皆さんは、仕事をしたり何かを考えたりするときに “型” を持っていますか。論理的に考えるのが苦手だ……。アイデアがうまく出せない……。成果をなかなか上げられない……。そんな悩みをお持ちであれば、便利なフレームワークを有効活用してみましょう。

今回は、若手ビジネスパーソンが押さえておくべきフレームワークを、「ロジカルシンキングのため」「アイデア創出のため」「目標達成のため」の3つの視点からまとめてみました。

フレームワークとは

「フレームワーク」という言葉。コンサルティングがよく使っているイメージがありますよね。では、そもそも「フレームワーク」って何なのでしょう。

経営戦略や業務改善、問題解決などに役立つ分析ツールや思考の枠組み。MBAなどで教わることが多く、ビジネスに必要とされるロジカルシンキングや発想法などを体系的にまとめたもの。

(引用元:Wikipedia|フレームワーク

解決すべき課題・問題に対していつも場当たり的な対処をしてしまっていては、正確性や論理性に欠けるばかりか、案がまったく思い浮かばず埒が明かなくなってしまうことも。質とスピード両方が求められるビジネスの世界では、これは致命傷になりかねませんよね。

ここで登場するのがフレームワーク。自らが持つ課題・問題を、決まった “型” の中に当てはめてあげることで、考えるべきポイントや方向性が明確になり、思考の質・スピードが大きく向上します。フレームワークとは、課題解決のための思考を手助けしてくれる重要なツールなのです。

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コンサルでなくても! 社会人なら知っておきたい「フレームワーク」の基礎知識

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ロジカルシンキングのフレームワーク

VRIO(ブリオ)、PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)、バリューチェーン、アンゾフの成長マトリクスなどなど、フレームワークの種類は枚挙にいとまがありません。そんな中、初めにご紹介する「ロジックツリー」は、数あるフレームワークの中で最も基本的なもののひとつです。

1. ロジックツリー

会議でも商談でもプレゼンでも、重要なのは相手を納得させること。何の根拠も持たぬまま “なんとなく” で導き出した答えを述べ立てたところで、相手を納得させるのはほぼ不可能に近いはず。問題の原因を分解しツリー状に整理していく「ロジックツリー」は、ロジカルシンキングの経験がない若手ビジネスパーソンが必ず覚えておくべきフレームワークと言えるでしょう。

ロジックツリーのコツは以下の2点です。
1. 各要素の漏れやダブりに気をつけること
2. 同じ階層には同じレベルの要素を置くこと

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整理されていない思考はただの妄想である。論理力が “なくても” ロジカルに考えられる『ロジックツリー』の技法

2. MECE

さて、上の1で取り上げた「各要素の漏れやダブりに気をつけること」は、専門的にはMECE(mutually exclusive, collectively exhaustive の略)と呼ばれ、ロジカルシンキングの初歩の初歩として非常に大切な概念です。例えば人間の利き手を考える場合。

A. (人の利き手)=(右利きの人)+(左利きの人)
B. (人の利き手)=(右利きの人)+(左利きの人)+(両利きの人)

Aは稀にいる「両利きの人」をカバーできていない、Bは「両利きの人」が「右利きの人」と「左利きの人」の重なったエリアに位置してしまっている、という理由からMECEとは言えません(高校数学で学習したベン図を思い浮かべるとわかりやすいかもしれませんね)。そこで、

(人の利き手)=(右手だけが利き手の人)+(左手だけが利き手の人)+(両利きの人)

の構図にすることで、初めてMECEに分けることができるのです。

問題の内容によりMECEの切り口は様々です。「今日からすぐに」は難しいかもしれませんが、日ごろの課題分析時にMECEを意識することで、ロジカルシンキングの能力が鍛えられていくでしょう。

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結局のところ “MECE” ってなんなの? いまさら人に聞けないロジカル思考の基本。

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アイデア出しのためのフレームワーク

「アイデア力は才能によるところが大きい」
「アイデアはひらめきが生み出すもの」
こんなふうに考えている方はいませんか?

じつは、アイデア出しのためのフレームワークも存在します。センスやひらめきに頼らず、論理的にアイデアを生み出す方法をご紹介しましょう。

1. Qストーミング

グループでアイデアを出す手法としては、ブレインストーミング(通称ブレスト)が有名ですよね。各人が自由にアイデアを出し合うことによって発想の連鎖や誘発を促す、アレックス・F・オズボーン氏が考案したアイデア出しの技法です。

しかし、「会話の中で思考が途切れてしまう」「他人(特に目上の人)の目を意識するあまり発言をためらってしまう」といった理由から、じつはブレストは非効率という研究もあるのだとか。このブレストに変わるものとして注目されているのがQストーミングです。

Qストーミングはクエスチョンストーミングの略であり、イギリスの専門機関Right Question Instituteが考案しました。やり方は非常にシンプルで、ブレストで言うところの「〇〇についてアイデアを出す」を「〇〇についての疑問を挙げる」に変えること。

アイデアを出すとき、私たちは「こんなアイデアで良いのか」「このアイデアは間違っているのではないか」と不安になってしまいますよね。しかし単純に疑問を述べるだけで良いのであればハードルも下がるため、そんな心配をする必要はありません。メンバーの発言量が多くなり、議論がより活発になることが期待されますよ。

■詳しくはこちら↓
まだブレストで消耗してるの? アイデア出しの新手法 “Qストーミング” が創造性を爆発させる

2. KJ法

KJ法は、文化人類学者の川喜田二郎氏が考案しました。もともとは文化人類学のフィールドワークで集まった膨大な量の情報を整理するための方法として考案されましたが、その汎用性の高さから、現在はビジネスの世界でも広く取り入れられています。

やり方は以下。

1.「1枚のカードにひとつ」というルールに従って、集めた情報について思いついたことを記入していく。
2.関連性のあるカード同士をひとつにまとめ、グループを作って見出しをつける。
3.そこから新たに見えてくることを文章にして書いてみる。

アイデアとは、まっさらなゼロの状態から誕生するものではなく、既存のアイデアが化学反応を起こして生まれるものにほかなりません。雑多な情報の間に関連づけを行なうことで、新しい発想のヒントに気づく確率がぐんと高まりますよ。

■詳しくはこちら↓
企画のプロはみんな知ってる! ひらめきの基本手法『KJ法』をマスターせよ

3. SCAMPER

アイデアを発想させる方法としておすすめなのがSCAMPERというフレームワーク。アレックス・F・オズボーン氏が考案したアイデア出しのためのチェックリストをボブ・イバール氏が改良したものであり、以下の英単語の頭文字を順番に取っています。

S=Substitute:置き換える
C=Combine: 組み合わせる
A=Adapt:当てはめる
M=Modify:修正する
P=Put other purpose:別の使い道を考える
E=Eliminate:余計なモノを削る
R=Rearrange / Reverse:並び替える / 逆にする

「良いアイデア、良いアイデア」と呪文のように唱えていたところで、アイデアはおりてきません。発想の方向性を強制的に自分に問いかけることで、アイデアの手がかりが見つかるかもしれませんよ。詳しい方法はこちらの記事をご確認ください。

■詳しくはこちら↓
ブレストがさらに加速! アイディアを生み出す『SCAMPER』という新手法

4. QPMI

新たな事業を創造したい。新たな価値を創出したい。そんなときはQPMIサイクルを意識しましょう。

Q(Quesiton):さまざまな事象から「疑問」や「課題」を見いだす
P(Passion):課題解決に対する情熱を持ち続ける
M(Mission):課題をミッションに発展させ、チームを作って取り組む
I(Innovation):チームの推進力により新たな価値の創出を目指す

(※カッコ内は編集部にて補足)
(引用元:東洋経済オンライン|ここがヘンだよ!日本企業のイノベーション 科学者集団が考えた、面白い仕事の作り方

イノベーションは “問題意識” を持つところから始まります。その問題意識への情熱を保ちながら、チームを組んで解決に邁進することで、イノベーションは生まれるのです。

「あれ、このままでいいのかな?」
「この状況、何かおかしくない?」
そんな “Question” を忘れずに抱き続けておくことが、QPMIの第一歩ですよ。

■詳しくはこちら↓
イノベーションはPDCAからは生まれない。疑問と課題がドライブする “QPMI” を重視せよ。

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目標達成のためのフレームワーク

勉強や仕事は成果を出してこそ。達成すべき目標や綿密な計画を定めたうえで作業を始めるという方も多いのではないでしょうか。でも、「なかなか結果に結びつかない」「そもそも計画通りに進まない」なんて方も多いはず。

そんなときこそ、目標達成のためのフレームワークを活用しない手はありません。偉大な成功者たちも使っていた手段を知り、上のような悩みとはもうお別れしましょう。

1. 高速PDCA

P(Plan:計画)、D(Do:実行)、C(Check:評価)、A(Action:改善)のサイクルを回していく「PDCA」という言葉は、おそらく誰もが一度は聞いたことがあるはず。物事を円滑に進めるための最もメジャーな手法のひとつであり、仕事の現場で実際に取り入れている方もかなりいるのではないでしょうか。

ゼロから立ち上げたソフトバンクを一代で超大企業へと成長させた、あの孫正義社長もそのひとり。でも彼は、PDCAを “もっと確実に、もっと速く” 回す「高速PDCA」を実践していました。

1. 大きな目標を立てる(週、月単位など)
2. 小さな目標を立てる(1日が原則)
3. 目標達成に有効な方法をリストアップする
4. 期間を決めて、すべての方法を同時に試していく
5. 毎日、目標と結果の違いを検証する
6. 検証をもとに、毎日改善する
7. 一番すぐれた方法を明らかにする
8. 一番すぐれた方法を磨き上げる

この8ステップを実行することで、PDCAが驚くほど速く回るのだそう。あらゆる場面で応用可能なこの方法、一度試してみてはいかがでしょうか。

■詳しくはこちら↓
ソフトバンク孫社長に学べ! 目標達成のためのすごいメソッド『高速PDCA』

2. OODAループ

一方で、綿密に立てた計画に固執しすぎることで、かえって物事の進行が滞ってしまう可能性がある点も指摘されています。計画段階では想定していなかった事態が起こったり、実行途中に新しい問題が浮上してきたり……。1991年の湾岸戦争でイラクが大敗したのも、形式的なPDCAにこだわりすぎたことが原因のひとつと言われています。

そんなPDCAの弱点をカバーする新たなフレームワークとして注目されているのが「OODA(ウーダ)ループ」。O(Observe:観察)、O(Orient:状況判断)、D(Decide:決断)、A(Act:実行)を表しており、「一応計画は立てるものの、それにこだわりすぎてはいけない」という考え方です。

必要があれば計画を見直し、臨機応変に対応する。これぐらいの身軽さを持っておいたほうがいいのかもしれませんね。

■詳しくはこちら↓
OODAループで生き残れ! PDCAを過去のものにした米軍式目標設計術

3. マンダラート

打者と投手の二刀流として有名な、北海道日本ハムファイターズの大谷翔平選手。彼が高校時代に実践し160km/hを投げられるようになったという超実践型の目標達成メソッドが「マンダラート」です。

3×3のマスの中心に大きな目標を書き、その目標を達成するために必要だと考えられる要素を周囲に書いていきましょう。さらに、それぞれの要素を中心に転記した3×3のマスでも同様の作業を行なうことで、初めの大きな目標を達成するために必要な要素が広く深くあぶり出されます。

例えば「TOEIC800点」を大きな目標に設定した場合、マンダラートは下のようになります。

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目標達成要素を強制的に絞り出せるのはもちろん、視認性が高いことも優れた特徴ですね。目標達成のために何をすればいいのかわからない……。そんな方は、ぜひマンダラートに使ってみましょう。

■詳しくはこちら↓
勉強にも仕事にも! 大谷翔平も使う『目標達成マンダラート』がすごい

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今回は、若手ビジネスパーソンのためのフレームワークを集めてみました。初めの取っつきにくさが難点のフレームワークではありますが、実践を通してこそ慣れていくもの。勉強や仕事をさらに充実させるために、フレームワークをどんどん活用していきましょう。

(参考)
Wikipedia|フレームワーク
堀公俊 (2013),『ビジネス・フレームワーク (日経文庫ビジュアル)』, 日本経済新聞出版社.
Wikipedia|ブレインストーミング
東洋経済オンライン|ここがヘンだよ!日本企業のイノベーション 科学者集団が考えた、面白い仕事の作り方