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皆さんは、誰かを説得したいとき、どんなことに気を付けていますか? 言葉遣いを慎重にする、ひたすら頼み込む、見返りを用意しておく、など様々かと思いますが、どんな場合でも注意しておきたいのが「ブーメラン効果」です。このブーメラン効果に気を付けないと、説得が逆効果になってしまうかもしれないのです。

ブーメラン効果とは

ブーメラン効果とは、相手を過度に説得すると反発心を抱かれ、結果として説得がうまくいかない現象を指します。心理学的には、次のように考えられています。

人は自分の態度や行動を自分の意思で選択できると考えている為、それが他者からの説得によって制限されそうになると、選択の自由を目指す動機付け状態が喚起される。
説得と同じ方向に態度を変化させてしまうと相手に動かされることになるから態度を変えず、元々の態度を強固にすることで自分の意思で決定していることを自分に認識させる。

(引用元:コピーライティングと心理学|ブーメラン効果とは。事例と心理学実験。

相手を説得しようと躍起になると、相手は自分の行動を決めるという自由が脅威にさらされると感じ、その説得に抵抗します。これが、ブーメラン効果が働いて説得が逆効果になってしまうメカニズムです。

「勉強しなさい! 」と強く言われて反発したくなったり、かえってやる気が削がれたりした経験がある人もいるでしょう。これもよく見られるブーメラン効果のひとつです。

では、どのようにすれば説得がうまくいくのでしょうか。

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うまくいく説得のコツ。説得ではなく「提案」しよう

説得する際に心がけたいのが、相手に物事を提案する形で、自分の導きたい方向に相手を動かすことです。

「この仕事、引き受けてよ」と説得された場合と、「こんな仕事があるんだけど、興味があったら引き受けてみない? 」と提案されたときのことを考えてみてください。前者の場合、自分にとって不利益なこと、面倒なことを押し付けられている気分になりますよね。しかし後者の場合、面白そうで有益な仕事を紹介してもらったかのような気分になるのではないでしょうか。同じ方向に相手を動かそうとしているのにもかかわらず、言い方ひとつで、こんなにも印象が変わってしまうのです。

相手を説き伏せようとするのではなく、相手のためになるように提案してあげるのが、スマートな説得の形だと言えます。

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説得するとき、注意すべきこと

ただし、いくら提案の形をとったからと言え、説得する側の人が明らかに得をする場合には効果がありません。説得がうまくいくどころか、うまく丸めこもうとしていてずるい、という悪い印象を相手に抱かせることとなり、反発されてしまいます。

自分に利益が出る形になる場合には、利害に直接関係のない第三者に説得を頼むのが得策です。また、信頼している相手からの説得なら素直に聞き入れやすい、ということはよく知られていますよね。自分の説得に効果がなさそうなら、相手が信頼している別の人に説得をお願いしてみても良いでしょう。

自分自身が相手との信頼関係を築いておくことも大切です。例えば、行きつけのショップで、信頼している店員さんに提案された商品なら、少々値段が高いものでも買ってみようかなと思うことがあるでしょう。このようにビジネスにおいても、上司や同僚、顧客や取引先と信頼関係を築いておくことで、仕事上のブーメラン効果を回避し、説得・提案をスムーズに進めることができるようになるのです。

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いかがでしょうか。ブーメラン効果を避けることを意識するようにすれば、日常や仕事における様々な場面での説得がうまくいきそうですよ。説得する機会にはぜひ取り入れてみてください。

(参考)
コピーライティングと心理学|ブーメラン効果とは。事例と解説と心理学実験。
ドクター住まい|ブーメラン効果
渋谷昌三 著(2003),『面白いほどうまくいく心理戦術―説得・交渉・駆け引き・対人関係の上級テクニック』,東洋経済新報社.


京都大学経済学部所属。栃木県立宇都宮女子高校卒業。せっかく北関東から京都の大学に進学したので、4年間で京都観光を極めたい。