みなさんは、努力しているのにも関わらず結果が出ていないと感じたことはありますか。ずっと耐えながら努力をし続けているのに、いくら頑張っても結果が出ない。本人にとっては辛いものがありますよね。

しかしそれは、努力の量が足りないのではなく、努力をする方向が間違っているだけなのかもしれません。今回は、努力が空回りしていると気付いた時に確かめたいいくつかのことについてお伝えしたいと思います。

「目的」と「手段」を混同していないか

例えば、あなたが毎朝ウォーキングを30分することを決めたとします。始めて数日はきちんとウォーキングをしたのですが、ある日急用が入ったせいでウォーキングに行けない日ができてしまいました。

この場合に「今日はウォーキングができなかったからダメだ」と考えた人は、「目的」と「手段」を取り違えている可能性があります。

あなたが「ウォーキングを30分する」と決めた目的は何であったでしょうか。おそらく、「ダイエットのため」とか「健康を損なわないようにするため」であったはずですよね。では、たとえ1日だけウォーキングができなかったとしたら、その目的は完全に達成不可能となるのでしょうか。決してそうではないでしょう。その日は別の運動に置き換えたり、別の日に多めにウォーキングしたりして、その日の不足分は補えるはずです。

「1日でも欠けたら、努力していることにならない」と考えてしまうと、その努力は途中で挫折してしまうでしょう。このことは、仕事でも勉強でも同じように言うことができます。

米マイクロソフト社では、まずは60点~70点を企画段階での合格点とし、それをクリアすると次に進むことができるという方針をとっているのだとか。最初から100点の企画はほとんど無いと言っても過言ではありません。もし改善点が見つかれば後から直せば良い、というとても効率の良いやり方をしているのです。100点満点の企画を考えようと努力する余り、なぜその企画が必要なのかという原点を忘れてしまってはいけませんよね。それこそ、努力の空回りになります。このマイクロソフト社の考え方は私たちも見習うことができそうです。

daito-ec
90日でTOEIC835点、英語会議もストレスなしに。パーソナルトレーナー × 科学的トレーニングの『英語の90日』
人気記事

ストレスが溜まっていないか

ストレスでいっぱいな時、普段よりも視野が狭くなっていると感じたことはありませんか。例えば、なんとなくイライラしているときに、おおらかな気持ちでいられず、小さな、修復可能なミスでさえ気になり、余計にイライラしてしまう、といったようなことです。

ストレスが過度にたまりすぎると、強迫観念にも陥りかねないのだと言われています。強迫観念は、本人の意志とは無関係に不快感や不安感を感じてしまうもの。強迫観念に陥ると、結果的に、物事を総合的に判断したり程よいところで切り上げるのが難しくなったりしてしまいます。細部にこだわり全体に目が行き届かなくなってしまうのです。

ストレスを感じていると、「このままではいけない」と焦りが生じて余計に空回りしてしまうこともあります。ストレスによって追い詰められてしまい、いくら頑張ってもうまくいかない空回りの状態になるということ。このように無自覚に必死になりすぎた状態に陥っていることを、専門的には「努力逆転の法則(エミール・クーエの法則)」に捕まっている、と表現します。

人間は自分の理想に向かって行動を起こすものの、その理想と現実の差が大きかった場合には、理想の自己像が現実の自分に対してより強いプレッシャーを与えてしまいます。その時に「いくら努力しても理想に到達するのは無理だ」とストレスに感じてしまうと、空回り状態になりかねません。ですから、頑張ってもうまくいかないと感じる時には、現在の自分を認め、「これでいいんだ」と常に前向きなイメージを持ってみてください。そうすれば、心にゆとりができて視野が広がり、目標を達成できる可能性も高くなることでしょう。

doryoku-karamawari02

努力は「辛いもの」と思い込んでいないか

みなさんは、成功するためには苦労しなければならない、と思い込んではいませんか。確かに努力する上では、乗り越えなければならない、ある程度高い壁はきっと出てくることでしょう。しかし、目標に向かって努力した結果、成功するような人の表情は、苦悶に満ちているというよりはどこか楽しそうで生き生きしているように見えますよね。オリンピック選手などが良い例だと思います。

自己実現までの道のりは、必ずしも辛いものである必要はありません。目の前の課題に興味を持ち、対象を面白がることで、それまで見えていなかったことに気づくこともあるかもしれません。「急がば回れ」ということわざにもある通り、寄り道したって一向に構わないのです。

例えば、目の前に、読まなければならない論文があるとしましょう。小難しい論文なんて、見るだけでも辛いのに、正直読みたくない。でもここで、その著者の別の著作にも目を向けてみてください。もし少しでも興味を惹かれるものがあったら、軽く目を通してみましょう。興味ある内容なら、意外と面白いと思えるでしょう。そうすれば、当初の目的だった論文にもすんなり取り組めるかもしれません。

辛いだけが努力ではありません。こうしてちょっと寄り道して、楽しめる気持ちを醸成しながら努力したほうが良いのです。

***
繊細で真面目な人ほど空回りしやすいと言われています。目的が達成できるのならば、たとえ途中で間違えることがあっても良いのだと考えましょう。みなさんも、「全力は尽くしたが結局徒労に終わった」というように努力の仕方を間違えたり、「頑張っても頑張っても成果が出ない」という絶望感に陥ったりすることのないように、ほどほどの努力を行うことを心がけてみてはいかがでしょうか。

(参考)
岡田昭人著(2016),『オックスフォードの自分を変える100の教え』,PHP研究所.
東洋経済ONLINE|「努力が空回りしている人」の残念すぎる思考
大草心理臨床・教育相談室 お~ぷん・ラボ|大草正信のコラム 「頑張り・努力・必死」と「自己実現」の思い