生産性を高めよう。自分のため、チームのための「段取り力」の鍛え方。

みなさんは普段、計画的に仕事を進められていますか。作業スピードが周囲と比べて特別遅いというわけではないのに仕事を終えるのはいつも納期ギリギリになってしまう、というビジネスパーソンの方もいらっしゃるかもしれませんね。

そうでなくとも、どうせ同じ時間をかけるなら、より多くの仕事をこなせるようになりたいものです。そこで今回は、効率良く仕事に取り組むことを可能にする、「段取り力」を鍛える方法についてお伝えしたいと思います。

仕事における「段取り」の重要性

ビジネスにおいて、仕事の効率や結果の良しあしは、事前の「段取り」が握っていると言っても過言ではありません。チームで仕事を行なう際には特に顕著に現れますよね。

例えば、取引先へ自社の新商品についてプレゼンを行なうことになったとしましょう。その際、新商品の詳しい説明をする係や人数分のプレゼン資料を準備する係、プレゼンの際に使用するパワーポイントを作成する係など、役割分担をするかと思います。しかしその役割分担も、適切な段取りを組まずにただ行なってしまっては、かえって仕事の効率の低下を招いてしまうおそれがあるのです。

お互いの進捗状況が分からないために、作業できずただ周りの引継ぎを待つだけの時間が生まれてしまう。新商品の説明を行なう人が具体的にどのような内容を話すのか、そのためにそのようなデータが必要なのかといった情報がわからないため、パワーポイントの作成に取りかかれない。そのようなことが重なれば、なかなか作業が進まないどころか、最悪の場合、プレゼン当日に間に合わなくなってしまう可能性も考えられます。

つまり滞りなく仕事を進めていくためには、私たちは「段取り力」を身につける必要があるのです。

「段取り力」とは?

では、「段取り力」とは、いったいどのような能力のことなのでしょうか。中小企業診断士である古賀元氏によれば、段取りとは、「最終的なゴールを設定し、それを達成するための道筋を考え、発生するリスクを最小限に抑えた方法を実行すること」を指すのだそう。ここでは、そのような段取りをつけることができる能力を「段取り力」として考えることにします。

もし段取りを組むのが苦手であっても、持ち前のスキルや集中力で補えば仕事を捗らせることは可能だろう、と考える方も中にはいらっしゃるかもしれません。しかし段取り力がなければ、たとえどんなに素晴らしい能力を持っていたとしても、準備不足による手戻りが増えてしまうことがあり得るのです。

「段取り力」を身につけるのは難しく思われるかもしれません。しかし、次にお伝えする方法を実践していけば、簡単に鍛えることが可能となります。

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「段取り力」を鍛える方法

今回は、「段取り力」を鍛えるための具体的な方法を2つご紹介したいと思います。

1. 「見える化」を徹底する

仕事に費やせる時間は限られていますから、すべての仕事を完璧にこなすことはできません。力を入れるべき作業と抜くべき作業を見極める必要があるのです。そこで重要なのは、作業の工程を明確にするということ。そうすることで、進捗状況なども逐一共有できるようになり、無駄な時間も生まれにくくなります。

そのためには、大きめの付箋にそれぞれの作業工程をメモしてボードに貼っておく、手帳を用いて仕事のスケジュールを詳細に管理する、などといった方法を活用してみてください。仕事の優先度が明らかにできますし、発生し得るリスクをあらい出し整理することにもつながります。

また、作業工程を自分に対してのみ「見える化」するのではなく、職場の同僚や上司などに対しても「見える化」して自分の段取りを把握しておいてもらうことが重要です。そうすることで、作業順序について有効なアドバイスをもらえたり、忘れていた作業を思い出させてもらえたりするというメリットがあります。より仕事が捗るようになりますよ。

2. 「内段取り」と「外段取り」をしっかり区別する

OJTソリューションズの岡内彩氏によれば、「内段取り」と「外段取り」を混同しないことが短時間でスムーズに仕事を進めるコツであるのだそう。「内段取り」とはその人・その場・その時でのみできる仕事を、「外段取り」はその人・その場・その時以外でもできる仕事のことを指します。

はじめのほうで挙げた、取引先に行なうプレゼンの準備の例を思い出してください。そこでも、「内段取り」と「外段取り」が区別されていないがために手待ちの時間が発生し、作業が前に進まない問題に陥ってしまっているのです。

プレゼン用のパワーポイント作成は、最初に決めた担当の人が、抱えている他の仕事でどれほど忙しくてもやらなければならない、というわけではありませんよね。時間に余裕のある別の人がやってもかまわないはずです。このように、「内段取り」になっている仕事を「外段取り」に分類するだけで、仕事と人の自由度を上げることができ、無駄を減らして多くの仕事をこなせるようになりますよ。

*** みなさんも、ぜひお伝えした方法を試してみてください。今よりも段取り良く仕事を進めることができるに違いありません。

(参考) 日立ソリューションズ|仕事の効率アップに必要なのは、真の〝段取り〟だった 成果に差をつける「段取り力」 iTiD|「段取り」の重要性 東洋経済ONLINE|3日の仕事が5分に?トヨタの「超段取り術」 PRESIDENT Online|段取りの習慣:本当に大事な仕事は2割だけである 日本実業出版社|いまどきのできる人は、「段取り」が違う! DODA|段取り上手になれる!デキるビジネスパーソンの仕事の進め方8ステップ

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