好きなことを仕事にしている、一流の仕事人のシンプルな考え方【齋藤孝『カリスマの言葉』第5回】

「自分が好きな仕事をやりたい」と思い悩む人は多いと思います。では、あらゆる分野の第一線で活躍している人は、一体どのようにしてその地位にたどり着いたのでしょうか? 一見「自己実現」を果たしかのように見えるプロフェッショナルたちが、日々心がけている仕事に向かう姿勢とは?

あなたの新たな可能性を切り開くための、目からうろこの仕事への向き合い方をご紹介します。

【格言】 プロはみな、 「自己実現」ではなく 「他者実現」で仕事をしています

ある売れない漫画家のところに、「こういう漫画を描いてほしい」という出版社からのリクエストがありました。自分の好きな画風ではなかったのですが、生活のためにそれに応えました。そうこうしているうちに実績ができて、好きなものを描かせてもらえるようになりました。 ところが……その作品はまったく売れなくて、結局、仕事はなくなりました。

こういうことって、よくある話かもしれません。 分野を問わず、いい仕事をしている人というのは結局のところ「やりたいことをやっている」人ではなく、「需要に応えることができている」人なのです。

メジャーリーガーのイチロー選手だって、なにも考えずに自分の好きなように打っているのではありません。ピッチャーの投げてくる、いろいろなクセのあるボールに合わせているから、あれだけの実績を残せているわけです。もちろん、チームのことを考えたバッティングをしていることはいうまでもありません。

「ああしろ、こうしろ」と無理難題を押しつけてくる人は、あなたの敵ではありません。あなたにリクエストをしている、つまり、実績を残させてくれる人だと考えたらいいでしょう。

【プロフィール】 齋藤孝(さいとう・たかし) 明治大学文学部教授。1960年、静岡県に生まれる。東京大学法学部卒業。同大学大学院教育学研究科博士過程を経て、現職に至る。『身体感覚を取り戻す』(NHK出版)で新潮学芸賞受賞。『声に出して読みたい日本語』(毎日出版文化賞特別賞、2002年新語・流行語大賞ベスト10、草思社)がシリーズ260万部のベストセラーになり日本語ブームをつくった。著書には『読書力』『コミュニケーション力』『新しい学力』(岩波新書)、『理想の国語教科書』(文藝春秋)、『質問力』『現代語訳学問のすすめ』(筑摩書房)、『雑談力が上がる話し方』(ダイヤモンド社)、『語彙力こそが教養である』『文脈力こそが知性である』(角川新書)などがある。TBSテレビ「情報7daysニュースキャスター」など、テレビ出演も多数。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」の総合指導を行っている。著書累計出版部数は1000万部を超える。

Photo◎佐藤克秋

*** 最初から「自分の好きな仕事」をやれる人は、ほんのひと握りです。だからこそ、「自分の好きな仕事をやりたい」と悩んでいる人は一度考え方やとらえ方を変えて、人に「求められること」にとことん取り組んでみてはいかがでしょうか。

そうした行動があなたの評価を上げ、確固とした実績となり、やがて自分でも思いもしなかった新しい道が開けていくはずです。

■齋藤孝さん『カリスマの言葉』はこちら ogsaito-ver1

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