みなさんはピンチに陥ったとき、動揺せずにいられますか?

締め切り間際にあたふたして簡単なミスを連発してしまったり、重大な手違いに気付き頭の中が真っ白になって何も手につかなくなってしまったり……。ピンチの程度に差はあれ、困難な状況に陥っても落ち着いて行動するのは難しいですよね。だからこそ、ビジネスの現場で大役を任されるのは、多くの場合、ピンチでも動揺しない、頼りがいのある人物になります。

そんな人に憧れてはいるけれども、ピンチはピンチ。動揺せずにはいられないし、動揺を抑制する精神力などそう簡単に手に入るものではない。

しかし本当にそうでしょうか?

実は、普段から2つの視点を意識するだけで、誰でもピンチに強い人になれるのです。困難な状況でも動揺を抑えるための方法について、考えてみましょう。

あなたの動揺は周りの動揺

ピンチに陥った際、私たちが失ってしまいやすい視点の1つが、周りにいる他人を認識する視点です。

サイバーエージェント社長の藤田晋氏によると、周りが見えている人かどうかが動揺しやすい人かどうかを判断するポイントになるのだそう。さらに、周りを見ることができる人かどうかは、ある行動から分かると言います。それは次のようなもの。

出所が曖昧なネット情報を鵜呑みにして、すぐにブログやSNSで紹介する人は、普段の仕事でも動揺しやすい。(中略)「誰かの不安を煽る可能性がある」という視点を持っていないために、安易な情報発信をしてしまう。

(引用元:「悩みランキング&一流の解決法」,日経ビジネスアソシエ,2016年9月号,pp.18-19.)

手に入った情報をすぐに他人と共有したいという思いが、情報をすぐに発信するといった行為につながります。同じように、ちょっとしたピンチであっても、その状況における不安を他人と共有したくなるため、動揺を表にだしてしまうのです。

しかしながら、私たちが発信する情報は、時に他者の不安をかきたて、ネガティブな感情を与えてしまうことがあります。つまり、「自分は動揺している」という情報を発信することで、周囲にも動揺を与えてしまうということなのです。

周囲の人たちが受けるマイナスの影響について考えることができていれば、動揺を表に出そうなどとは思わないはず。こういったことを常に意識している人は、たとえピンチに陥ったとしても、周りに動揺を見せないよう、自分を強く律することができるのです。

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自分の感情を客観視する

2つ目の意識したい視点は、自分を客観的に見る視点です。自分を客観視できないと、心の動揺に飲み込まれてしまいます。

ミシガン大学で、うつ病患者と健康な人を対象に、ネガティブな感情を大きくしすぎないためにはどうすればよいかを調べる実験が行われました。その結果、健康な人ほどネガティブな感情を分析し、細かく分類していたことが分かったのだそう。「何か嫌な感じがする」といったあいまいな分析しかしていないと、どんどんネガティブな気持ちが膨れ上がってしまうのだ、と実験を行った研究者は述べています。

ピンチに陥って困ったときは、そのネガティブな感情を分析してみてください。そうすれば、動揺に押しつぶされることなく、冷静に対処することができますよ。

このとき、気持ちを分析するだけでなく、言葉で表現すれば、さらに効果があがるのです。独立派の出家僧である草薙龍瞬氏は、感情を言葉にすることで、余計な心の動きを取り払うことができると述べます。

仕事で大きなミスをしてしまって、かなり動揺したときには、「動揺しているな、落ち込んでいるな」とありのままに理解します。
大事なのは、このとき「腹を立ててはいけない」とか「動揺してはいけない」と「否定」しないことです。そのために、アタマの中で「怒りがある」「動揺している」と客観的に“言葉で”確かめるとよいでしょう。
こうして、「心の反応を理解する」にとどめて「それ以上に反応しない」ように心がけるのです。

(引用元:東洋経済Online|心が強い人が持つ「他人に反応しない」技術 もう、ムダに反応するのはやめなさい

言語化するという行為には、私たちを客観的にさせる力があります。例えば、私たちが自分の長所を言葉で表そうとするとき、私たちは自分を客観的に観察しようとしますよね。「動揺している自分」から、「動揺している自分を言葉で記述している自分」になることができるので、動揺という感情から離れ、いつもの落ち着いた状態に戻ることができるのです。

たとえば「明日が締め切りの書類作成に取り掛かっていないことに気付いた。どうしよう、間に合うかな。早くやらなくちゃ」と、こんな具合です。なるほど自分はこれで動揺しているんだ、と客観視したら、あとは冷静に書類作成に取り掛かるだけです。ただハラハラしながら焦って作業を進めるより、落ち着いて仕事ができそうではありませんか?

ピンチに陥って動揺してしまいそうなときは、自分の感情をできる限り詳しく言葉にし、自分を客観的に見ることを意識すれば、心を落ち着けることができるでしょう。

***
普段から周りを見る視点と、自分の感情を客観的に見る視点を意識すれば、きっとピンチの際の動揺にも強くなるでしょう。
ぜひ試してみてください。

(参考)
東洋経済Online|心が強い人が持つ「他人に反応しない」技術 もう、ムダに反応するのはやめなさい
「悩みランキング&一流の解決法」,日経ビジネスアソシエ,2016年9月号,pp.18-19.
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