仕事のためにと日頃から読書をするよう意識しているのに、いまいち知識が身についているように感じない……。たくさん本を読んでいるが、本の内容をすぐに忘れてしまう……。そう悩んではいませんか?

内容が頭に残らなければ、せっかく大量の本を読んでも意味がありませんよね。しかし、読んだ本の内容を鮮明に記憶するのはなかなか難しいことです。そこで皆さんに提案したいのが「読書日記」。今回は、読書日記をつけて読書の効率を高める方法をご紹介します。

筆者自身、実際に読書日記をはじめてみるとこれまでとは読書の質が大きく変わったと感じています。

読書の「日記」をつける意義

せっかくたくさんの本を読んでも、読んだだけで満足しては、その効果は半減してしまいます。読書をする目的は、知識や情報を得ることだけではありません。インプットした情報や知識を生かしてアウトプットにつなげてこそ、本当の意味で「本の内容が身についた」と言えるのです。

例えば、「早起きが成功をもたらす」という内容の本に共感したなら、翌日から普段より30分早く起きて活動してみる。「物を大切にすることが人生を大切にすることにつながる」という言葉に感銘を受けたなら、まずは靴を磨くなどして身近な物から大切にする習慣をつける。このように、本から得たことを実生活に反映できてこそ、読書をする意義があるのです。しかし、本に書いてある内容を実践しようと思っても、実際にはなかなかうまくいきませんよね。

読書によってインプットした知識をきちんとアウトプットするには、コツを押さえる必要があります。そのために役立つのが、「読書日記」です。日記といってもやることは簡単で、読んだ本の感想や印象に残った場面などを記録していくだけ。

そうして書き留めておくことで、本から学んだことをいつでも再確認できるようになります。つまり、内容に関して忘れた部分があったとしても、読書日記で要点を振り返れるため、再インプットにかかる時間が短縮できるのです。また、読書日記に書いた内容を読み返すことで、インプットした情報を意識するようになります。そうすれば、アウトプットする機会を逃さずに、適切なタイミングで行動に移せるようになるのです。

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読書日記の始め方

読書日記の効果がわかったところで、誰でも簡単に始められる読書日記の書き方を紹介していきましょう。

1.必要最低限の記録
読書日記をつけても、どの本なのかわからなかったら読み返すことなんでできませんよね。そのため、読み終わった日付・本のタイトル・著者名など、必要最低限の情報を最初に書いておきましょう。本ごとに記入する項目が大きく変わるわけではないため、自分なりにフォーマットを作っておくと書きやすくなります。

2.自分にとって有用な記述の引用
次に、印象に残った言葉を引用しましょう。いきなり感想を長く書くのは難しい人でも、引用するだけならすぐに始められますね。

その本のどこに心を動かされたのか、どんな文章が気になったのかを可視化することで、自分がこの本から何を学んだのかをしっかりと記録できます。文章をそのまま覚えておくことは難しいかと思いますが、書き写しておけば、読書日記さえあればいつでも鮮明に思い返せるのです。

ここで重要なのが、引用した文と共に、ページ数の記録を忘れないこと。読み返したいときにすぐ読み返せるようにしておきましょう。

3.その記述に関する自分の感想
書き写し終えたら、その文章に感動した理由も書いておくと、読書日記を読み返した際に、本の内容が思い出しやすくなりますよ。また、自分の言葉で表すためにはしっかりと考えることが必要不可欠。深い内容理解にもつながりますし、自分の考えを伝える練習にもなります。

読書日記をつける習慣が身につくと、自分にとっての有用なポイントを意識しながら読むようになります。さらに、本の内容に加えて自分の感想も書くので、その物事に対する自分の考えがよく整理できます。最初からすべてを書く必要はありませんので、まずは読書日記を習慣化させることから始めましょう。

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読書日記を書くための読書管理サービス

読書日記に効果があることはわかっても、続けていけるか不安な方もいるかもしれませんね。そういった場合には、読書管理サービスを利用してみるのはいかがでしょうか。それらを活用すれば誰でも簡単に読書日記が書けますし、今は多種多様なサービスがあるため、自分に合ったものを選ぶことができます。ここでは、代表的な「読書メーター」と「ブクログ」をご紹介します。どちらも無料で登録・利用できますので、気になるものがあればぜひ使ってみてくださいね。

・読書メーター

読書メーターは読んだページ数や冊数などの読書量をグラフにして読書記録をしたり日本中の読書家さんたちとコミュニケーションができるサービスです。

(引用元:読書メーター

これまで読んだ量が一目でわかるので、読書への意欲が高まります。また、読書の傾向を自動で分析し、同じ趣味のユーザーやおすすめの本を紹介してくれるので、自分の好みに合った本がすぐに見つかります。レビュー数が豊富なので、気になる本を調べるのにも便利ですね。感想を書き込むことももちろんできますし、読んだ本の他に「読みたい本」「読んでる本」なども簡単に登録できるため、読書の経過をリアルタイムで管理することも特徴の一つです。

・ブクログ

ブクログ(booklog)は、新しい本に出会えるブックレビューサイトです。本の感想や評価をチェックしたり、web上に本棚を作成し、感想やレビューを書いて蔵書を管理したりできます。

(引用元:ブクログ

ブクログはユーザー数100万人以上を誇る日本最大級のweb本棚サービスです。非公開メモや引用文登録など本の内容や自分の考えを記録するツールが充実しており、詳細に管理することができます。読書目標が設定できるのもポイント。新刊の情報なども集まっているため、普段読む本は同じジャンルに偏りがち、同じ作家の本を読むことが多いといった方でも、自分では選ばないような本との思わぬ出合いがあるのではないでしょうか。

実際に読書日記をつけてみて

ここからは筆者が実際に読書日記をつけてきて感じたことをまとめたいと思います。以前から、読んだ本のタイトルと作者名だけは手帳や読書メーターに記録していました。しかし、ただ読んでいるだけでは内容をすぐに忘れてしまうという危機感を覚えたために、1年ほど前から読書日記もつけるようにしたのです。

読書日記をつけはじめてもっとも変わったことは、読書に対する姿勢のようなものでした。ちいさな、自分のためのものではあるけれど「日記」というアウトプットを前提とすることで、以前より主体的に本を読むようになったのです。

読書はそこに書かれた内容と同じように、自分がそれを受けてどう感じたか、その時になにを考えたかも同じように重要なこと。
対話をするように「本に向き合う」ことで、学び取れること、マネして実行できることが格段に増えました。

ここからは、筆者の読書日記の書き方を一部ご紹介します。

・その本を読んだ理由を記す。(例:友達から薦められて借りた。)
・小説の場合、全体的な感想を書く。(例:読まされた。記者の世界が悠木を通してよく見られた。横山さんの他の著作と異なる感じだけど、著者渾身の傑作長編という説明に共感。(『クライマーズ・ハイ』横山秀夫, 文藝春秋))
・心に染みる文章があった場合は引用する。(例:「死刑は無力だ」という帯の言葉がずんと心にのしかかります。(『虚ろな十字架』東野圭吾, 光文社))
・全体的にどんな話か簡単に要約する。(例:それぞれの立場から死刑の意義を問う。(同上))
・ネット上に公開する場合、ネタバレになりそうならネタバレ防止機能をONにする。再読を楽しむためにあえて詳細を書かないことも。
・本を読んで学んだことを書く。ビジネス書の場合はこの本から何かを得たいと思って読むことがほとんどなため、引用することが多い。知っていることやそれは違うのではないかと思う箇所は省き、得たものだけを書く。(例:きっかけ行動で管理する・時間で管理しない。(『何をやっても続かないのは、脳がダメな自分を記憶しているからだ』岩崎一郎, クロスメディア・パブリッシング(インプレス)))
・引用文に対する一言をつける。(例:習慣化するための具体的な方法が書かれていて参考になる。(同上))

例を見てもわかる通り、すべての感想で紹介した方法を盛り込んでいるわけではありません。細かく記録をつけるべきだ、というように拘りすぎないよう気を付けています。読書日記を書くこと自体が苦痛になってしまっては意味がありません。

特に思いついたことが無ければ感想は短くなりますし、再読を前提として「おもしろかった」とだけ書いておくものもあります。読書日記に縛られるのではなく、読書の効果を高めるためのものとして、自分に合った効果的な使い方を考えてみてください。

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読書の効果を高めるための読書日記を紹介しました。読書管理サービスなどもうまく活用して、読書で得た知識を使える知識にしていきましょう。

(参考)
奥野宣之著(2013),『読書は1冊のノートにまとめなさい[完全版]』,ダイヤモンド社.
印南敦史著(2016),『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』,ダイヤモンド社.
読書メーター
ブクログ
COMLOG CLOUD|「読んだら記録」のすすめ。読書管理のための2大Webサービス比較
横山秀夫著(2006),『クライマーズ・ハイ』,文藝春秋.
東野圭吾著(2014),『虚ろな十字架』,光文社.
岩崎一郎著(2013),『何をやっても続かないのは、脳がダメな自分を記憶しているからだ』,クロスメディア・パブリッシング(インプレス).