今回のカリスマは、教育評論家の尾木直樹氏。

確かな教育論と親しみやすいキャラクターで多くのファンを持つ “尾木ママ”。優しく、そして時に厳しい『カリスマの言葉』が、あなたを幸せへと導いてくれますように。

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来たるべき超高齢化社会や平均寿命の上昇とともに、「100年時代」と呼ばれる時代が近づいています。仮に65歳で定年を迎えたとしても、残る人生の年数は35年――。いま、これまでの時代にあたりまえとされた考え方や行動規範がどんどん通用しなくなり、一人ひとりの働き方や人生のあり方が問われはじめています。

もちろん、学びについても同じ。このような時代を生きていくうえで、人は学びの価値をどのようにとらえていけばよいのでしょう? 今回は、「学ぶこと」に対する意識の変革についてお伝えします。

【格言】
「どの大学で学んだか」よりも、
「なにを学んだか」が価値をもつ
「学習歴社会」の時代です

社会環境の変化を受けて、日本の学歴偏重社会もようやく終焉に近づこうとしています。つまり、この先は、学歴だけでは通用しない時代がはじまるということです。では、これからはなにが大切になってくるのでしょうか。

いまや、ものづくりの職人さんでさえ、手に職をつけただけで一生安泰ということはなく、時代の要請に合わせた技術革新や、業種の枠を越え、世界を視野に入れた情報収集力・分析力が求められる時代です。そうした時代に、仕事を継続していくには、学び続けることが必要になってくるのです。

企業に就職した場合も同じです。いい大学を出て大企業に入れたから、あとは与えられた仕事をやっていればいい、というわけにはいきません。外の社会に放り出されることになっても、生きていける力をつけなくてはならないのです。高い学歴よりも、多面的、多角的にどんなことを学び続けてきたか、すなわち、「なにを学んできたか」という「学習歴」こそが価値をもつ時代です。

定年後に、社会に役立つ仕事に就き直すことも可能な現在、人間は死ぬまで学ぶ喜びを獲得できるようになっています。そうした時代に生きるわたしたちには、生涯学び続ける「生涯学習」の姿勢と意欲こそが求められているといえるのです。

【プロフィール】
尾木直樹(おぎ・なおき)
1947年、滋賀県に生まれる。早稲田大学卒業後、私立海城高校、東京都公立中学校にて22年間にわたって教職に従事。その後、大学教員に転身し、2012年4月からは法政大学教職過程センター長・教授を務める。子育てと教育、メディア問題の專門家として調査・研究に取り組む一方、知見を活かし各メディアに出演している。近著に『取り残される日本の教育 わが子のために親が知っておくべきこと』(講談社)、『教育とは何?―日本のエリートはニセモノか―』(中央公論新社)などがある。

Photo◎川しまゆうこ

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なにのために学ぶのか、そして「なにを学ぶのか」が問われる時代がやってきます。100年時代を見据えれば、必然的に「学び続ける姿勢と意欲が問われる」という尾木さんの主張にうなずく方も多いのではないでしょうか。

もはや従来の学歴だけを追い求める学びは、有効ではない時代になりつつあります。尾木さんがいう「学習歴社会」の到来にあたって、より充実した人生を生きることができる自分だけの学びのテーマを探してみませんか?