あなたは、難しい仕事を任された時や、プロジェクトで複雑な情報を多く扱わなければいけない時、課題にどう対処するでしょう。闇雲に情報に当たって、断片的な分析をつなぎ合わせる、といったようなことをしてしまっていませんか?

そんな時、もしいくつかのフレームワークを知っていれば素早く取っ掛かりを作ることができるかもしれませんよ。

この「フレームワーク」という言葉、何かと聞くことはあっても、実はあまり良く知らないという人も多いと思います。今回は、フレームワークの基礎である3C分析やSWOT分析についてご紹介します。是非この機会に押さえてみてください。

フレームワークとは

まずは、フレームワークとは何なのかについて一度おさらいしておきましょう。

フレームワークは、コンサルティング業界でよく使われる思考ツール。コンサルティング業界への転職支援などを手掛けるムービン・ストラテジック・キャリアは、フレームワークについて次のように説明しています。

論理的に思考する過程を手助けしてくれる「枠組み」のことであり、ビジネスで必要とされる思考法・発想法などを体系的にまとめたものです。
(中略)
適切なフレームワークを選んで体系的に情報を整理することが、問題の発見・明確化や新たな発想の提案に繋がります。

(引用元:MOVIN’ STRATEGIC CAREER Consultant転職|フレームワークとは

フレームワークはビジネスパーソンだけが使っているものではありません。学生時代に数学の問題を解く際、誰でもベン図(下図の左)や樹形図(同右)を書いて考えの助けにしていたはず。フレームワークはこれと同じで、問題を解決する際に思考を手助けしてくれるツールなのです。

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(図は筆者にて作成)

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なぜフレームワークを使う必要があるのか

フレームワークを使うメリットは

・文ではなく図で表すので、問題の構造を把握しやすい。
・フレームワークを使うと、論理的に考えることができる。
・順序立てて考えれば、特別なひらめきなどは必要ない。

というところにあります。

また、『マッキンゼー式世界最強の問題解決テクニック』という書籍には、

フレームワークは、選択肢に優先順位をつけるのに役立つ。見当ちがいの道に迷いこまなければ、時間もエネルギーも大きく節約できる。

(引用元:イーサン・M. ラジエル著,嶋本恵美訳,上浦倫人訳(2002),『マッキンゼー式世界最強の問題解決テクニック』,英治出版.)

と述べられています。問題解決の一番始めのステップである、問題構造の定義や仮説の立案の際にフレームワークを使うことで、課題解決にかかる時間や労力を大幅に節約することができるのです。

そして、フレームワークはプレゼンの場でもその真価を発揮します。というのも、情報を論理的に整理し検討するための枠組みであるフレームワークを使うことで、相手に説得力をもって物事を説明することができるようになるから。自分の考えについて相手を納得させやすくなるのです。

フレームワーク1. 3C分析

ここからは、いくつかフレームワークの例をお見せしたいと思います。まず取り上げるのが「3C分析」です。マーケティング・コンサルティング事業を行うシナプスによると、3C分析とは、

「Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)」の3つの言葉の頭文字を取ったもので、マーケティング環境を抜け漏れのない視点でMECEに把握できます。

(MECEとは「漏れなく、重複なく」の意味)
(引用元:Synapse Consulting|3C分析のやり方-マーケティング環境分析

というもの。この3C分析を用いて、自社が市場で成功するための要因を探すのです。

3C分析では、客観的な事実に関する情報を集めることが大切です。集めるべき事実の代表的なものとしては、以下のようなものがあります。

市場顧客(Customer)
・市場規模
・顧客の特徴(顧客層、ニーズなど)
・顧客の行動様式
競合(Competitor)
・競合相手の規模やシェア
・競合相手の特徴(強味弱み、製品の特徴、マーケティング戦略)
・業界を潰す可能性のある商品やサービスの可能性
自社(Company)
・自社の規模やシェア
・自社の持つ特徴(強味弱み、ブランド力、利益率)

例として、日本コカ・コーラのミネラルウォーター「い・ろ・は・す」の開発について分析してみましょう。今でこそミネラルウォーター分野で最上位層の地位にいる日本コカ・コーラですが、開発当初(2008年頃)は輸入水が大きなシェアを占めていただけでなく、数多くのトップブランド飲料を持っていた同社にはミネラルウォーター分野だけがなかったことから、会社の成長にとってミネラルウォーター分野のシェア確立・発展が急務とされていました。その状況を3C分析するとこうなります。

市場顧客(Customer)
・2,200億円程度、当時は緩く縮小傾向
・エコやロハスなどの考えの流行
・輸入水の人気の高まりというニーズの変化
競合(Competitor)
・採水地で差別化されたものが多くのシェアを握っていた
・採水地のブランド力、定番商品としての知名度
・水の宅配サービスやフレーバーウォーター
自社(Company)
・ブランド力や知名度が低い
・新型軽量ボトルの完成

簡単に事実をまとめると以上のようになりました。3Cをもれなく考えることで、自分の持っている知識や考えのみによって解決策を見つけようとする独りよがりをなくすことができます。複雑な情報から状況を分析しなければいけないときは、ぜひ3C分析をしてみてください。

3C分析で集めた事実の情報の数々は、次に紹介する「簡易マトリックス」というフレームワークを使うと、さらに見やすくなります。

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フレームワーク2. 簡易マトリックス

簡易マトリックスの基本は、2軸マップや4象限マトリックスと呼ばれるもの。縦軸と横軸に利益率や売上高などの指標をおき、要素のポジションを分析する時に使います。図を見ればこれかと分かる方もいるでしょう。有名なSWOT分析やPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)などもその一部です。今回は、例としてSWOT分析を見ていきます。

SWOT分析の名称は、「Strength:強み」「Weakness:弱み」「Opportunity:機会」「Threst:脅威」の頭文字を取ったもの。縦軸に内部要因と外部要因、横軸に自社に取っての機会(プラス要因)と脅威(マイナス要因)をとり、SWOTの4つの象限をつくるのです。例えば、新商品開発などの目標に対して、現状での外的要素、内的要素をプラスかマイナスかにあてはめ、整理するという使い方をします。

では先ほどの3C分析で集めた事実をSWOT分析してみましょう。

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(図は筆者にて作成)

このようにSWOT分析をすれば、事実を分類し、その事実がどんな意味を持っているのを一目で把握できるのが良いところ。ここから「自社の強みと市場の機会を最大限に生かす」戦略や「強みを生かして脅威を機会に変える」戦略などを策定していくことができるというわけなのです。

***
今回は、フレームワークの基本である3C分析とSWOT分析について「い・ろ・は・す」の例とともに見ていきました。
世の中には数え切れない程のフレームワークが溢れています。もっと他のフレームワークにも興味がでれば、いくつか勉強してみるといいでしょう。複雑な状況を切り抜けるための相棒として、是非活用してみてください。

(参考)
日経ビジネスONLINE|普通のものを大ヒットさせた開発チーム コカ・コーラのミネラルウォーター「い・ろ・は・す」
労政時報の人事ポータルjin-Jour|事業を総合的に分析するフレームワーク・ツール「SWOT分析」:コンサルタントが世界一やさしく教えるビジネス思考(13)
PRESIDENT Online|フレームワーク入門【2】2軸マップ・4象限マトリックス
東洋経済オンライン|「い・ろ・は・す」を20億本売った”女マネ”
株式会社矢野経済研究所|ミネラルウォーターに関する市場調査 2014
MOVIN’ STRATEGIC CAREER Consultant転職|フレームワークとは
イーサン・M. ラジエル著,嶋本恵美訳,上浦倫人訳(2002),『マッキンゼー式世界最強の問題解決テクニック』,英治出版.
Synapse Consulting|3C分析のやり方-マーケティング環境分析