あなたが所属する組織やチームのリーダーはどんな人ですか? いつも仕事に対して情熱を持ったエネルギーに満ち溢れた人でしょうか? それとも頭の回転が早く、能力がずば抜けている人でしょうか? 一見リーダーというと能力やスキルが優れた人を思い浮かべがちですが、事実はまったくちがいます。

みんなから望まれるリーダーとは? あなたがリーダーとして選ばれるための条件は? リーダーになりたい人は必読です!

【格言】
優秀な人が、
リーダーに選ばれるとは限らない

カリフォルニア大学バークレー校の研究チームが、興味深い研究結果を報告しました。お互いを知らない4人の学生を組み合わせてグループをつくり、数学の問題を与え協力して解いてもらうという実験。被験者グループの学生のやりとりはすべてビデオで記録され、それを被験者に見せてリーダーを誰にするのか決めてもらいます。さらに、無関係の第三者にもビデオを見せて、リーダーにふさわしい人物を選んでもらいました。

すると、被験者も第三者も同じ人物を選んだのです。しかし、このリーダーはほかのメンバーより数学の能力が秀でていたわけではありません。リーダーに選ばれた理由は「支配性が高い」こと。数学とは別に実施した短い性格判断テストの結果で、支配性が高いとされた学生ほどリーダーに選ばれやすいことがわかったのです。

「支配性が高い」とは、ほかの学生を恫喝するなどの行為をしていたわけではありません。最初に発言をしていたという、とても単純なことでした。ほかの特徴として、確信に満ちた様子で話す傾向もありました。

つまり、「実力のある人」よりも、「確信のある人がリーダーになる」のです。

【プロフィール】
中野信子(なかの・のぶこ)
1975年、東京都に生まれる。東京大学工学部卒業後、同大学院医学系研究科修了、脳神経医学博士号取得。脳科学者・医学博士・認知科学者として横浜市立大学、東日本国際大学などで教鞭を執る。脳科学や心理学の知見を生かし、マスメディアにおいても社会現象や事件に対する解説やコメント活動を行っている。レギュラー番組として『ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系/毎週木曜コメンテーター)『英雄たちの選択』(NHK BS プレミアム)『有吉ゼミ』(日本テレビ系)、近著に『サイコパス』(文藝春秋)、『ヒトは「いじめ」をやめられない』(小学館)などがある。

Photo◎佐藤克秋

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会議などでまず最初に発言し、さらに自信をもって話すという行為だけで、周りのみんなからリーダーに選ばれているなんて驚きですよね。少なくとも、選ばれる可能性が高まることは確かなようです。

逆にいえば、リーダーに選ばれることは人間的に優れているわけではまったくないということ。いまリーダーとして活躍している人は、ひとつの戒めとして自分を省みるのもいいかもしれませんね。

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