仕事をしていると、新しい分野の知識を深める必要があったり資格を取る必要があったりして、勉強しなければいけない場面が出てきますよね。しかし、仕事が忙しい中で勉強のモチベーションを保つのは簡単なことではありません。つい怠けてしまうことも多いのではないでしょうか?

一人で勉強をしていくのは、ただでさえモチベーションを維持しにくいもの。そんな方にオススメしたいのが、「勉強仲間を見つける」ということです。人とやるとかえってお喋りしてしまい集中できないのではないか、と考える方もいるかもしれませんが、コツさえ押さえれば相乗効果を生むことだってできるのです。今回は、勉強仲間の見つけ方と効果的な勉強法をご紹介します。

そもそも独学は勉強に向いていない?

皆さん、学生時代のことを思い返してみてください。自分の周りには当たり前のように勉強仲間やライバルがいて、彼らと切磋琢磨しながら勉強に励んでいませんでしたか? しかし、社会人になってからはどうでしょう。一緒に仕事を進める同僚や上司、部下といった人は周りにいるでしょうが、“勉強”で励まし合えるような人は気がついたらいなくなっていた、なんて方がほとんどではないでしょうか。

つまり社会人になってしまうと、いざ勉強しようとしても、これまで皆と共に学ぶ「共学」という環境に慣れていながら、一人で勉強する「独学」という状況に陥ってしまうのです。独学になると、勉強しないことに対する罪悪感も、ライバルに負けたときの悔しさも、目標を達成したときの喜びも、感じられる機会は少なくなってしまいがち。ですから、怠けやすく、勉強に対するモチベーションも維持しづらくなってしまうのです。

ではそもそもモチベーションって、脳内のどのような働きが関与しているのでしょうか。

脳には直接の動因以外の刺激を行動に結び付ける「報酬系」というシステムが備わっています。これは、動物の本能行動の選択と学習につながる基本的な情報であり、たとえば食欲が満たされれば快感を覚え、満たされなければ不快感を覚えるといった具合です。そして外界のある刺激に対してある行動をした場合に快感があれば「正の強化」という作用を発生し、動物はその行動パターンを恒常化させていきます(動機付け)。この動機付けに関わっているのが中脳の腹側被蓋野とその周辺領域のドーパミンニューロンです。ドーパミンニューロンは、それに対して反応(行動)すると報酬が多いと予測される刺激を受けたときに発火頻度を上昇させ、多くのドーパミンを脳内(側座核を含む)に放出し、動物のモチベーションを上げる働きがあることが明らかにされています。

つまり、「この行動をとるとこんな報酬があるんだ」と脳が学習することによって行動は習慣化させられるものの、独学ではその報酬を得ること自体が難しいため、モチベーションが維持しづらくなってしまうのですね。

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勉強したいなら勉強仲間を作ろう

勉強に対するモチベーションを維持したいのであれば、学生時代に返り「勉強をする人のそばにいる」「勉強仲間を作る」ということをしましょう。

「ピア効果」という言葉をご存知でしょうか? 以前こちらの記事「ライバルの存在こそが成功の鍵? 『ピア効果』に見る、伸びる環境の作り方」でも紹介されていましたが、ピア効果は「意識や能力の高い集団に身を置くことで、切磋琢磨しお互いを高めあう効果」のことを言います。

独学がはかどらないのであれば、この相乗効果を利用してみましょう。「共に勉強すること」が楽しいと思えれば、その刺激によって脳内によりいっそうドーパミンが放出されます。そして正の強化の作用が発生して、モチベーションのアップにつながりますよ。

相手のレベルがあまりにも高すぎると、逆に“敵わない” と感じてかえって諦めてしまうなど、ピア効果の大きさは競争相手のレベルに左右される部分があるため、本来であれば競争相手が自分とだいたい同じレベルにあるのが望ましいと言われています。しかし今回のように「勉強すること」が目的なのあれば、共に勉強する相手はどんなレベルの人でもかまわないでしょう。できるだけストイックな人や集中力が高い人と共に勉強するほうが、より自分のモチベーションも高められますよ。

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勉強仲間たちとの勉強方法

もし勉強仲間が同じ目標、同じ勉強内容であれば、「スクラム学習」が効果的です。これは『ドラゴン桜』という漫画の中でも紹介されています。

暗記物は問題を解く達成感も少ないから頭に詰め込んでいるだけで苦痛に感じる。忘れてしまう恐怖と迫ってくるテストのプレッシャーはかなりきつい。こういう時ともに戦う仲間がいれば安心感が得られる。スクラム勉強法で欠かせない最も重要なこと、それは、他の人に対しても責任を負うということだ。・・・つまりこの勉強法では他人の成績にまで責任を負うことになるのだ。・・・自分だけのためとなると相当強い意志がないとやり通せないが、他人のためとなると案外一生懸命になれるものだ。

(引用元:三田紀房著(2003),『ドラゴン桜』7巻,講談社.)

漫画の中では世界史の勉強法の一例として出てきました。世界史の全学習範囲を分担してまとめるという作業が仲間に課され、担当者は期限までに他の人にもわかるよう丁寧にまとめなければならないというプレッシャーと共に学習を進めます。この学習法には一人で勉強するべき量が減るというメリットのみならず、まとめ終わったときの達成感が共有でき、さらには他の人の役にも立ったという幸福感がドーパミンニューロンをさらに刺激するというメリットもあります。私も医学部の学士編入試験の勉強を進める際、予備校で出会った社会人の方々とこの学習法を実践していましたが、とても効果的だと感じました。

逆に、仲間と勉強内容が異なる場合にはどうすればよいでしょうか。やる気を引き出すポイントは、集中力のある人の近くにいることです。自分も自ずと集中せざるを得ない状況に陥ります。集中して勉強することに快感を覚えれば、「正の強化」が発揮されることでしょう。

一緒に勉強する人を見つける方法

身近なところに一緒に勉強してくれる人がいるなら、ぜひ声をかけてみてください。また、そういった人が見つからない場合でも、インターネットやSNSを活用して見つけることができますよ。

仲間探しをする際、社会人の間で近年よく用いられる手段として、「ジモティー」というweb上のサイト、「Studyplus」という勉強SNSなどが挙げられます。「ジモティ―」は掲示板のような感覚で使うことができ、「Studyplus」はアプリ内で勉強時間をログ化し仲間と共有することができるため、英語の勉強や資格取得の勉強などに用いられることが多いそうです。

また、ブックマークスが運営している「勉強カフェ」もおすすめ。勉強カフェは、集中することに特化した自習スペースと、カフェのようなリラックスした空間で勉強ができるスペースとがあり、息抜きに食事や他の利用者と会話することも可能です。勉強に集中できるのはもちろんのこと、利用することで勉強仲間と出会う機会を得ることもできます。2時間無料体験を行っているところもあるようですので、ぜひ一度足を運んでみてください。

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大人の勉強は、自分で選択し、自分でモチベーションを保って、限られた時間で成果を上げなければならないものです。「独学」が非効率的だと感じた際には、ぜひ仲間を見つけ「共学」に切り替えてみてはいかがでしょうか。

(参考)
Eric Kandel(2012), Principles of Neural Science,Fifth Edition, McGraw-Hill Professiona, 金澤一郎・宮下保司監修(2014)『カンデル神経科学』, メディカルサイエンスインターナショナル社.
三田紀房著(2003),『ドラゴン桜』7巻,講談社.
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