今の自分に満足している? "さらに上" に進むための、はじめの一歩の踏み出し方

突然ですが、あなたは今の自分に満足していますか。

もちろん「非常に満足している」と自信を持って答えられる方も中にはいらっしゃるかと思います。しかし多くの人は、回答に詰まって少し頭を抱えてしまうのではないでしょうか。もっと語学力を身につけたい、もっと営業成績を上げたい、もっと会社で活躍したい、転職して新天地で自分の力を試してみたい……。皆さんそれぞれ大なり小なり、ぼんやりとした “憧れ” や “野望” のようなものを心の中に秘めているはず。

とはいうものの、その憧れや野望に向かっていざ行動を起こすのはなかなか難しいものですよね。重い腰が上がらずだらだらしてしまったり、ちょっと始めてみたはいいものの中途半端なまま途中で投げだしてしまったりして、結局は現状となんら変わらなかった、なんて方もきっと多いのではないでしょうか。

そこで今回は、そのような「上を目指すこと」を忘れてしまった方々に向けて、その第一歩を踏みだすための方法をお送りします。どれも基本的なことばかり。でもその “基本” ができていないと、あなたはいつまで経っても動き始められないのですよ。

なぜ「上を目指すこと」を忘れてしまうのか

つい現状に満足してしまうのは、一見すると単にその人の怠惰や不精さに原因があるように思われてしまいがちですが、じつはそれは生物学的な観点から説明することができます。

人間のみならず生物には、「ホメオタシス」と呼ばれる恒常性を維持する機能が備わっています。これは、外部環境の変化に対し、内部環境つまり体内を一定の状態に保ち続けようとする傾向のこと。例えば外気温が体温よりも高い場合に、発汗や血管拡張を行なって体温の上昇を抑えるといった機能が該当します。

そして重要なのは、ホメオタシスはこのような “物理的側面” のみならず “心理的側面” においても働いているということ。つまり私たちは本能的に、現在の環境が変化するのを禁忌する傾向にあるのです。新しいことに挑戦しようとする気持ちが抑圧されていまうことで、私たちはつい「今のままでいいや」と安易に考えてしまうのです。

したがって、このホメオタシスを打ち破るためには、自ら “意識的に” 行動を起こすことが必要になってきます。それはどんなに小さなステップでもかまいません。千里の道も一歩から。以下に3つご紹介しましょう。

1. 期限つきの目標を自らに意識させる

漠然と思い描いている理想像があるのなら、それを言語化して自らに意識させる必要があります。

例えば海外の大学院への留学を希望していて、TOEFL-iBTスコアが100点以上必要であるとします。その100点という目標に対して自分が現状どれだけ足りていないか、また目標達成にどれくらいの期間を要するかをまずは検討しましょう(一度に目標を達成できそうにない場合は、細かい段階に分けて目標を設定しましょうね)。

それが終わったら、目標を常に自らに意識させるために、手帳やカレンダーといった自分が普段目にする場所に赤色などの目立つ色で目標の内容を書きこんでおきましょう。それに加え、パソコンやスマートフォンのパスワードを目標内容に設定するとより効果的。例えばパソコンのパスワードを “TOEFLiBT100” のように設定すれば、パソコンを開こうとするたびに自己暗示の効果を実感できるはずです。

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2. 背伸びをして見える世界に飛びこむ

「置かれた場所で咲く」ではなく「咲きたい場所に身を置く」——。本当に成長したいのであれば、自分の身をどのような状況に置くべきか考える必要があります。

例えば「将来は英語を使うグローバルな場で活躍したい」「英語力をもっと身につけて海外で働いてみたい」と思っている場合でしたら、実際に海外で勤務した経験のある方の話を聞きに行ってみるのはどうでしょう。海外で働くことのイメージがきっと膨らむでしょうし、同じ志を持つほかの人と知り合うことで、交流や情報交換も可能になります。

筆者には将来は国連の機関で働いてみたいという夢があるのですが、実際にWHO(世界保健機関)で勤務した経験のある方の講演会を聞きに行ったことでイメージが膨らみ、夢に対するモチベーションも格段に向上しました。そしてまた、応募するためにはどのようなスキルやプロセスが必要かといった情報も仕入れることができましたし、その講演会で知り合った仲間とは現在でも交流を続けています。

自分が普段見る世界を意識して変えることが、その後の大きなステップを踏むためのきっかけとなるはずです。多少勇気のいることかもしれませんが、自分が今いる場所よりもう一段高いところへ身を投じてみてはいかがでしょうか。

3. 他者を巻きこみ、他者から学ぶ

2とも関連がありますが、自分ひとりで上を目指すことが少し億劫に感じるのでしたら、躊躇せずに同じ目標を持つ仲間を外部に求めてみるのも良策です。そのような人が身近な場所にいないのだとしても、インターネットやSNSなどを通して探すことは充分に可能でしょう。

アメリカのスタンフォード大学の心理学者であるケリー・マクゴニガル氏も、目標を達成するうえでの仲間という存在の重要性を次のように語っています。

自分を変えられる人は、「自分を変えることは可能だ」と信じている一方で、「自分一人の力で自分を変えるのは難しい」という信念も持っています。自分を変えることは、いわば“ソーシャルプロジェクト”。味方やメンター、同じゴールを分かち合える人を積極的に求めることです。

(引用元:日本経済新聞|目標かなえる自分に変わる 米スタンフォード大学心理学者 マクゴニガルさんに聞く

そして他者から学ぶ際は、成功談のみならず失敗談にも必ず耳を傾けることが大切。同じ目標を持つ者どうし、歩む道のりももしかしたら似ているかもしれません。「なぜ失敗したのか」「どこで失敗したのか」といった情報を得て自分自身の糧とすることで、自らが同じ状況に陥ったときに危機を回避することができますよ。

*** もう一度聞きます。 「あなたは今の自分に満足していますか。」 yesと答えられない方は、まずは小さなステップから動き始めてみましょう。よくも悪くも、未来はあなた次第です。

(参考) 心理学用語集 サイコタム|ホメオタシス 日本経済新聞|仕事って何「自ら動き、高みを目指す」 富坂美織著(2012),『自信加乗』, 講談社. 日本経済新聞|目標かなえる自分に変わる 米スタンフォード大学心理学者 マクゴニガルさんに聞く 苫米地英人著(2008),『努力はいらない! 「夢」実現脳の作り方』, マキノ出版社.

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