職場で信頼を得るための「社内ブルーオーシャン戦略」

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みなさんは「ブルーオーシャン戦略」をご存知でしょうか? 起源は企業の経営戦略の1つですが、本コラムでは同僚や上司の信頼に繋げるべく職場環境に応用する「社内ブルーオーシャン戦略」についてお伝えしたいと思います。

ブルーオーシャン戦略とは

ブルーオーシャン戦略とは、INSEAD(欧州経営大学院)教授のW・チャン・キムとレネ・モボルニュが提唱した経営戦略論です。 さまざまな企業がしのぎを削り、価格競争やクオリティ追及といった多種多様な形で競争をしている中で、もはや多くのライバルが争う血みどろの海(レッドオーシャン)に参入して戦いをさらに激化させるのではなく、大手企業があえて狙わないようなオンリーワンのニッチな市場(ブルーオーシャン)を見つけようという戦略です。

 

ブルーオーシャン戦略の例:任天堂

 

ブルーオーシャン戦略のひとつの例として、任天堂を挙げたいと思います。 ポケットモンスターの大ヒットもあり業界の天下を極めていた任天堂は、それ以降子供ターゲットに大きくシフトしたことで従来のゲームユーザーを手放してしまいました。しかし新たなハードウェア「Wii」で勝負に出ます。

当時SONYのプレイステーションやマイクロソフトのXboxが画質や音質のハイクオリティ化を進めていた中で唯一、「ゲームユーザーの裾野を広げる」という他社とは違う道に乗り出しました。

その結果、体を動かして家族みんなで遊べる体感ゲーム機のWiiが大成功をおさめます。他社が「今までにない画質」などのハイクオリティをどこまでも追求していた中、老若男女問わず家族で遊べるゲームという部分が当時のマーケットにおいてブルーオーシャンだったわけです。

新参者が少しでも早く信頼を得るための、社内ブルーオーシャン戦略

 

若手ビジネスマンに話を戻しましょう。たいていの場合、若手の従業員は同じ部署の同期や先輩後輩含む同僚としのぎを削ることになります。若手ビジネスマンとしてはまず戦力と認められ独立することが最優先となりますし、後々の出世のためには彼らを出し抜くことが必要となります。そこで必要な考え方がこのブルーオーシャン戦略です。

仮にあなたが営業部の新入社員としましょう。同部署の先輩たちはそれぞれ多くの案件を持っており、それぞれの仕事の進め方を確立しています。新入社員の場合は慣れるまで時間がかかるという意味で多めに見てもらえるケースもありますが、出世や上司の評価を考えた時にはいち早く戦力になる必要があります。

初期は研修であったり同行などでご一緒する時間も多いと思いますし、オフィス内で作業している姿も目に入ってくると思います。その際に早く頭角を現すひとつの手段として、先輩社員がカバーできていない部分をまず見つけ出しましょう。 もし既存顧客で手一杯という状況にあれば、新規顧客を開拓する人員がいないでしょうし、社内作業で回っていない部分があればそこを埋めるという手もあります。

新人自らが課題を見つけ出し、そこを埋める戦略を立てている、というのは外から見てある程度のインパクトがあります。もちろんそれだけをしていたらいいということではありませんが、序盤で自分のキャラ設定ができると、周りが(今までそのチームに無かった)あなた自身のイメージを描くので、早くから戦力の一員と認められやすくなります。

 

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あくまでも自立の足がかりを得る戦略

 

このようにいったん自分の立ち位置を確立すると、その他の仕事にも広げていきやすくなります。横並びの同期や年齢が近い先輩後輩の中でも、まずは「○○ならばあいつに頼もう」と周囲が思ってくれるようになると、それに関する仕事は勝手に回ってきます。それをこなしていくことによって信頼を得ることができ、その他の仕事も担当するようになるという好循環につながります。

周囲と同じことを必死にしていたところで、一歩抜け出すことはできません。社内ブルーオーシャン戦略による地盤固めによって、職場環境にスムーズに適応しリードすることを意識してみてください。

《参考文献》 ブルー・オーシャン戦略 | W・チャン・キム、レネ・モボルニュ | ランダムハウス講談社


​​京都大学工学部に入学、3回生で総合人間学部に転学部。学部卒業後、京都大学経営管理大学院に進学しMBA取得。新卒でFMラジオ局に入社、広告営業と音楽番組・イベントプロデューサーを歴任。週2回はフットサルorサッカーをプレイ。

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