ミーティングは "解決" を意識すべし! 会議の生産性を高める3つのステップ

「会議をしても何も決まらない」 「何度も話がふりだしに戻ってしまう」

そんな非生産的な議論を過ごしたことはありませんか? 私も、そんな経験を何度も繰り返して、うんざりしていました。しかし、そんな日々を重ねる中で、あるステップで議論を進めると無駄な時間が少なくなることに気付いたのです。

そこで今回は、筆者の経験をもとに、生産的な議論を進めるための3つの手順とポイントを紹介します。

【1】達成する目標を定義する

まず、全員で議論の目的を明確に設定しましょう。 そもそも議論とは、多くの人が知恵を出し合い、何かを達成するために話し合うことであり、まずそのゴールを具体的に決める必要があります。

そこで重要なのは、具体的なイメージや数値を出すことと、言葉の定義をしっかりと決めることです。

前提としてゴールを共有しないと、結局何のための議論なのかわからないまま終わることが多いものです。議論中に何をすべきをなのかが混乱して、振り出しに戻って考え直すという時間の無駄は多くありました。

例えば、「学生の英語力を上げるには?」というお題があったとします。まずは、英語力とは何か定義する必要がありますよね。

英語力を数値化できる指標としてTOEICが800点あればいいのか、それとも外国人旅行者を案内できるくらいに英語を話せればよいのか、海外のビジネスマンと英語で交渉できるようなスキルが必要なのか、そもそも学生とは高校1年生なのか大学4年生なのか、といった前提をしっかりと定義して、ここで初めて生産的な議論はスタートします。

【2】現状の課題を整理する

目標が決まったら、次は現状の課題を整理しましょう。 何が原因で目標が達成されていないのかを明確にすることで、次の打ち手を考えるステップに進むことができます。

このステップで大事なことは3つです。 1.課題を深く検討し、俯瞰する 2.課題を一言で表現する 3.課題に優先順位を付ける

例えば、英語を話せる人が少ない理由として、英語を話す機会が少ないことを挙げたとします。 これをさらに検討すると、学校に英会話の授業が少なかったり、親が英語教育に熱心でない可能性も挙げられるでしょう。この部分を再検討しても構いません。

また、一旦課題を俯瞰して見ると、実は英語を話す機会は沢山あるけれど、学生たちが積極的ではないという問題も見つかるかもしれません。

こうした作業を繰り返すことで、原因と考えられる要素を突き詰めて、「英語が話せるメリットが理解されていない」、「クラスメイトの前で英語を話すとからかわれる」など、課題を一言で表現できれば、課題が整理されます。

あとは優先順位を付けて、目的が達成できそうな課題から議論をすすめていきましょう。一見時間がかかりそうに思えますが、最大限多くの可能性を分かりやすく整理することで、「やっぱり他に問題があったんじゃないか?」というやり直しを防ぐことができ、結果的に短い時間で議論を終えることができます。

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【3】打ち手を考える

では最後に、問題を解決するための具体的なアイデアを考えましょう。この段階で注意して欲しいことは以下の2つになります。

1.個人で考える時間を設ける 議論におけるアイデア出しでは、まず1人で考えたほうが生産的です。「自分のアイデアなんてどうせ……」と思って、話し出せないという経験はありませんか?

実際に、経営学や社会心理学の研究で「5人が顔を突き合わせてアイデア出しをする組」と「5人が個別にアイデアを出し、最後にアイデアを足し合わせる組」を比較したところ、後者の方がバラエティーに富んだアイデアが出ると示されています。

まずは、5分から10分ほどで構わないので考える時間を設け、そこで出たアイデアをかけ合わせていくことがオススメです。これにより、みんなでアイデア出しをしたけれど、結局斬新なアイデアが出なかった、という無駄を省くことができます。

2.最後に目標設定と照らし合わせる アイデアを絞ったら、最後に本当にその施策で目標とする状況や数値が実現できそうかを判断しましょう。アイデアとはあくまで手段(HOW)であり、アイデアを実行することが目的ではないはずです。

もし、達成不可能そうなアイデアを実行すると時間や労力、資源の無駄遣いに繋がってしまいます。筆者もよくフィードバックで「結局そのアイデアが100%成功しても、目標に届かないんじゃないか」と、詰められました。

また、どのアイデアでも実現が厳しそうなら、そもそも解決する課題が間違っている可能性があります。そんな時は恐れず、課題の整理に立ち戻ることも大事ではないでしょうか?

*** 目標を設定し、現状の課題を把握して、打ち手を考える。 この3つのシンプルなステップこそが、無駄を省く生産的な議論のコツです。もし会社や大学で問題解決型のディスカッションをする機会があれば、ぜひ試してみてください。

(参考) 佐々木裕子著(2014),『実践的クリティカル・シンキング』,ディスカヴァー・トゥエンティワン 森岡毅著(2016),『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』,角川書店 STUDY HACKER|知的で生産的な議論のために。建設的なディスカッションのための3つのルール。 日経ビジネスオンライン|「ブレスト」のアイデア出しは、実は効率が悪い!

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