現代人の必須アイテムとなったスマートフォン。
ここ最近も次々と新しい機能が追加され、便利なアプリの登場と共にますます人々の生活に溶け込んでいるように思えます。

しかしその一方で、便利になりすぎたスマホに振り回され、縛られているようでうんざりする、ということも少なくないのではないでしょうか?

近年では、スマホを通してLINEやFacebook、TwitterなどのSNSが急速に普及し、それに伴って「SNS疲れ」という言葉が生まれるほどに、スマートフォンやSNSが生活に占める割合は大きくなってきています。

年越しの際には、いくつものLINEグループに投稿される「あけましておめでとう!」のメッセージにどの程度反応するべきなのか、悩んでしまった人もいるのではないでしょうか?

そのような状況の中、スマホの便利さを感じながらも「疲れるから遠ざけたい」と思う人もいるでしょう。実は、ただ「疲れる」というだけではなく、スマホの存在自体が人間の能力に影響を与えている可能性が指摘されているのです。

あるだけでダメ? スマホの影響

スマホを手元に置いておくと、作業中や勉強中でもついついSNSを見てしまう、ブラウジングにふけってしまうという人は少なくないかと思います。

しかし実は、そういう風に直接影響を受けていないつもりでも、スマホの存在自体が作業効率を落とすということが、北海道大学の河原純一郎特任准教授らの研究により明らかになったのです。

実験では、大学生40人を対象に簡単な図形のテストを行い、かかった時間を測定しました。
テストを行う際に、脇に電源を切ったスマホを置いた学生と、同じ大きさのメモ帳を置いた学生の2つに分けて、その結果を比べます。結果、スマホを置いた学生の方がそうでない学生よりもテストの判断に約1.2倍の時間がかかったのです。

スマホの電源を切っているということは、着信やSNSの通知などが表示されることもありませんから、スマホの存在はあってないようなもの。それでも影響が出てしまうということは、我々の意識がどれだけスマホに縛られているのかということを実感させるものだと言えるでしょう。

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どうしてスマホが気になるのか

実験を行った河原純一郎特任准教授は、影響が出た原因について次のように説明しています。

何も表示されなくても、端末自体がその場にいない誰かとのコミュニケーションを意識させているのではないか

(引用元:毎日新聞|スマホ:そばにあるだけ「気が散る」 判断にも遅れ

人間は、高度な社会を作り上げるために発展してきましたから、他者とのコミュニケーションに関しては、脳が優先的に反応する性質があります。
普段からコミュニケーションのツールになっているスマートフォンは、たとえ電源を切られていてもコミュニケーションを想起させ、それに対して注意が割かれることにより集中力を低下させてしまうのです。

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スマホはなるべく奥にしまおう

スマートフォンの影響を受けないためにも、集中したい作業のときにはスマートフォンは目に見えない場所へと仕舞っておくのが大切です。

電源を切ってカバンの奥へ、家にいるなら別の部屋まで置きに行ってしまうのも良いでしょう。

「急な連絡が入るかもしれない」、「もしものときに対応が遅れたら困る」と、考えてしまいがちかもしれませんが、例えば「○○分ごとに一度スマホを確認する」としておけば、見えないところに置いておいても大事な連絡を取りこぼすこともありません。

学生ならば「今から○○時まで勉強する」とTwitterなどで宣言するのも良いでしょう。そうすれば、その間にSNSは使えなくなりますし、思い切ってスマホを手放す良い後押しになってくれます。

電源オフ、マナーモード、機内モードなど、方法はいろいろあると思いますが、何よりも「目に入らない場所に」ということを重視して、スマホ離れを実践してみると良いですよ。

***
日進月歩で便利になって、ますます手放せなくなるスマートフォン。便利でありがたい道具だからこそ、生活の邪魔にならないように上手に付き合っていきたいですね。

(参考)
毎日新聞|スマホ:そばにあるだけ「気が散る」 判断にも遅れ
IT用語辞典バイナリ|SNS疲れとは
明和政子(2006),『心が芽ばえるとき コミュニケーションの誕生と進化』, 叢書コムニス
東洋経済オンライン|「ネット依存」で失った4つのもの