新しい職場や学校に行く前、プレゼンテーションや商談の前、面接やテストの前などは、誰もが多少は不安な気持ちになりますよね。また「職場で評価されていない気がする」「人間関係がうまくいっていない気がする」などといった不安もあるでしょう。

とにかく、人生は何かと忙しく、そして「不安」がつきものです。だからこそ、たった10分歩きながらできる歩行瞑想(マインドフルネス・ウォーキング)がおすすめです。

マインドフルネス(瞑想)を行うメリット

マインドフルネス(瞑想)は、マサチューセッツ大学医学大学院教授のジョン・カバット・ジン博士が、ストレスや悩み、痛み、病気に対応する手助けとして、医学や心理学の分野に普及させました。

アンチエイジングの活動で知られる東海大学医学部内科学系血液腫瘍内科教授、川田浩志博士は自身の著書で、「マインドフルネスの実践によって脳の構造と機能が変化し、それに伴って心の状態も変化する」と述べています。マインドフルネスにより脳の前頭前野が大きくなることは、アメリカの研究者によって2005年に発表されているとのこと。

前頭前野には集中力を高める役割があり、ワーキングメモリーとしても働きます。また、人間らしく生きるための認知や情動の調節、社会的行動の実行、洞察、意思決定、判断、想起などにもかかわる場所。したがって、マインドフルネスを行うことによって向上するのは以下4つの能力です。

・集中力アップ
・身体感覚感知力アップ
・情動(怒り・喜び・悲しみど)調節力アップ
・メタ認知力アップ

そんななか、「10分間のウォーキング前後いずれかに瞑想を行うと、不安感が劇的に解消できる」という研究結果が発表されたそうです。

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10分ウォーキング+瞑想で不安がなくなる?

健康科学ジャーナル「American Journal of Health Promotion」に掲載されたのは、ミシシッピ大学とニューサウスウェールズ大学の研究者らが大学生110人に協力してもらい行った実験です。10分間ウォーキングのみ、10分間のウォーキング前に瞑想、10分間のウォーキング後に瞑想を行うグループなどに分け、そのあと心理テストを行いました。

その結果、「10分ウォーキング+瞑想(前後問わず)」を行ったグループにおいてのみ、大きく不安感が取り除かれていたそうです。

しかし、日々忙しい現代人がウォーキングに加え、瞑想までも取り入れるとなると多少ハードルが高いかもしれません。そこでおすすめなのが、“ながら瞑想”です。

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いろいろある「ながら瞑想」

ながら瞑想とは、日常的な行動と瞑想(マインドフルネス)が合体したものです。以前「マインドフルネスをもっと身近に。『瞑想浴』を1ヶ月間やってみて感じた効果」でもご紹介した瞑想浴ほか、以下のようなものがあります。

・入浴時に瞑想する「瞑想浴(マインドフルネス入浴)」
・食事をじっくりゆっくり味わって食べる「食瞑想( マインドフルネス・イーティング)」
・ゆっくりと歩きながら行う「歩行瞑想( マインドフルネス・ウォーキング)」

今回は、劇的な不安解消を見せた「10分ウォーキング+瞑想(前後問わず)」の研究結果を受け、ゆっくりと歩きながら行う「歩行瞑想( マインドフルネス・ウォーキング)」をご紹介します。

ゆっくりと歩きながら行う「歩行瞑想」

精神科医のMarlynn Wei博士によると、歩行瞑想の方法は以下のとおりです。(2017年12月「Psychology Today」より)

1.カラダの力を抜き、手と腕をリラックスした状態にして少し深呼吸。その際、地面に立った自分の足の感覚に意識を向ける。

2.リラックスして普通に呼吸する。

3.ゆっくりと慎重なペースで歩き始める

4.足の動きと感覚に集中する
(足が地面から離れて上がるとき、かかとが地面に触れるとき、自分の重心が前へと変化するとき、それから重心が反対側の足に変わるときなどの感覚)

5.足の感覚に注意を払って歩き続けることにより、両足交互に重心が移動を繰り返していることを感じる。

6.歩いて重心が変わることで、自分のカラダ(背中、足、腕、肩、胸、および首)がどのように感じているか意識を向ける。

Marlynn Wei博士は、「普通なら歩いていると注意散漫になるが、足の感覚に意識を向けることによって集中できる」といいます。初心者は5分~10分まで、慣れてきたら、もう少し長い時間チャレンジしてみましょう。

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もしも歩いている最中、「あ、そうだ歩行瞑想しよう」と思い立って急きょ始めても大丈夫ですよ。いったん足を止めるのが億劫だったら、歩きながら1と2の工程を行い、足やカラダに意識を向けて歩き日々の不安を解消してあげましょう。ただし、車や自転車が少ない場所で、安全に歩いてくださいね。

(参考)
川田浩志著(2015),『医学データが教える 人生を楽しんでいる人は歳をとらない』,ディスカヴァー・トゥエンティワン.
Wikipedia|ジョン・カバット・ジン
TOCANA|10分の瞑想と散歩をするだけで不安がなくなると判明! 医師が解説、6つのステップでできる「マインドフル・ウォーキング」とは?
SAGE Journals|American Journal of Health Promotion|Differential Experimental Effects of a Short Bout of Walking, Meditation, or Combination of Walking and Meditation on State Anxiety Among Young Adults
Psychology Today|New Study Finds Meditation With Walking Reduces Anxiety
Study Hacker|マインドフルネスをもっと身近に。『瞑想浴』を1ヶ月間やってみて感じた効果
東邦大学|生物学科|ストレスと脳