みなさんは、自分の作業環境にこだわっていますか。なかには「作業ができる場所さえあればいい」とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、どうせなら作業が捗るような環境がいいはず。それに、作業環境は想像以上に多大な影響を及ぼすものなのです。その影響とは、ビジネスパーソンが絶対に無視できない「創造性」のこと。そこで今回は、創造性の向上に役立つ作業環境づくりについてお伝えしたいと思います。

作業環境を整えることの重要性

株式会社ファンクショナル・アプローチ研究所代表取締役社長の横田尚哉氏は、知識と経験は創造のもとになるが、それだけでは足りないといいます。実際に創造性を発揮するためには、「道具・技術(Skills)」「動機(Motivation)」そして「環境(Circumstances)」の3つが必要なのだとか。

実際に、世界で注目されている企業は環境づくりをとても大切にしています。日本のCMでもお馴染みのホテル料金比較サイト「trivago(トリバゴ)」のコミュニケーションディレクターを務めるジェレミー・クライダー氏は、社員の創造性と生産性を高めるように設計されている会議室や共有スペースには、旅行・科学・数学・アートなどさまざまなテーマがあるといいます。

また、世界最大のハンドメイドマーケットプレイス「Etsy(エッツィ)」のオフィスには、社員同士が一緒に座りノートパソコンで仕事ができるように、座り心地の良いソファーが置かれているとのこと。そのほか、人気オンラインサービスを手がける「エバーノート本社(Evernote Corporation)」の壁はなんとホワイトボード。リラックスした雰囲気のなかで、気兼ねなく意見を出し合えそうです。

例えば、仕事で斬新なアイデアを出さなければならなくなった場合を考えてみてください。もしもその作業を居心地の悪い環境で行うことになったら、あまりいいアイデアが出でこないかもしれないと感じませんか? その逆に、自分にとって居心地の良い作業環境であれば、柔軟な発想ができそうなイメージがわくのではないでしょうか。多くの企業が実践しているように、自宅でもオフィスでも、創造性を高めるには環境を整えるということが一番手っ取り早い方法なのです。

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クリエイティブになれる作業環境とは

では、どのような作業環境が私たちの創造性を高めてくれるのでしょう。手軽に取り入れられることを、いくつかご紹介します。

1.「青色」を身近なところに取り入れる
ブリティッシュ・コロンビア大学でマーケティングを教えるRui Zhu氏によれば、「青色」は、空・海・自由・開放・穏やかさなどを連想させるため、人々に落ち着きをもたらし創造性を高める効果があるのだそう。実際、学生たちに創造性を必要とする作業を行ってもらったところ、色によって効率の差が出たといいます。青いカーテンに掛け替えてみたり、壁紙を部分的に青色にしてみたり、もしくはステーショナリーなどを青色で揃えてみることが比較的簡単なのでオススメです。

ちなみに、Rui Zhu氏は、色に対する反応は日常生活のなかで学ぶものだと伝えています。人によっては自由や穏やかさを感じる色として青以外の色を思いつくかもしれません。そのような場合は、思いついた他の色も一緒に取り入れてみてください。

2.少し「暗め」の照明を使う
色のみならず、明るさも重要です。Journal of Environmental Psychologyに掲載された調査によれば、「薄暗い照明」の使用により、創造性が改善すると証明されたとのこと。明るい照明よりも、薄暗い照明のほうが、人を解放的にするからなのだとか。照明を暗くしていると目に悪いなどといわれることもありますが、適度な暗さは創造性を向上させるためには必要なようですね。

3.適度に「雑音」を取り入れる
静かな環境でないと集中できないという方もいらっしゃるでしょう。ところが、「音」にも創造性を高める効果があるのです。

イリノイ大学で教鞭を執るRavi Mehta氏によれば、静かな環境(50dB)、適度に騒がしい環境(70dB)、うるさい環境(85dB)といった3つの環境で被験者に創造性が必要な作業をしてもらう実験を行ったところ、適度に騒がしい環境(70dB)で作業をした場合が最も生産性が高かったのだそう。つまり、少し雑音がある環境の方が脳の作業処理能力を上げ、創造性を働かせることができるのです。カフェでの勉強などが流行っているのもそのせいかもしれませんね。たまには静かな部屋を抜け出して、雑音のある場所で作業を行ってみてください。

4.室温設定は「25℃」に保つ
クリエイティブな仕事をするために、室温にまで気を使う方は少ないかもしれません。しかし、仕事をするうえでは「色」「明るさ」「音」に加えて「温度」も大切です。

コーネル大学の心理学者アラン・ヘッジ氏が、フロリダのオーランドにある会社で働く9人の女性の生産性について調べたところ、室温25℃では仕事のミスが10%ほどでしたが、20℃になるとミスが25%まであがったとのこと。また、日本建築学会が2008年に、100人を対象とした調査を1年間かけて行ったところ、室温が25度から1度上がるごとに作業効率が2%ずつ低下したとのこと。そして、冷房温度を28度にした場合は、冷房の設定が25度の場合と比べて、オフィス1㎡あたり約1万3000円の損失が出ると発表したのです。寒すぎても、暖かすぎても良くないようですね。いずれにせよ、それらの研究結果から室温設定は25℃が最適であるといえます。

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みなさんも、ぜひお伝えしたように作業環境を整えてみてください。以前と比べて創造性が高まっていることをきっと実感できることでしょう。

(参考)
PRESIDENT Online|創造性を高めるための「環境・道具・動機」とは?
ハフィントンポスト|仕事の生産性を上げるために、まずオフィスから変えてみよう
AFP|赤は注意力、青は創造性を高める カナダ研究者
ScienceDirect|Freedom from constraints Darkness and dim illumination promote creativity
The Atlantic|Study of the Day: Why Crowded Coffee Shops Fire Up Your Creativity
Okazaki Laboratory|寒い職場は生産性を低下させることと関連している
Wikipedia|クール・ビズ