ビジネスパーソンのみなさんは、「仕事における悩みは何ですか?」と聞かれたら何を思い浮かべますか? 仕事をなかなか覚えられない、仕事の内容が自分に合わない、待遇に満足できない、など様々あるかと思いますが、中でも「上司との人間関係」を一番の悩みに挙げる人はかなり多いのではないでしょうか?
自分の仕事を正当に評価してくれない、自分の意見に耳を傾けてくれない、あまり信用されていないように感じる……。上司に対するこんな不満が心の中でいつもくすぶっていては、仕事もなかなか捗りませんし余計なストレスも溜まっていく一方ですよね。そして「なんでこの人が上司なんだ」と嘆いたところで、今の状況は何も変わらないものです。
そこで今回は、上司との関係に悩んでいる人に向けて「ボスマネジメント」をお送りします。
ボスマネジメントとは?
「ボスマネジメント」とは、組織における一般的な考え方である“上司が部下をマネジメントする”とは真逆の“部下が上司をマネジメントする”という概念のことです。それはつまり“部下が上司を動かす”ということ。上司に対して能動的・戦略的に働きかけることで、フォローしてくれる、積極的に後押ししてくれる、といった“自分の仕事を進めやすい環境”を部下が自らの手で作り上げてしまうのです。
上司との付き合いがうまくいかない原因のほとんどは“上司との信頼関係が充分に築けていない”から。一方でこのボスマネジメントは上司との信頼関係の構築がその前提にあります。ボスマネジメントに努めて上司との信頼関係をうまく築ければ、上司に対する余計な不満を抱くこともなくなりますから、仕事の効率は格段に良くなるはず。また自身の評価も高まりますから、キャリアアップにもつながっていきます。
ボスマネジメントは良いことだらけですね。それではさっそく実践する方法を紹介していきます。
ボスマネジメントを実践する方法
ボスマネジメントを実践する際は、次の4つを意識してみてください。
1. 信頼関係を築く
ボスマネジメントに限った話ではありませんが、上司との信頼関係は非常に大切です。何か起きたときに融通が利いたり相談しやすかったりしますからね。指示内容をしっかりと理解する、納期を必ず守る、報連相をこまめに行う、といった基本的な部分から日々こつこつと積み上げていきましょう。
2. 上司の性格を把握し、それに合った行動を取る
日頃から上司を観察し、上司がどのような性格であるかを知った上で、それに合わせた行動を取るようにしましょう。話すのが好きな上司でしたら自分から積極的に話しかけるようにすれば良いでしょうし、仕事に介入したがる上司でしたらあえてこまめに相談を持ちかけて介入させてしまいましょう。上司がいつも通りの自分でいられる“安心する状態”を作ってあげることで、お互いに仕事がしやすくなります。
3. 上司が好む“仕事の進め方”を知る
2と同時に、上司が好む仕事の進め方を知っておくのも大切です。例えば連絡事項がある場合、メールで文章化して送ったほうがいいのか、それとも口頭で直接話したほうがいいのか、などですね。毎日付き合っていれば、上司の好みはきっと見えてくるはず。その好みに合わせて自分が行動することで、お互いの相性は良くなっていくでしょう。
4. 自ら上司に働きかける
上司の指示を待っているだけでは、結局“出された指示を実行する”という部下の立場からはいつまでも脱却できません。そこで自ら上司に働きかけて仕事を取ってくることで、自分の仕事そのものもコントロールしてしまいましょう。そしてこの仕事を成功させられればさらなる信頼も得られます。やがてもっと大きな仕事を任せてもらえるようになるかもしれませんよ。
大切なのは“上司を思う”こと
“上司”と“部下”という関係性は、単なる業務遂行のための職場内の立場の違いとして無機質にとらえられがち。でもボスマネジメントを実践する上で大切なのは“上司を思う”ことなのです。
上司の視点に立ってみて、何を欲しているのかを理解してあげてください。上司の表情を確認してみて、今どんな気持ちなのかを察知してあげてください。それを基に自分が一歩先に動くのです。そうすれば上司は「お、こいつは分かっているな」と感心し、信頼も大きくなっていくことでしょう。
*** 上司をマネジメントすることで自分の仕事を進めやすい環境を作り出してしまう「ボスマネジメント」。うまく実践して、自身のキャリアアップにつなげてくださいね。
(参考) 中村一八の知心コラム|上司を動かす 日経ウーマンオンライン|こんな新人&同僚になってはいけない!| 日本の人事部|ボスマネジメント| キャリアパーク!ビジネス|ボスマネジメントを習得!上司の使い方がうまくなる秘訣