「もしも計画通りに目標を達成できたら」
そんなことを思いつつ、目標を立てて終わりになってしまい、自己嫌悪に陥ってしまったことはありませんか?

「10年後にマイホームがほしい」といった大きな目標から「趣味が欲しい」といった小さな目標まで、やりたいことはたくさんあるはずです。

目標に向けて情報収集は必須ですが、特に長期的な成功を達成する上でナポレオン・ヒル著『思考は現実化する』など、成功哲学の本はビジネスパーソンに読まれることが多いですよね。しかし、読んでみてもなんだか非科学的、理想論的な気がして、実行せずに本棚に置いたままという方も多いのではないでしょうか?

成功哲学、本当に効果があるのでしょうか?
今回は、成功哲学の元祖『思考は現実化する』の中心となる、「目標は紙に書くと実現する」という原則を「趣味を見つける」という目的について利用した結果をまとめました。

原則の内容

ナポレオン・ヒルが書いた成功哲学の元祖ともいうべき名著『思考は現実化する』では、「願望実現のための6ヵ条」として以下の6つのステップを紹介しています。

1.あなたが実現したいと思う願望を「はっきり」させること。単にお金がたくさん欲しいなどというような願望設定は、全く無意味なことである。
2.実現したいと望むものを得るために、あなたはそのかわりに何を”差し出す”のかを決めること。この世界は、代償を必要としない報酬など存在しない。
3.あなたが実現したいと思っている願望を取得する「最終期限」を決めること。
4.願望実現のための詳細な計画をたてること。そしてまだその準備ができていなくても、迷わずにすぐに行動に移ること。
5.実現したい具体的願望、そのための代償、最終期限、そして詳細な計画、以上の4点を紙に詳しく書くこと。
6.紙に書いたこの宣言を、1日に2回、起床直後と就寝直前に、なるべく大きな声で読むこと。このとき、あなたはもうすでにその願望を実現したものと考え、そう自分に信じ込ませることが大切である。

(引用元:ナポレオン・ヒル(1999),思考は現実化する―アクション・マニュアル、索引つき,きこ書房)

本当かと疑う人は多いでしょう。筆者も、これを初めてみた時は実行する気が起きませんでした。しかし、あまりにも有名な成功哲学である以上もしかしたら効果があるかもしれないという望みをかけて、日常レベルの願望で実行してみました。

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実際にやってみた

【実現したい具体的願望】
時間を忘れられるような趣味がほしい。成長が感じられて、できれば友人と一緒にできるものがいい。

【そのための代償】
趣味の時間と勉強の時間を合わせると他のことをする時間が無くなりそうなので、ぼーっとテレビを見たり漫画を読む時間を1/4にする。

【最終期限】
実行から1ヶ月後。

【詳細な計画】
今までぼーっとしていた時間をネットで検索したり散歩してヒントを探すのに使う。

いざ実行してみるも、最初の1週間は何も見つからなくて、正直諦めようかと思いました。しかし、テレビで歌番組を見ている時に「気持ちよさそうに歌うなぁ」と、なんとなく思っていたらその直後に「あっ、ヒトカラができるとか楽しそうじゃない?」というアイデアが浮かんだのです。

そして、翌日1人カラオケ専門店へ行ってみたところ、見事にハマりました。つまり、趣味を見つけることができたのです。具体的願望である「友人と一緒にできる」には当てはまりませんが、カラオケ自体は友達とも楽しむことができますね。

これだけ短期間で見つかったのは運が良かったのかも知れないと思い、「他のケースで今回の結果と同じようなことは起きないのか」と心理学の本などを読んでみました。そうすると、2つの効果が働いていることがわかったのです。

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カラーバス効果とプライミング効果

まず、加藤 昌治著『考具』に載っていた、カラーバス効果。
これは、朝家を出る前に「今日のラッキーカラーは赤」と決めておくと、不思議と赤い車やポストなど普段気にしないような赤いものが目につくようになる効果のこと。

つまり、なんとなく「見える」から意識して「見る」に変わるのです。同書によると、これは色に限らず「これが知りたいな」と半ば無意識に思っていることでさえ、脳が情報を勝手に探してくれるそう。

さらに、心理学の「プライミング効果」が働くことで、願望に役立つような連想をすることができます。

あらかじめある事柄を見聞きしておくことにより、別の事柄が覚えやすくなったり、思い出しやすくなることをいう。ここで先に見聞きする事柄をプライムと呼ぶ(影響を受ける別の事柄はターゲットと呼ぶ)。たとえば、連想ゲームをする前に、あらかじめ果物の話をしておくと、赤という言葉から「りんご」や「いちご」が連想されやすくなる。また車の話をしておけば、同じ赤という言葉から「信号」や「スポーツカー」が連想されやすくなる。こうした効果が生じるのは、単語や概念が互いにネットワークを形成しているためだと考えられる。

(引用元:コトバンク|プライミング効果

普段なら「面白そう」で終わるところが、「趣味にするにはどうすればいいか」まで連想して考えるようになったのです。「この歌手が可愛い」、「独特の歌詞だな」と、あちこちに思考が散ってしまうのでなく、自分の願望の方へ、思考の方向付けがされたことになります。

つまり、目標を紙に書いて毎日読み上げることで、何気ない日常からヒントを得られるようになったといえますね。

「カラーバス効果(気づく働き)」と「プライミング効果(連想する働き)」が合わさり、「何気ない日常からヒント(歌)に着目し、趣味につなげる方法(ヒトカラ)を連想できる」ことになり、願望に近づけました。

***
なんとなく非科学的な感じがするという理由でこのような理論は避ける人も多いですが、やってみると思っていたよりも効果を実感できました。

もちろん、今回の例は「趣味を探す」という簡単なものでしたが、成功哲学に書いてあることの効果がどうやって出てくるかはやってみないとわかりません。日常生活で試してみると、意外なヒントが得られるかもしれませんよ。

(参考)
ナポレオン・ヒル(1999),思考は現実化する―アクション・マニュアル、索引つき,きこ書房
加藤 昌治(2003),考具 ―考えるための道具、持っていますか?,CCCメディアハウス
コトバンク|プライミング効果