フィードバックはお得意? アイディアを生むチームが実行する "フィードバック3つのルール"

人のアイデアを聞いた時に、あなたはどんな言葉をかけていますか?

自分の感性に合った案なら「イイね!」「面白い!」、そうじゃない時は「微妙」「面白くない」……こんなひとことしか言えない人も多いと思います。取り敢えず褒めておこうとか、なんとなく気に入らないとは思えても、建設的なフィードバックはできない。他人が出したアイデアに意見を述べるのって、何だか難しいですよね。

ビジネスの現場では、企画立案やアイデア出しのためのミーティングは、複数の人数で行われることが多いもの。その大きな目的は、複数の視点でアイデアを練ることで、誰かが出したアイデアに足りないと思われる部分を別の誰かが示したり、発案者自身でも気づいていなかった魅力を別の人が引き出してあげたりすることで、より良いアイデアを作り出していくことにあります。チーム全体でベストなアイデアを出すためのミーティングの場で、「イイね」とか「微妙」としか言えないようでは、あいつ何も考えてないな、などと思われかねません。

そこで今回は、他人のアイデアに対し、どういった観点からものを考えてどのようなフィードバックをすればよいのか、その方法をいくつか紹介したいと思います。

【1】どんなアイデアでも否定しない

フィードバックの際に最も大事なことは、他人のアイデアを否定しないことです。

「よくわからない」「刺さらない」こう言いたくなる気持ちをぐっと堪えましょう。

一見意味の分からないような突拍子のないアイデアでも、実は隠れた狙いがあるかもしれません。そのアイデアをきっかけに、他の人が別の良い案を思いつく可能性もあります。まずは、そのアイデア自体を認めましょう。

またアイデアを否定された人の立場で考えれば、否定的な意見を言われることはとても悔しいし悲しいこと。曖昧で具体的でない批判しかされないと、そのアイデアを出した人が、その後のアイデア出しに対して消極的になってしまうことも危惧されます。これは、その人にとって良くないだけでなく、チーム全体として優れた案を作り上げる上でもマイナスに働くのです。

世界一のデザインコンサルティング会社と言われるアメリカのIDEO社でも、他者のアイデアを否定することをNGとしているようです。クリエイティブで魅力的なアイデアは、決して否定からは生まれることはありません。

【2】アイデアの理由を聞く

アイデアとは、ある課題に対する解決策のことです。

例えば、「商品の認知度が低いから、店頭で大掛かりなプロモーションイベントを開く」や、「オシャレな若者に見て欲しいから、ウェブサイトのデザインをスタイリッシュにする」などのように、すべてのアイデアは現状の課題とセットになっています。

だから他人のアイデアを聞いたら、まずはその理由について尋ねてみましょう。そのアイデアと理由が紐付いていなければ、アイデアの良しあしを判断することはできません。

例えば、ある製品をリニューアルするためにアイデア出しを行うとしましょう。単に「○○の機能を改善する」と発案するだけではダメで、「××という点が消費者に受け入れられていないというデータがあるから、○○の機能を改善する」と言えなくてはいけないということです。

「Aという問題に対して、Bというアイデアを提案する。なぜならCであるから」という論理的な流れが組めていることが、良いアイデアであるために必要な条件なのです。

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【3】過去に似たアイデアの成功例があるか聞く

さらに、アイデアを評価するうえで参考になるように、そのアイデアに似ている成功事例は過去に存在したか、聞いてみましょう。これは、デザインでも企画でもストーリーでも、アイデアの種類が何であっても同じです。こうした過去の好事例のことを「ベストプラクティス」と呼びます。

ベストプラクティスを尋ねる理由は、そのアイデアが成功する可能性があるかどうかを判断するためです。似たアイデアがすでに存在するからといって、「二番煎じだから良くないアイデアだ」と切り捨てる必要はありません。むしろ、成功事例に似ている優れた要素がある以上、ある程度の成功が期待されるのです。

しかも前例があると、実際にアイデアを実行する段階で参考になるし、決裁権を持つ人(例えば上司)に対しても提案しやすいですよね。

出されたアイデアについてベストプラクティスが存在するか確認し、その上で自分たちの環境や現状に適用した場合に実現可能であるかどうかを確かめましょう。

*** アイデアとは、一人ではなくチーム全員で作り上げるものです。アイデアの発案者と周囲の適切なフィードバックが揃って初めて、クリエイティブで効果的な案が生まれます。チーム全体の成果を上げるためにも、明日から、他人のアイデアにもう一歩突っ込んでみてはいかがでしょうか。

(参考) 木村健太郎・磯部光毅著(2013),『ブレイクスルー ひらめきはロジックから生まれる』,宣伝会議. ティム・ブラウン著,千葉敏生訳(2014),『デザイン思考が世界を変える』,早川書房. ザ・プロジェクトマネジャーズ|ベンチマーキングとベストプラクティス(Bench Marking & Best Practice)

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