最近、休養時こそ活動的に過ごす「アクティブレスト」が疲労回復にいいと注目されています。でも、疲れてそんな気も起きないし、いつ、どのくらい、どのような方法で取り入れればいいのかも分からない……、という方も多いでしょう。そんな方のために、筆者が取り入れて効果を実感した方法をご紹介します。

「アクティブレスト」とは?

アクティブレストとは、その言葉通り活動的な休養のこと。つまり、「軽い運動などをして疲労をとる」ことです。でも普通なら、なぜ疲れているのにわざわざ運動なんかするの? と思ってしまいますよね。

国際武道大学体育学科教授、医学博士の山本利春氏は、軽い有酸素運動で血液の流れがよくなると、疲労の原因物質とされる乳酸が効率的に処理されるといいます。そのため、何もせずにカラダを休めているよりも疲労がとれやすいのだとか。

激しい運動を行ってしまうと新たに乳酸が発生してしまうので、「少し汗ばむくらいの軽い運動」というのがポイント。山本利春氏は、足腰の状態に応じて「ジョギング」や「サイクリング」、足腰への負担が少ない「スイミング」などを使い分けるのが有効だといいます。

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「アクティブレスト」の効果

アクティブレストは、血流をよくして疲労物質を洗い出し、代謝を活発にして疲労回復を促進しますが、それだけではありません。久野マインズタワークリニックのサイトでは、大脳生理学者セーチェノフ教授が唱えた理論を用いて以下のように伝えています。

右手を使う(=左の脳細胞が動く)ことに疲れたら、左手を使う(=右の脳細胞が動く)ことで、左の脳細胞の疲労は速く回復します。これを「セチェノフ効果」と言いますが、その応用で、異なった部位を使う動作、異なった種類の心身の活動をすることで、疲労を速く回復させることができます。

(引用元:久野マインズタワークリニック|病気と健康|消極的休養と積極的休養

このように、仕事や勉強で疲れたら、それとは異なった種類の活動(運動)をして脳を刺激すれば、カラダのみならず脳の疲労回復にも役立つというわけです。また、適度な運動は脳をアルファ波の状態にして自然治癒力を高め、ストレスも軽減してくれるとのこと。つまり、疲れたからといって何もせず休息してしまうと、結局は疲れもストレスも軽減せず時間を過ごすだけになってしまうのです。

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アクティブレストを取り入れてみた

そこで、筆者も実際にアクティブレストを取り入れてみようと考えました。

しかし、いくら軽めの有酸素運動とはいえ、いきなりジョギング、ウォーキング、スイミングにエアロビクスをはじめよう! というのは筆者にとってハードルが高すぎます。そこで、「意志力なんか当てにするな! 習慣化を成功させる、上手な “しくみ” の作り方。」でご紹介した手順「無理なく小さなことからはじめるスモールステップ」「すでにある習慣への積み重ね」「モチベーションが上がるご褒美を用意」にのっとり挑んだわけです。具体的には以下の通り。

1.できたてのパンを買いに行く
あらためてウォーキングというのは、どうしても億劫なので、休日の朝、朝食前に少し距離のある場所にできたてのパンを買いに行く、という方法で朝のウォーキングを取り入れました。平日は家族のために早起きして朝食をつくり、お弁当をつくる日々です。それから解放されて、しかもおいしいパンをゲットできるのですから、モチベーションも上がるわけです。

それに、朝は紫外線の量も人通りも少なく、空気がきれいなので気持ちよくウォーキングできます。なお、時間は往復してちょうど1時間ぐらい。家に戻ると、カラダがポカポカして一気に活動モードです。

2.仕事終わりの夜景眺め歩き
休日は朝の運動が可能ですが、毎朝5時半に起きてもろもろの準備をしなければならない筆者にとって、平日運動できるのは夜だけ。そこで、仕事終わりに川辺の夜景が楽しめるコースをウォーキングすることにしました。

たとえば自宅でパソコン仕事に追われた日は、少し遠めのスーパーにウォーキングで買い物に出かけます。外で仕事を終えた日には、最寄駅の一駅前で降りてウォーキングしながら帰ります。しかし、こちらには休日の朝のウォーキングのように、「できたてパン」というモチベーションになるご褒美がありません。

そこで、夜景が大きなモチベーションとなるわけです。仕事で文字や言葉、おびただしい情報と格闘する毎日を送っている筆者にとって、仕事あとの夜景はこのうえない癒しになります。ちょっと面倒だなあ……、このまま電車で帰ってしまおうかな、と思っても、その気持ちよさを考えるとやる気が起きます。だいたい片道20分、往復なら用事を済ませる時間を含めて1時間ぐらいです。

アクティブレストを取り入れてみた結果

さて、以上のようにしてそれぞれ「ご褒美を」用意しつつ、本来ならば普通に休もうとしていた休日の朝と仕事終わりに、ちょっと汗ばむぐらいのウォーキングを取り入れてみました。結果、一番強く感じられたのは「気分がよくなった」ということです。つまり、それは脳がスッキリしたということ。筆者の仕事を考えれば、仕事によって溜まった疲労の回復が速まったといえます。

なぜならば、普段、文章を考えたり文字にしたり、キーボードを叩いて実際に書いたりすることで酷使しているのは、脳の前頭葉や言語野、運動野に小脳だから。

それにより笑顔と会話が増えました。そして、疲れが抜けきっていないと感じていた起床時のだるさや億劫な気持ちが、格段に減ったと実感しています。

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心身の疲労回復には、アクティブレスト(積極的休養)が効果的だということを、実体験とともにご紹介しました。なお、睡眠などの消極的休養を上手に組み合わせることも大切なので、無理せずバランスよく休養してくださいね。

(参考)
あかり整体院|アクティブレスト(積極的休養)で疲れをとる方法!効果を生かす
久野マインズタワークリニック|消極的休養と積極的休養
NIKKEI STYLE|健康・医療|「疲れたら休養」はNG 軽い運動で血行促進
慶応義塾大学解剖学教室|イワン・ペトロヴィッチ・パブロフ Ivan Petrovich Pavlov 1849~1936
Study Hacker|意志力なんか当てにするな! 習慣化を成功させる、上手な “しくみ” の作り方。
高須克弥著(2012),『その健康法では「早死に」する! 』,扶桑社.
有田秀穂著(2011),『育脳の技術』,主婦と生活社.
柿木隆介著(2015),『どうでもいいことで悩まない技術』,文響社.