5人目のカリスマは、プロ野球人生62年──野球評論家の野村克也氏。

人は感じるからこそ考え、その考えに基づいて行動する。「考え抜く」ことで道を切り開いてきた野村氏は、「思考を変えれば人生は劇的に変わる」と言う。人生を変える『カリスマの言葉』とはいったい…!?

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多くの才能あるプロ野球選手を世に送り出した野球評論家の野村克也さんは、人がその道で真のプロフェッショナルに、いわば「一流の人間」になっていく過程のなかに、人が成長していくための“原理原則”があるといいます。

これを逆から眺めてみると、まさに一流の人間になるためのノウハウととらえることもできそうです。はたして、野村さんが考える一流の人間になるために必要な姿勢とは――。

【格言】
無視されて三流、
賞賛されて二流、
非難されて一流。

無視する、賞賛する、非難する──。
これは、すべての分野で一流の人間を育てていくための原理原則で、「無視」「賞賛」「非難」の順にステップアップしていく。

無視されているときは、己で考えられる力を身につけなさいという時期である。賞賛されているときは、成長を評価されるようになったということだが、裏を返せば、まだ一人前扱いされていないということでもある。非難されることは、一人前になった人に、さらに上を目指すよう仕向けるための意図的な刺激とともに、「うぬぼれるな!」という意味合いがある。

育てられる側は、無視されたとき、賞賛されたとき、そして非難されたときに、どのように受け止め、いかなる行動を取るかで、一流になれるかどうかが決まる。無視されたら、「どうしたら認めてもらえるだろうか」と考える。賞賛されたら、「自分は凄いのだ」と勘違いすることなく、さらに努力を続ける。もしいま非難されているのなら、それは期待の裏返しだと思えばいい。

悔しさを受け止め、精進を重ねれば、きっと一流に近づける。

【プロフィール】
野村克也(のむら・かつや)
1935年、京都府に生まれる。京都府立峰山高校を卒業し、1954年にテスト生として南海ホークスに入団。3年目の1956年からレギュラーに定着すると、現役生活27年間にわたり球界を代表する捕手として活躍。歴代2位の通算657本塁打、戦後初の三冠王などその強打で数々の記録を打ち立て、MVP5回、首位打者1回、本塁打王9回、打点王7回など、タイトルを多数獲得。また、1970年の南海でのプレイングマネージャー就任以降、延べ4球団で監督を歴任。ヤクルトでは「ID野球」で黄金期を築き、楽天では球団初のクライマックスシリーズ出場を果たすなど輝かしい功績を残した。現在は野球評論家として活躍中。

Photo◎産経ビジュアル

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無視されること、賞賛されること、非難されること。いずれも人の心を激しく揺り動かすこのような機会を、どのような姿勢で受け止めるべきなのか。そのとらえ方で次第で、その後の成長の度合いが決まってきます。

奢ることなく、しかし卑下もせず、自信をもって謙虚に努力を続けていく。そうした地道な積み重ねこそが、成功を引き寄せる常道といえるのかもしれません。

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カリスマの言葉シリーズ#003『野村の金言』

野村克也

セブン&アイ出版 (2017)