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何かを成し遂げたい、達成したいと思った時に、恥を恐れて結局やらなかったり、最初から達成できなそうだから……という理由で諦めたりしていませんか?

成功するかどうかは心持ち次第でだいぶ変わってくるものです。今回はアトキンソンモデルというモデルを使ってそのことを話したいと思います。

badge_columns_1001711アトキンソンモデルとは

アトキンソンモデルとは1957年にアメリカの心理学者ジョン・ウィリアム・アトキンソン氏によって作られたモデルです。このモデルは次の簡単な式で表すことができます。

達成傾向=(達成動機-失敗回避動機)×成功可能性×失敗可能性

です。達成傾向は、値が高ければ高いほど達成できる傾向が強くなります。つまり達成傾向はできるだけ高い方が良いわけです。
次に、この式に出てきた用語を説明していきます。

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badge_columns_1001711達成動機と失敗回避動機

達成動機と失敗回避動機は、子供のころからいろいろな経験をして芽生えていく動機です。
テストでいい点数をとったり、絵画で賞をもらったりして誇らしい気持ちになったことがあると思います。逆にみんながうまくやっているのに自分だけうまくいかなくて恥ずかしい気持ちになったこともあると思います。

このような経験の積み重ねで、私たちの心の中には他者よりも優れた結果を出して誇らしい気持ちになりたいという欲求による動機=達成動機と、失敗して恥をかきたくないからやらないでおこうという欲求による動機=失敗回避動機が生まれます。

badge_columns_1001711成功可能性

成功可能性とは、自分自身が思っている成功の可能性です。
たいていは過去の経験や現在の情報によって判断されます。たとえば前にやって簡単にできたことは90~100%、全くできなかったことは(その後一切努力していないとすれば)0~10%です。あくまでも主観的なものなので、全くできなかったことでも、「まあ次やればなんとかなるかも」と考えて50~60%としても問題ありません。

失敗可能性は成功可能性とは逆に、自分自身が思っている失敗する可能性です。たとえば成功する可能性を80%だと感じている時は、残りの20%は失敗するかも、と考えているはずです。この20%こそが失敗可能性です。今見た例のように、成功可能性と失敗可能性の間には

成功可能性(%)+失敗可能性(%)=100%

という関係があります。

badge_columns_1001711アトキンソンモデルからわかること

アトキンソンモデルからどういうことが言えるのか、式をグラフ化してみていきましょう。まず始めに達成動機>失敗回避動機の時、つまり、恥をかきたくない、という思いよりも達成して誇らしい気持ちになりたいという思いの方が強い時、グラフは次のようになります。

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図1 アトキンソンモデル(達成動機>失敗回避動機)

見てわかる通りこの時にはなんと成功確率を50%だと感じたときが一番達成傾向が強くなります。成功確率が0%と100%のときが一番弱いです。
次に達成動機<失敗回避動機の時、つまり恥をかきたくない、という思いが強い時は次のようになります。

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図2 アトキンソンモデル(達成動機<失敗回避動機)

今度は逆に成功確率を50%だと感じたときが一番達成傾向が弱くなります。成功確率が0%と100%のときが一番強いです。しかし、全体的に達成動機>失敗回避動機の時の方が達成傾向は強くなります。

badge_columns_1001711恥をかくことをおそれない!

以上のことから、なにかをやるかやらないかで悩んでいる人は次の二つのことが重要だといえます。

1、恥をかくことを恐れすぎないこと。
2、成功確率が全くないとは思わないこと。

1は達成動機>失敗回避動機にするために必要なことです。恥を恐れすぎず、達成して誇らしい気持ちになるぞ! という気持ちが重要です。
2は成功確率を50%に近づけるために必要です。「もしかしたらがんばればできるかも」、「努力すれば五分五分くらいには持っていけるはず」などと考えてみましょう。

***

いかがでしたか。達成できるかできないかは、心持ち次第でだいぶ変わりそうだと感じてくれればうれしいです。いい意味で恥を捨てて、自分ならやれる、とがむしゃらに頑張れればきっと結果はついてくるはずです。

参考文献
岡市廣成・鈴木直人監修 青山謙二郎・神山貴弥・武藤祟・畑敏道編(2014),『心理学概論 第2版』, ナカニシヤ出版,162-167.
Wikipedia|John William Atkinson
https://en.wikipedia.org/wiki/John_William_Atkinson
グラフはエクセルにて作成
達成動機>失敗回避動機のときは、達成動機=100,失敗回避動機=50
達成動機<失敗回避動機のときは、達成動機=50,失敗回避動機=100 とした。


早稲田大学先進理工学部物理学科所属。横浜サイエンスフロンティア高校卒業。大学では理論物理学を中心に日々勉強に励んでいる。