩序立った、わかりやすいものではありません。やみくもにパワーポイントを写したりするのではなく、キーワードを把握し、それをもとに講義全体の流れを考え、ノートの上にストーリーを再構築することが大学の講義では必要です。

このようにしてノートをとるという作業は、自分自身の問いを見つける手段として生きてくることでしょう。

情報をどうまとめるか

大学では、情報を教科書以外の本から得るということが増えてきます。そして、本を読む際に大切なのが、クリティカルリーディングです。

クリティカルリーディングとは、書いてある内容をまず正確に理解してから、自分なりの理解に差し替えた上で、それをほかの人にもわかるように表現し、否定や賛成、代案の提起を論理的に行うというものです。

クリティカルリーディングの練習方法としては、文章の全体像をつかんだら、段落や章の要約を書き、正確に内容を読み取ります。そのうえで、その文章の正しさについて再検討し、場合によっては説得力のある異議を唱えていくのです。

クリティカルリーディングが身に付けば、批判的、論理的な思考ができるようになり、大学で求められるような、自分の意見を説得力を持って述べる能力が得られます。

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情報をどう発信するか

学問とは、だれもが再検証可能な方法を使って、まだ誰も明らかにしなかった真実を明らかにするということです。したがって、学問的な情報を発信する際には、普遍的でかつ公共的な「問い」が設定され、それに対してだれもが納得できる「答え」が提示されていなければならないのです。

また、発信された論文やレポートは、審査会などで、再検証や反証が試みられます。そのような場における、問いという攻撃に対しては、「なぜそのデータが必要であったか」や、さらには「なぜその研究が必要なのか」という、根本的な問いを自らに投げかけ、武装しておくことが必要なのです。

丸写しは厳禁!

レポートや論文は、原則として外に向かって発信するもの。そのため、教授に対する個人的なものではなく、公共のものです。

大学生が犯しがちなのが、レポートを丸写しすることです。丸写しとまではいかなくとも、いくつかの本から適当な個所をいくつかつなぎ合わせ、それを自分のものとして発信することは、「剽窃」という犯罪行為なのです。

この行為を学問的に見れば、「問い」の設定と「答え」の発見という必要不可欠なプロセスが欠落しています。そして、文章を批判的に解釈しテーマと正確に関連付けるということを怠っています。軽はずみな行動から大事につながるということも考えられます。決して、丸写しはしてはいけません。

***
いかがでしょうか。
高校までで身に着けた学び方はもちろん有効ですが、大学に入ると、それとは明らかに違う方法が求められます。この記事がその習得の一助となれば幸いです。

参考文献
佐藤望・湯川武・横山千晶・近藤明彦著(2012),『アカデミック・スキルズ――大学生のための知的技法入門』,慶應義塾大学出版会.