プレゼンのスライドを作る時、あなたはどういったことに気を付けていますか?

例えば「強調したいことは大文字にする」「視線が左上から右下へ流れるようなレイアウトにする」など、見やすいスライドを作成するための基本的なルールは、多くの人が守っていることと思います。

しかし、「色」に関してはどうでしょう。どうしてその色で文字を強調するのか、あなたは論理的に考えながら色づかいを決めていますか。使う色を、何となく決めてしまっていませんか?

実は、色の決め方にも、ちゃんとしたルールや注意点が存在するのです。今回は、プレゼン資料における効果的な色の使い方について考えてみましょう。

色を決める要素

色を制するには、まず色について知ることから。

例えば、一口に「赤」といっても、一意にその色が定まるわけではありません。では、どうして同じ「赤」でも印象が違って見えるのでしょう。

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(画像引用元:onopaint|色の基礎知識

色の違いを定める要素の一つが、「明度(Value)」です。
明度とは、「色の明るさ」のことであり、無彩色の明るさを基準に決められています。灰色の濃さで0~10の値が付けられ、有彩色の明るさも同様に定められます。

次の要素が、「彩度(Chroma)」。
彩度は、「色の鮮やかさ」を表す指標であり、上図の半径方向の変化を表します。彩度が低いとくすんだ色になり、中心の無彩色に近い色となります。

この「明度」「彩度」に、赤や青などの色を定める「色相(Hue)」を加えた3要素が、色を決めています。これが「マンセル・カラー・システム」というものであり、色の分野で広く使われている指標です。

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テーマカラーとアクセントカラー

では、実際のスライドにおける色選びはどのようにすればよいのか、説明していきます。

まず初めに、「テーマカラー」を設定しましょう。
テーマカラーとは、スライドの基本となる色であり、見出しや枠組みなどに使われます。有彩色であれば選び方は自由ですが、プレゼンのテーマにあった色を選ぶとよいでしょう。(「緑地開発」がテーマなら「緑」を選ぶ、など)

次に、「アクセントカラー」を決めます。
アクセントカラーは、強調したい文字に使う色。これには、テーマカラーの補色を選ぶのがおすすめです。
補色とは、色相環の反対に位置する色のこと。補色の関係にある2色は、互いを際立たせる効果があります。例えばテーマカラーが緑であれば、その補色である赤紫をアクセントカラーに用いるとよいでしょう。

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(画像引用元:HTML文書を書こう|色の考え方

この2色に、背景の白、基本の文字色の黒を合わせた4色が、スライドで使っていい色となります。余程のことが無い限り、これ以外の色は使わないようにしましょう。

皆さんが今お読みのStudy Hackerのサイトでは、アクセントカラーは無く、テーマカラーに緑のみを採用しています。アクセントカラーが特に必要ないと感じたら、こういった選び方もアリですね。

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色選びの注意点

予め色を決めておけば、色の塩梅が丁度よくなり、見る側にとって見やすいスライドになります。また、スライドを作る側としても、あれこれ色を考えるあまりにカラフルになってしまうといったことが防げます。

しかし、色を決める際には、以下のルールを守っておくことが肝心です。

1)明度と彩度を下げる
PowerPointにデフォルトで設定されている色は、明度が彩度が高い色ばかりです。こういった色を長時間目にしていると、目や脳に過度な刺激が加わることとなり、疲れてしまいます。

ゆえに、明度や彩度が低めの色を選んで、見ている人が疲れないように工夫しましょう。

2)アクセントカラーは3割まで
アクセントカラーをあちこちに多用していると、目移りしてしまって見ている人が落ち着きません。アクセントカラーは全体の3割以下、できれば1~2割程度に収めると、スマートなスライドになります。

3)色で強調するのは文字のみ。記号を装飾しない
プレゼンでは、フローチャートで流れを説明することがあります。「この部分は流れが大事だから」といって矢印に色を付けたくなりがちですが、これはNG。アートワークで凝った形の矢印を利用するのも、同様にNGです。

なぜなら、矢印だけでは意味が伝わらないから。文字や図の情報があって初めて意味が伝わるのですから、大事なのは矢印よりも文字。ストループ効果といって、文字情報と色情報が異なる(この場合、強調される場所が異なる)と、人間の脳は混乱してしまいます。したがって、強調したい時は、文字や文字枠に色を使うようにしましょう。

グレー文字の効果

最後に、「他の人と一味違ったスライドにしたい」という方に簡単な方法を紹介します。

それは、文字色を黒ではなく、グレーにすること。

文字に黒が使われることが多いのは、印刷して紙媒体になったときに一番読みやすいためですが、スライドにおいては少し勝手が異なります。

実は、光量の多いスライドでは、黒はアクセントが強すぎて浮いて見えてしまうのです。ですから、文字色にグレーを使えば、読みやすく、かっこいいスライドになること間違いありません。

色のルールを知っているか否かで、スライドの完成度は大きく変わってきます。ぜひ参考にしてみてくださいね。

(参考)
Wikipedia|マンセル・カラー・システム
Wikipedia|ストループ効果
伝わるデザイン|配色
PowerPoint Design|プレゼン資料で色を効果的に使う方法
onopaint|色の基礎知識
HTML文書を書こう|色の考え方