もう就活の季節。面接や説明会に忙しい人が増えてきたのではないでしょうか。また、4月も近づき、新生活に胸を高鳴らせている方も多いはずです。

対人関係において、第一印象が大事だと言われます。ビジネスでも、恋愛でも、交友関係でも、第一印象がその人のほとんどを決めてしまう。さらに、その第一印象は、見た目によってほとんど決まってしまう。そう聞いた人も多いでしょう。それは本当でしょうか。

今日は、第一印象が大事な理由と、その改善方法についてお話したいと思います。

第一印象から逃れられない。初頭効果とは

初頭効果は、人がいかに第一印象にとらわれるかを表す現象です。

こんな実験をご存知ですか。被験者は、ある学生のテスト結果を見せられます。問題数は30問で、その学生の正答数はぴったり15問。ただし、その正解した15問の場所を変えてありました。ある結果ではテストの序盤に正解15問を集中させ、ある結果ではテストの終盤に正解15問を集中させました。

すると被験者は、正答数は同じ15問であるにも関わらず、序盤に正解した学生を「より優秀だ」と評価したのです。極め付けに、後ほど被験者に「先ほどの学生は何問正解したか覚えているか?」と尋ねてみました。すると、序盤に15問正解した学生に対しては「21問」と答え、終盤に15問正解した学生に対しては「13問」だと答えたのです。

これ、かなり大きな差ですよね。何事も最初が肝心、と言いますが、まさかこんなにも差が生まれるとは。恐ろしい結果ですね。

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初頭効果を増幅させる、近接性。

さらに、初頭効果で与えた印象は、実際よりも増幅されて伝わります。それが「近接性」です。私たちが初対面の人と話す機会を思い浮かべてみましょう。就職の面接、パーティー、友人の紹介、学校のクラス。どれも、物理的な距離がとても近いのです。

最近ではネット上で初対面の人とコミュニケーションをとることも珍しくありませんが、Face to Face の機会があってこそ、初対「面」ですね。

さて、心理学の研究によれば、物理的に距離の近い人間の印象は(それがプラスであれマイナスであれ)増幅されるのだといいます。

こんな実験があります。被験者とサクラを、実験室で一定時間待機させました。サクラがはじめに「好ましい」応対をした場合には、サクラが近くに座るほど、被験者は好ましい印象を抱きました。一方で、サクラがはじめに「気を悪くさせる」応対をした場合には、サクラが近くに座るほど、被験者は悪い印象を抱いたのです。

もし、あなたが初対面の人にそっけない対応をしたら、相手にどう思われるでしょうか。まず「近接性」により、その不快感は増幅されます。そして「初頭効果」により、その不快感があなたの印象そのものになってしまうのです。

おわかりでしょうか。これが、第一印象が大切だと言われる科学的根拠です。恐ろしいですね。

「第一印象は見た目がすべて」は本当か?

よく、「第一印象は見た目が6割、話し方が4割」のような情報を耳にするかと思いますが、これは誤解です。メラビアンの法則と一般的に呼ばれるこの法則ですが、本来の研究とは大きくかけ離れた情報が、世間に流布しています。

本来の研究は、「相手の表情、声色、そして相手が発する単語の意味が食い違っていた時、どの情報を人間は信頼するか」というものでした。「怒った」顔をした写真を見せられながら、「楽しげな」声色で「悲しい」と録音されたテープを聞く。その時、果たしてどれが本当の心情なのかを当ててもらう。それが本来の研究でした。結果として、55%の人が顔写真から判断し、38%の人が声色から判断しました。そして単語の意味から判断したのはたったの7%。まあ、当たり前ですね。

しかし、それがいつしか一人歩きして「第一印象を決めるのは見た目!その次に話し方!最後に話す内容!」となってしまったのです。もちろん、見た目も大事です。堂々とした話し方やボディランゲージも大切でしょう。しかし、内容が7%なんてことは断じてありえません。

いかにぼそぼそと喋っていても、緊張が手に取るようにわかる相手でも、話す内容が立派なら感銘を受けるでしょう。その一方で、見た目が美しく、堂々と喋っていようと、中身がいい加減では、第一印象も最悪ですね。大切なのはバランスです。変に見た目にこだわる必要もなければ、喋り方に気をとらわれる必要もありません。自分自身そのものを、しっかり伝えるのだ。その意識が大切です。

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第一印象は確かに大事だけれど、その本質を見誤ってはいけない。今日はそのことをお伝えしました。

第一印象で損をしないためにも、ぜひ覚えておいてくださいね。

参考
スーザン・ノーレン・ホークセマ,バーバラ・フレデリックソン,ジェフ・ロフタス,クリステル・ルッツ著,内田一成訳(2015),『ヒルガードの心理学 第16版』,金剛出版.

Wikipedia|メラビアンの法則
天使と悪魔のビジネス用語辞典|メラビアンの法則
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