【就活生必見】現役東大生ライターが教える勝てる自己PRライティング

就活生の前に立ちはだかる最初の難関がエントリーシート、通称ESだと言われています。

一般に「大企業」といわれる会社の選考倍率は非常に高いことで有名です。数十人の内定枠を巡って、数千人の学生が一斉に応募するのですから、100倍、200倍は当たり前。東洋経済オンラインによれば、特に大手食品メーカーでは500倍近い人気を誇るんだとか。

そんな多くの学生を企業はいかに選んでいるのでしょうか。1人1人の性格や能力を丁寧に見てくれればいいのですが、実際のところはそういうわけにもいきませんよね。そこで、ESによる「足切り」が行われるのです。

どんなに優秀な学生だとしても、書類選考で落ちてしまえば、直接会う機会さえ与えられません。採用担当が1人のESに目を通す時間は、長くても10分が限界でしょう。一生を決める就職活動なのに、10分で運命が決まるとは残酷なものですが仕方ありません。

私たちにできるのは「通る」ESを書き、なんとか生き残ることです。今日は、ライターとして日常的に文章を書く習慣を持った筆者が、いかにしてESを書くかをお教えします。

1.問いに正対して答える

ESを書く際には、設問文の理解に時間をかける必要があります。どんなに素晴らしいアピールポイントがあっても、問いに正しく答えていなければ意味がないからです。いきなり書き始めるのではなく、何を問われているのかを確認し、それに沿って書いていきましょう。

例えば、「学業、ゼミやクラブ活動など学生生活での経験に基づいて得たものなどのセールスポイントをお書きください」という設問の場合。

この設問を見た時に、パッと思い浮かんだ経験を書くと下記のようになります。

私は、1年生の4月にテニスサークルに入会しました。そのテニスサークルは非常に大規模で、新歓活動が大変です。競合となるテニスサークルも多くあるため、いかに生き残るかが要求されます。私はそこでリーダーシップを発揮し、サークルメンバーを新歓活動に向かわせました。その結果、多くの新入生を入会させることに成功しました。

新入生勧誘活動を頑張ったことは伝わりますが、そこで何を得たのかが答えられていません。

この場合、答えなければいけないことは2つ。 (1)学生生活での経験 (2)得たものなどのセールスポイント

まず、具体的な活動内容や自分の頑張ったことは、後にして、(1)と(2)に答えてしまいましょう。結論を頭に持ってくるだけで、だいぶ印象が変わるのです。

入会していたテニスサークルの新入生勧誘活動において、周囲の方向性を統一するリーダーシップを学びました。そのテニスサークルは非常に大規模で、新歓活動が大変です。競合となるテニスサークルも多くあるため、いかに生き残るかが要求されます。私はそこでリーダーシップを発揮し、サークルメンバーを新歓活動に向かわせました。その結果、多くの新入生を入会させることに成功しました。

2.内容に一貫性を持たせる

就活の場では、自分をよく見せようと1つの設問に対して複数の内容を詰め込もうとしがちです。

しかし、採用担当がESに目を通す時間は、非常に限られています。その中でさまざまな情報を詰め込むと混乱させてしまいますし、ましてや最後まで読んでもらえないかもしれません。そこで、紹介するエピソードやアピールポイントは1つに絞り、内容に一貫性を持たせるようにしましょう。

例えば、自己PRでゼミ活動の経験を書くとします。

私は、リーダーシップを発揮し、周囲を取りまとめることが得意です。参加していたゼミは、特定の専攻の学生しか参加できませんが、私は教授に熱意をアピールし、特別に参加権を獲得しました。企業研究を班で発表する活動の際には、メンバーの希望がまとまらず、調査が進みませんでした。私は、一人一人の要求を詳しく聞き、全体の意見をすり合わせ、見事班を優勝に導きました。また、発表の際のプレゼンテーションは、他のどの班よりも優れているとの評価を受けたのです。このゼミでの活動を通じて、全体の意見を聞いてまとめるリーダーシップが身につき、チームの連携も重要だと学びました。(276字)

一見、よく書けているように見えますが、それぞれの事柄をただ並べているだけで一貫性がありません。

ここで1番に伝えたいことは、「周囲を取りまとめるリーダーシップ」のはず。そうであれば、具体例も一般論も全てこの伝えたいことに紐付いたものでなければなりません。この場合、リーダーシップと関係がないのは太字部分ですね。書き終えたら、誤字脱字がないか読み直すかと思いますが、その際に全てのが結論に沿ったものなのかということまで確認しましょう。

アピールポイントを自らカットするのは怖いかもしれませんが、あえて絞り込み、一貫性を持たせ、深掘りすることで自己PRがすっきりと読みやすくなります。

また、文章の一貫性は、チャットやメール、レポートなど、普段文章を書く時から意識することで鍛えることができます。余計な文章を付け加えていないか、目的から外れていないか、こういったことを意識するだけで印象が変わるでしょう。

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3.“よくある単語”は言い換えてPRしよう

問いに答えているか、内容に一貫性があるかを確認したら、最後に具体性を高めていきましょう。就活生は星の数ほどたくさんいて、その全てのESを採用担当が読むわけです。

通り一遍の文句を並べても、採用担当にあなたの独自性はなかなか伝わりません。特に注意したいのは、「リーダーシップ」や「コミュニケーション能力」といった就活で頻繁に登場する単語の数々。

先ほどの例文でも登場しましたが、これらの単語をただ使うだけではPRになりません。 リーダーシップなら、どんなことをして集団を引っ張ったのか。コミュニケーション能力なら、誰とどのような種類のコミュニケーションを取ったのかまで書く必要があります。

先ほど取り上げたゼミ経験の自己PRをもう一度見てみると、どのようにリーダーシップを発揮したのかを具体的に書いていますが、さらに深掘りすることでより良い自己PRとなります。

どうやって「一人ひとりの要求を聞いた」のかメンバーの意見がまとまらない際にはどんな意見が議論を乱していて、それをどんな風に解決に導いたのか

この2つを意識すると下記のように変わります。

私は、リーダーシップを発揮した周囲の取りまとめが得意です。所属ゼミの活動で企業研究を班で発表する際には、メンバーの希望が金融・商社・メーカー、などに分かれ、調査が難航しました。私はリーダーとしてメンバーと一対一で話す場を設け、彼らの多くが「社会貢献に積極的な会社」に興味があると聞き出しました。そこで私は業界にこだわらず、企業の活動内容にフォーカスして選出しようと提案しました。誰かの意見を殺すのではなく、全員の要求を取り入れた選択肢を考えたのです。柔軟な発想とメンバーの意見を尊重する姿勢が評価され、私たちの班は見事優勝を勝ち取りました。(272字)

字数は訂正前のものとほぼ変わりませんが、一貫性を持たせることでエピソードがより具体的になりました。

この3点を注意するだけで、きっとあなたのESは、見違えるほどわかりやすくなるでしょう。

(参考) 就活サイト【ONE CAREER】|「いいか、質問に答えていないESなんて1分でシュレッダー行きだ」トイアンナが普通の就活生を外資コンサルへ内定させてみた(中編:ES編) 就活サイト【ONE CAREER】|エントリーシートは中身じゃない!普通の学生も必ず通るエントリーシートの作法 外資就活ドットコム|【症状別診断】なぜ、あなたのエントリーシートは落ちるのか:サマーインターン編 東洋経済オンライン|内定競争倍率「高い50社、低い50社」はどこか 明治の競争倍率は2750倍!食品や化学が高い Study Hacker|文が下手だと評価が下がる! 正しく、読みやすい文章のための5つのコツ。

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