勉強を続けていると、大きく成績が伸びるときもあれば、なかなか思うように結果が伴わない時期もあります。そうしたときにも、自信やモチベーションを落とすことなく、勉強を続けていけるいい方法があると脳科学者の中野信子さんは言います。

勉強で大切なのは、途中であきらめずに「継続」すること。一時の好不調に左右されて気を迷わせないためにも、知っておきたい目標達成のコツをご紹介します。

【格言】
自分の努力を「記録」して見返すことで、
自信がわく

成果を挙げたりやる気を出したりする方法のひとつに、「自分の努力の記録」を残すことがあります。記録するということは、モチベーションを維持するうえでとても重要なポイントです。あとから努力の痕跡を見返したときに、「自分はこんなにやってきたじゃないか!」と感じて励みになる。すると自信がわいてきて、挫折を防ぐこともできるのです。

さらに、努力の痕跡を残すことは、本番で結果が出たあとの心のケアにも役立ちます。惜しくも期待からほど遠い結果が出てしまったとき、きっと残念な気持ちになり「努力しても無駄だった……」「わたしには才能なんてない……」とやけっぱちになるのではないでしょうか。

でも、自分がどんな努力をしていたのか、どのようなアプローチをして時間を割いてきたのかを記録に残しておけば、どんな結果が出ても、自分と冷静に向き合えるはずです。

自分の努力が見えないと、他人の努力や成果が気になって、本来やるべきことから心が離れてしまうことが起こりがちです。自分の努力を記録することは、目標に向かってブレずに進んでいく一助にもなるでしょう。

【プロフィール】
中野信子(なかの・のぶこ)
1975年、東京都に生まれる。東京大学工学部卒業後、同大学院医学系研究科修了、脳神経医学博士号取得。脳科学者・医学博士・認知科学者として横浜市立大学、東日本国際大学などで教鞭を執る。脳科学や心理学の知見を生かし、マスメディアにおいても社会現象や事件に対する解説やコメント活動を行っている。レギュラー番組として『ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系/毎週木曜コメンテーター)『英雄たちの選択』(NHK BS プレミアム)『有吉ゼミ』(日本テレビ系)、近著に『サイコパス』(文藝春秋)、『ヒトは「いじめ」をやめられない』(小学館)などがある。

Photo◎佐藤克秋

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勉強は、やはり他人との競争ではなく「自分との戦い」です。自分が積み重ねてきた努力の痕跡を見返すことで自分にあらためて集中できれば、目標の達成に向けてブレずに、着実に進み続けることができるでしょう。

もちろん、モチベーションの維持だけでなく、勉強の記録はミスの原因を明らかにすることにも役立ちます。思えば、スマホやパソコンがない時代には、みんなノートを自分なりに工夫してつくっていましたが、そうした自分の手で痕跡を残す方法は、いまだ勉強法の「王道」と言えそうです。

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