化学2点・世界史8点から京大に合格した『前向きにあきらめる力』

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人は皆、苦手分野と得意分野があります。 例えば、ノーベル医学・生理学賞を受賞した山中伸也教授は、研究の分野では第一人者ですが、臨床医として働いていた時は、他の人が20分でできる手術に2時間かかったと言います。 山中教授のような人でも、得意な分野、苦手な分野があるんです。 でも、多くの人は、成績が良い人というのは、頭が良いからどの分野もできる、と考えているのではないでしょうか。 実際は、成績が良い人は、全てができるわけでもなく、できる分野の才能がもとから異常に突出している、という訳でもありません。 一般に「できる人」と言われる人に共通しているのは、自分の弱点を自覚し、自分の強みとなる分野を自覚しているということです。 今回は、自分の得意分野を生かして、自分の持つ能力を最大限発揮するための極意をご紹介します。

badge_columns_1001711苦手を捨てて得意を伸ばす=「前向きに諦める」とは

陸上トラック種目の世界大会で日本人初のメダルを獲得した為末大さんの『諦める力〈勝てないのは努力が足りないからじゃない〉』の中で言われているキーワードが「前向きに諦める」ことです。 この本の出版を記念して行われた、テラモーターズの代表である徳重徹さんとの対談で、その意味が語られています。

徳重さん:諦めるというとネガティブだけど、それは選ぶということ 為末さん:諦めるというのは前向きに何かにしぼっていくこと   [引用元:#SHAKE100 為末大×徳重徹 対談!「前向きに諦めること」から手に入れる理想の生き方]

為末さん自身も、高校時代に自分がやりたかった100メートルを諦め、自分の能力を活かすことのできる400メートルへと転向する決断をしたことで、世界で活躍するトップアスリートになりました。 その時にしたのが、前向きに諦めることです。 為末さんは、まず自分の能力を分析し、100メートルでは世界に通用しないと見切りをつけました。それから、競技人口の少ないハードルなら参入障壁が低いから、努力してみる価値があるかもしれない、と冷静に判断し、400メートルハードルを選択しました。

Adventure and travel concept

badge_columns_1001711苦手を捨てて、得意を伸ばすことは、「逃げ」や「妥協」ではない

「一度何かを諦めた人は、他の分野でも成功しない」こうした言葉を聞いたことがある人もいるかもしれません。 為末さんも、トラック競技の花形と言われる100メートルを諦めたことで、この言葉が頭に浮かんだり、自分は逃げたのではないかという思いに駆られたりしたといいます。 ですが、結局は「失敗するのが怖い」というよりも、「他人に失敗したと思われるのが怖い」のだということに気づき、気にせず努力することで、結果もついてきたそうです。

そもそも人生は選択の連続です。選択するということは、選択しなかった選択肢を捨てている=諦めている、ということ。 「一度何かを諦めたら成功できない」なんてことはありません。

badge_columns_1001711前向きに諦めて、『ピアス革命』を起こした女性

ピアスをつけている人ならわかるはず。ピアスって、気が付いたらなくなってしまうんですよね。 ピアスをしている女性のなんと86%が、ピアスを紛失した経験があるそう。 この数字を受け、ピアスが落ちないようにと開発されたのが、『クリスメラキャッチ』という、ロック式ピアスキャッチ。 発明したのは、菊永英里さんという女性です。 菊永さんは、16歳の時に起業を志します。 きっかけは、「16歳になって初めて電車に乗ろうとした時、何本待っても電車に乗り込むことができなかった」ことでした。 その時に「普通の人が普通にできることができない自分」に気が付いた菊永さんは、その「普通のこと」ができるようになろう!と思うのではなく、「電車に乗れないなら、運転手さんを雇えばいい。じゃあ運転手さんを雇える仕事ってなんだろう?」と考え、社長になろう!と思ったそうです。 それから、事業計画をいくつも考える中で、彼氏からもらったピアスを無くしてしまったことをきっかけにピアスキャッチの開発を思いつき、実際に商品化、起業し、現在では楽天のジュエリー・アクセサリー部門でも数年に渡り1位を獲得し、シリーズ累計200,000ペアを売り上げている商品を販売する会社の社長となったのです。 自分の苦手なことがあったら、自分にできるのは何かを考え、その方向に全力を注ぐという姿勢は、まさに「前向きに諦める」在り方そのものです。

badge_columns_1001711化学2点、世界史8点からの逆転

自分ができないことを認め、できる方に専念しようと決断するのは、間違っていたらどうしようと不安になることでもあります。一般的には間違った判断と言われるかもしれない。それでも、その時には間違って見えた判断も、最後に総合してみてみると、全体として納得のいくものになるはずです。 私も高校時代、化学で2点、世界史で8点をたたき出すような生徒でした。もちろん100点満点のテストです。 それでも、苦手な数学は基礎ができればいい、世界史はセンターが解ければいい、化学はやめて地学を選択する、と「できない」ものは執着せずに切り捨てて、得意だった英語と国語に力を注ぐようにしていました。 取捨選択は、自分と向き合わなければできないからこそ難しいものですが、自分の方向をきちんとしぼることができれば、思いもよらない力を発揮することができるようになります。できないものはできないでいい。まず、できない自分を受け入れることから、始めてみませんか。

参考引用サイト wikipedia 山中伸弥 紀元前3000年前からの課題を解決!? chrysmela MarkeZine「ピアスはなくしてしまうもの」という常識を変えた、女性起業家の菊池英里さんにお会いしました。 U-note #SHAKE100 為末大×徳重徹 対談!「前向きに諦めること」 参考文献 為末大/プレジデント社/2013『諦める力』


京都大学文学部所属。長野県立松本深志高校卒業。ぱんだとししまいがとても好き。在学中は京都でしか見られないししまいを見てまわりたい。

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