良い文章、とはどのような文章だと思いますか? どのようにすれば良い文章を書くことができるのでしょう。

私たちには、文章を書かなければならない場面がたくさんあります。学校なら感想文やレポート、仕事なら報告書に企画書、プライベートであればSNSでの文章など、これらはごく一例として、何かと文章を書く機会は多いもの。

そうした場面で、文章を「とりあえず書く」ことは誰にでもできても、評価される「良い文章を書く」のは意外と難しいことですよね。実際に書いてみると「どうも読みにくい」「何だかダラダラしている」といったイメージになってしまうこともしばしばでしょう。一方で上手な文章を読むと、スラスラと頭に入ってきて知的な印象まで受けるものです。

そのような「スマートな文章」を書くためにはどうすれば良いのでしょうか? ここでは、誰でも実践できる上手な文章の書き方のポイントを紹介したいと思います。

「完読」される文章を目指す

上手い文章とは、多くの人に「完読」してもらえる文章です。文章力を高めるためには、完読される文章を書くことを意識すると良いでしょう。

皆さんにも経験があると思いますが、読みにくい文章は、よっぽど興味がある内容ならまだしも、忙しいときならば早々に読むのをやめたり、斜め読みで流したりしてしまうことになります。

大切なのは、読者が「ストレスなく読める文章」を書くこと。それを心がければ、読者は自然と最後までついてきてくれるはずなのです。

つまり文章の上達において最も重要なことは、読んでいるときにストレスになり得る要素を、慎重に削っていくことなのです。

以下では、読者にとってストレスになる要素を削るための方法をお伝えしていきます。

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文章のキモは下準備

文章を書こうというとき、いきなり書き始めてしまう人は少なくないと思います。でも実は、この見切り発車で文章を書き始めるという行為は、一番やってはいけないこと。文章力とは、構想力のことでもあります。

いきなり文章を書き始めると、必ず「考えながら書く」という状態になってしまいます。考えながら書くことの何がいけないのか、と思うかもしれませんが、それは地図を見ないで出かけるのと同じことです。初めての場所に向かう前には必ず地図を見るように、文章を書き始める前には

・何を書くのか
・何のために書くのか
・どのように書くのか

ということを予め確認し、「文章の地図」を作っておくことが大切です。

これらの下準備をしておけば、スムーズに文章を書き進められるようになりますし、なによりも仕上がった文章が「何を言いたいか分からない」「何だか読みにくい」ものになってしまうこともありません。

しっかり練られた旅路のようにスマートに文章が運べば、読者も安心して文の流れに乗ることができるようになります。

構成の鍵は“サビ頭”

サビ頭とは、音楽で、曲の出だしにサビが出てくるようなものを指します。再生を開始した直後に、曲の最も美味しい部分を聞かせることで、自然とリスナーを曲に引き込む効果があります。

プレゼンの技術に、SDS法やPREP法といったものがあります。SDS法とは「Summary(要約)→Details(詳細)→Summary(要約)」の順に、PREP法とは「Point(結論)→Reason(理由)→Example(例)→Point(結論)」の順に、プレゼンを進める手法のこと。これらの方法においても、最初に要約や結論を配置することで聞き手を引き込むことを狙っています。

文章でも、全く同じテクニックが使えます。最初に一番伝えたいことをしっかりと書いておくことで、読者が内容を把握しやすくなり、その先の文章をスムーズに読み進めることができるようになるのです。

どんな結論に至るかわからないまま、だらだらと文章を読み進めるのは、非常に苦痛だと思いませんか? 読者のそんな苦痛を解消してあげて、ストレスなく文章を読んでもらえるようにしましょう。

ワードチョイスも慎重に

使う単語の性質は、文章の読みやすさと直結しています。難解な単語や専門用語が多用されている文章は、それらの言葉に慣れていない読者にとっては、ストレスのかかる読みにくい文章となってしまうのです。

熟語を使う時、もしもそれが簡単な表現で言い直すことができるものなら、なるべく易しい表現を使うようにしましょう。必要に応じて、難しい漢字が出てきたときはひらがなに直したり、読みやすい漢字で表現しなおしたりもしてみてください。

例えば、「検討する」は「考えてみる」と表現することもできますし、「つまるところ」で済む部分に「畢竟(ひっきょう)」などと難解な単語を入れる必要はありません。

論文などで堅い文章を書かなければならない場合を除いて、同じことを伝えるのだったら最も平易な表現を選択するのが良いでしょう。

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一文はなるべく簡潔に

あれも言いたい、これも言いたい……と欲張ってしまうと、一文が長くなります。

だらだらと無駄な修飾が続き、いつまでも終わらない文章は、読んでいてストレスが溜まってしまいます。

なので、言いたいことが多いときは、思い切って二文に分けたり修飾語を削ったりして、一文を短くしましょう。

さらっと読める一文がリズムよくストンストンと続くことが、ストレスなく読める文章の条件なのです。

読み直しは流し読みで

文章を書き終わったら、必ず読み直しをしましょう。その時、流し読みでサッと目を通してみる、というプロセスを必ず踏んでください。

文章の推敲をするとき、じっくりと文章を眺め、誤字脱字などがないか確かめる工程はもちろん必須ですが、それだけでは見えてこない問題があります。

なぜなら、文章を読む側は忙しく、さっと目を通すだけしかできないということも少なくないから。自分がじっくり書いた文章だからといって、誰もがしっかりと腰を据え、丁寧に読んでくれるのだと考えるのは危険なのです。

文章が本当に読みやすいかを確かめるには、自分も一度文章を流し読みしましょう。そして、流し読みでもしっかり意味が取れることを確認してみてください。

きちんと構想を練り、平易な言葉をつかって、読みやすく書いた文章ならば、流し読みでも十分意味が伝わるはずです。もし、流し読みでは内容があまり伝わらないと感じたら、ここまでお伝えしてきたポイントを振り返って、読者にとってストレスになり得る部分がなかったかを確認してみましょう。必要であれば、一度文章の地図に戻って、構成を練り直すところからやってみるのも良いかもしれません。

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文章は誰かに何かを伝えるもの。どんなに書き手が満足しても、誰にも読んでもらえなければ全く意味がありません。

ちょっとしたことに気を付けて、文章力を底上げできると良いですね。

(参考)
唐木元著(2015),『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング 』,株式会社インプレス.
はじめてWeb|Web文章入門(全6回) 第2回:わかりやすい文章の10大原則
earth in us|「シンプルな文章の書き方」 ― 読まれなかった文章をカイゼンしてわかったこと
HappyLifeStyle|SDS法とPREP法は、プレゼンでは欠かせない基本構成。