「コミュニケーションが大事」と分かっていても、胸を張って「誰とでも良いコミュニケーションが取れる!」と胸を張れる人は実は少ないのではないでしょうか。今回は、日本放送の人気アナウンサーが考案した、コミュニケーションをゲームと捉えて上達させる方法をご紹介します。

コミュニケーションを「気まずさ」という敵を倒すゲームだと考える

ニッポン放送アナウンサーの吉田尚記さんは、アニメや落語、アイドルなどに精通しており、その際立った個性で幅広く活躍されている人気アナウンサーです。アナウンサーでありながら、実は他人とのコミュニケーションが苦手だったと言う吉田さん。その吉田さんが様々な工夫をしながら人とのコミュニケーションを上達させていった過程を紹介しているのが、著書、『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』です。

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『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』
吉田尚記 著 
太田出版 2015年
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この本には、苦手なコミュニケーションを克服した人だからこそ語れる、様々な“コミュニケーションテクニック”が紹介されています。その中で特徴的なのは、吉田さんは、コミュニケーションをゲームと捉えていること。このゲームにはルールがあり、

1.敵味方に分かれた「対戦型のゲームではない」、参加者全員による「協力プレー」
2.ゲームの敵は「気まずさ」
3.ゲームは「強制スタート」
4.ゲームの「勝利条件」

[引用元:コミュ障が20年かけて会得した会話術『なぜ、この人と話をすると楽になるのか]

ゲームの「勝利条件」は『参加している人全員が会話を通じて気持ちよくなること』で、敵はコミュニケーションする相手ではなく、『気まずさ』だと設定します。
気まずい状況は居心地が悪いものですから、参加者それぞれがその気まずさを回避しようとするはずです。こうして協力して気まずさという敵を倒し、会話を通じて気持ち良くなることこそが、このゲームの目的になっています。これはコミュニケーションの最高の成果と言えますね。

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「間違い」こそが会話を広げるコツ

吉田さんがこのゲームをスムーズに進めるテクニックとして最初に挙げるのが、『人にしゃべらせる』ことです。相手に気持よくしゃべってもらえる環境を作るためには、やはり質問することが一番です。その時に重要なことは「会話の中で、自分が優位に立とうとしない」こと。誰だって見下してくるような相手に本音を話したいとか、協力したいとは思いませんよね。

全員でコミュニケーションを協力して成立させるためにも、相手に興味を持ち、褒めたり、驚いたりといったポイントが重要です。もちろん過度なお世辞や自慢、相手の否定はご法度です。

また私たちには『間違った情報を訂正する時に一番しゃべる』という特性もあるので、吉田さんは、先入観をあえて持って質問をするのも良い、と言います。質問がズレていたり明らかに間違えていたりすると、そこを正すところから会話が広がり、お互いに修正していく中で気持ちの良いコミュニケーションが成立するそう。これは一問一答に陥りがちな質問と違い、とても建設的な会話のキャッチボールと言えるでしょう。

コミュニケーションが苦手な人の場合一番気まずいのは沈黙でしょうから、その沈黙を避ける手段として、質問などは非常に有効なのではないでしょうか。

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無意識に伝わってしまう「セカンドメッセージ」があることを忘れない

こちらがコミュニケーションを成立させようとして質問を投げかけても、相手がまったく乗ってくれないという時、ありませんか? 相手の反応が自分の期待と違ったとき、「感じ悪いなぁ」と、口には出さずとも思ってしまうことがあるかもしれません。こういった、直接的に相手に伝えようとは思わなくても漏れ出てしまう感情、あるいは心の奥底にある本音を、「セカンドメッセージ」と言います。
これは自分では出していないつもりでも相手に伝わりがち。こちらのネガティブな感情が伝わっていれば、相手も話す気がしなくなってしまうのは当然ですよね。

一方でこのセカンドメッセージ、うまく利用できればプラスに働くことも。今でこそアニメに詳しいことが知られている吉田さんですが、自分からアピールしたことはなかったそうです。呼ばれた番組でアニメについて語っている口調に、「アニメが好き」というセカンドメッセージが出ていて、リスナーに伝わり、そうした仕事が増えていったのです。

私たちはコミュニケーションを取るとき、セカンドメッセージがマイナスに働かないように気をつけましょう。ゲーム上でも実際のやりとりの中でも、どうにもうまくコミュニケーションが取れないなという人がいたら、相手のせいにするより前に、まずは自分の語りかけ方に問題がなかったか検討してみるといいかもしれませんね。

***
コミュニケーションは相手と会話を成立させなければいけないと焦れば焦るほど空回りしてしまうもの。「これはゲーム。敵は気まずさ」と捉えてリラックスして楽しみたいですね。

参考サイト
ORICONSTYLE|“日本一忙しい”ラジオアナ、吉田尚記アナ なぜ重宝される?
wikipedia|吉田尚記
NEWSPICKS|【異才の思考】吉田尚記「セカンドメッセージが仕事を呼び込む」

参考文献
吉田尚記|太田出版|2015|なぜ、この人と話をすると楽になるのか