なんだかうまく勉強のペースがつかめない……。

高校や大学までの勉強には教科書があり、授業があり、同じことを勉強している級友もいて、勉強をすること自体が非常に簡単なことでした。しかし社会に出たら、何かを身につけるためには独学をしなければならないですよね。

学校での勉強に比べて、独学というのは非常に難しいものです。筆者自身、学部での専門とは別の大学院を受験して、専門外の学問について一から独学で学ぶ、という経験をしました。その中で何度も壁にぶつかりながら、改めて「独学の大変さ」を実感しました。

しかし同時に、いったい独学の何が大変なのか、どうすれば独学を成功させられるのかについて真剣に考え、最終的には無事合格を勝ち取ることができました。

その経験を踏まえながら、独学でも十分に結果を出すために必要なノウハウを紹介したいと思います。

独学はなぜ難しいのか

実際に長期間独学を行ってみて、うまくいかないことで悩むことは少なくありませんでした。しかし、繰り返し、解決策を模索しているうちに、独学の難しさの原因は主に次の3つだと分かったのです。

勉強の地図がない
成長を実感しにくい
ペースメーカーが存在しない

逆に言えば、この3つを解決することで、独学であったとしても非常に高い効率で学習を進めることが可能になります。筆者自身もこれらを解決することで、最初は五里霧中だった独学が一気に効率的になりました。ではこれをどのように改善していけば良いのか、その方法を紹介したいと思います。

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最初はとにかく広く、浅く

独学の際に一番辛い問題は、指定された教科書がないということだと思います。どの本が一番役立ちそうなのか、逆にどれは自分にとって必要ではないのか……、それを見極めるというのは独学最大の難関です。

そこで最初にオススメするのは、手当たり次第に本を読む、ということです。気になった本はとにかく、中身をざっと見てみましょう。このとき、まずはほとんど流し読み、飛ばし飛ばしで中身を眺める程度にするのが重要です

まだ勉強する前の専門用語などがあるとは思いますが、「説明がわかりやすいか」「カラーが一色か」「縦書きか横書きか」など、検討していくうちに自分が読みやすいと感じる本に出会えるでしょう。いずれにせよ、その時間は無駄にならず、学習計画の見取り図やペース配分を考えるのに役立ちます。

この方法もう一つの利点は、「独学を始める前に立ち止まってしまう時間」を減らし、モチベーションを維持できるということです。人間の脳は側坐核(そくざかく)という部分が活性化し、ドーパミンが分泌されているときにやる気を感じるようにできています。では側坐核が最も活性化する状況はと言うと、それは「実際に行動しているとき」です。

つまり、やる気がある間に行動を始めれば、行動をすることでさらにやる気が促進される好循環が生まれるのです。逆に、せっかくやる気が出ているというときに行動に移さなければ、再びやる気を取り戻すのが大変になってしまいます。

このような理由から、独学の最初にはとにかく多読、乱読を心がけて立ち止まらないようしましょう

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達成度を確認すること

独学を継続していると、なかなか身についている気がしない……とモチベーションが下がってしまうときがありますよね。人間のやる気に繋がるドーパミンは、心地良いことが起きた時に活性化される脳内のシステム「報酬系」とも密接に関わっているため、成果が見えにくい努力に対してはモチベーションが上がりづらいのです。

例えば高校の勉強であれば定期試験や模試などで成果を図ることができたり、大学の勉強でも成績に反映されることで達成感を得られたりしますが、独学の場合はそれがなかなか難しい。それを解決するために、自分でいくつかの対策をするのが効果的です。

特に効果的なのは、勉強しながら自分なりにまとめたノートを作ること。疑問に思ったことや分からなかったことなどを重点的にまとめておくのがポイントです。このノートを見直すことで自分がどのように勉強してきたのかを確認することができるとともに、以前は理解できなかったことを理解しているという事実を発見できます。このことは成果を確認するのが難しい独学において、大きな励みになるでしょう。

また達成感を得るために、学習の記録をつけるというのも効果的です。毎日どれだけ学習したかを記録しておけば、それを確認することで「これだけの努力をしたのだ」ということを実感することが可能です。筆者の場合は、役に立ちそうな本や論文をひたすら読むということを繰り返していましたから、積み上げた本の厚みや書き込みをしたページなどを見返しながら「これだけ努力したんだ」ということを確認するようにしていました。このように、達成感を得るというのが独学継続のためには重要なのです

締め切りは自分で作る!

学校の勉強であれば提出期限や試験日が確定していてそれを目安に努力しやすいですが、独学の場合はそうはいきません。

それに資格試験などは数ヶ月に1回や、年に1回の試験日程が多いですよね。そのため、どの程度のペースで準備をすれば良いのがかわからず、毎日が忙しいほど「落ち着いたら……」と先送りにしてしまいがち。結局ペースが上がらずになかなか学習が進まないということも。

それを防ぐためにも、自分で自分にこまめな「締め切り」を作ることが大切です。例えば「この本とこの本を今週中に読み終える」というような目標を立てて、それを紙に書き、目に入る場所に貼っておきます。

頭の中で考えるだけでは「忙しいから期限を延期で……」と妥協しやすくなりますが、わざわざ紙に書き、それを毎日見るというのはその重みが違います。「締め切りを守れなかった……」と紙を丸めて捨てる姿を想像したら、どうしても先送りにはできないでしょう。逆にきちんと達成すれば、達成感でモチベーションが向上します。

長いスパンで計画を立てていると「後で帳尻が合わせられる」と考えてしまいがちですが、1週間程度の計画であれば、それができないということをきちんと認識することが可能です。

ペースを自分で組み立てなければならない独学だからこそ、計画を細分化してキッチリと管理することが重要なのです。

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独学で大学院を受験するとき、相当の不安とともに途方に暮れかけたことを、今でもよく覚えています。それでも試行錯誤しながらやりきってみて、独学で何かを学び取るという経験から、学ぶことの本質を垣間見たように思います。

自分自身と向き合うという意味でも、それはとても有意義な経験でした。自分をしっかりマネジメントしながら、新しいスキルを身につけられると良いですね。

(参考)
Wikipedia|ドーパミン
Wikipedia│報酬系
THE 21 ONLINE|脳科学から見えてきた! やる気を高める4つの方法
ほぼ日刊イトイ新聞|第五回 自分で積極的に動いたときの反応は10倍。
リクナビNEXTジャーナル|資格を取るための「参考書・問題集」の選び方・使い方とは?――「資格の大原」元講師が教える“合格勉強法”