テクノロジーの流行を把握し、それらを深く理解することは、これからやってくる新しい時代で成功する必須条件です。そこで今回は、世界を大きく変えることになるテクノロジーAI、ビッグデータ、ビットコイン、ブロックチェーンの4つを掘り下げつつ、その理解を深めてくれる本をご紹介します。

AI —人工知能は人間を超えるか—

AIとは、「人間のように考えるコンピュータ」いわゆる人工知能です。これが実現可能な理論的根拠は、“私たち人間の脳は単なる電気回路に過ぎない”という考えにあります。いまだこの定義を満たすAIは完成してはいませんが、人間の知的一面を真似ている技術は徐々に生まれています。いくつか例を見てみましょう。

ソフトバンクは新卒採用選考のエントリーシートを評価する際に、人工知能「IBM Watson」日本語版を活用すると発表しています。また、NTTデータは、荷物の画像をAIが分析し、箱の形状や汚れなどを判別する「物流画像判別AIエンジン」を開発したと発表しています。すでに大手物流会社などが試験導入し、有用性を確認しているとのこと。AmazonでもAIを用いて予測分析を利用した配送システムに、配送サービス、倉庫における自律ロボットの活用を行っています。また、企業の決算報告を自動的に生成できる人工知能も実用化されています。

こうした人工知能ブームが起こっている背景には、「ディープラーニング(深層学習・人工知能の学習手法)」と「シンギュラリティ(技術的特異点・人工知能が人間の能力を超えることで起こる出来事)」という考え方があります。以下の本が、それらを理解する手助けとなるでしょう。

『人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの』(松尾豊(2015), KADOKAWA/中経出版)

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ビッグデータ —情報の産業革命が世界のすべてを変える—

近年、あらゆる企業がビッグデータ(巨大で複雑なデータの集積物)を積極的に活用しています。コンピュータの性能が高くなるにつれて、母数から無作為に標本を抽出する必要がなくなり、母数全体をデータとして扱えるようになったのです。どういうことか具体的に見てみましょう。

2009年、Googleは検索ワードからH1N1という新しいインフルエンザウイルスの流行を予測しました。流行の数週間前に州単位までの流行を特定し、その方法を解説した論文を有力科学誌『ネイチャー』で発表していたのです。これはビッグデータを用いたGoogleが、複数の検索語と数式を組み合わせ立てた予測と、米国疾病予防センターの公式データとの間に、高い相関関係を見つけたことがきっかけでした。

もし従来通り特定の地域からのみ標本抽出していたら、その州や地域といった細かい部分までは特定できません。データすべてを扱うことで、正しく現象の相関関係を見つけだすことができたのです。以下の本で理解を深められるはずです。

『ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える』(ビクター・マイヤー=ショーンベルガー,ケネス・クキエ著)

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ビットコイン&ブロックチェーン —技術が信用を創造する世界—

皆さんも、仮想通貨という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか? 「Ripple(リップル)」や「Ethereum(イーサリアム)」など数ある仮想通貨の中でも、特に市場規模が大きいのが、今話題の「ビットコイン」です。特定の国や中央銀行にあたる組織が発行しているわけではなく、世界中どこでも使うことができます。それが“国際通貨”と呼ばれるゆえんです。

ビットコインには、「総発行枚数が2100万枚と決められている」「送金などの取引はブロックチェーンに記録され、10分ごとにマイナー(採掘者)によって承認される」といった特徴があります。

2017年8月現在、上限である2100万枚のうち約80%にあたる1650万枚ほどが、すでに発行、採掘(ビットコインの新規発行に至る行為)されています。4年ごとに採掘できるビットコインの量は半減し、2141年に2100万枚に到達します。ビットコインにはこうした発行上限による希少性があるため、金や通貨と同様の信頼が生まれるのです。

また、このような仮想通貨誕生の背景には、ビットコインの特徴でも記している「ブロックチェーン」技術があります。従来、仮想通貨はハッカーなどに狙われやすく、データ書き換えによって持ち金が消失してしまうことが問題でした。しかし、ブロックチェーンという“一度書き込んだら絶対に書き換えることができない技術”のおかげで、仮想通貨技術は一気に発展したのです。仮想通貨の取引(トランザクション)は逐一このブロックチェーン上に記載されるため、安全性が保障されるようになりました。

ビットコイン、ブロックチェーンを理解するには、ビットコインの仕組みについてわかりやすく解説している以下サイトと、後方の本2冊がおすすめです。

誰も教えてくれないけれど、これを読めば分かるビットコインの仕組みと可能性
『いまさら聞けない ビットコインとブロックチェーン』(大塚雄介著)
『ブロックチェーン・レボリューション ――ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか』(ドン・タプスコット,アレックス・タプスコット著)

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これらの技術をビジネスやプロジェクトにどう活かせるか、ぜひ試行錯誤してみてくださいね。

(参考)
ITmedia|ソフトバンク、新卒採用に「IBM Watson」活用 エントリーシート確認時間を75%削減
ITmedia|荷物のサイズや汚れ、AIが自動判別 NTTが佐川急便などに技術提供
IPA 独立行政法人 情報処理推進機構|米国における人工知能に関する取り組みの現状
大塚雄介著(2017),『いまさら聞けない ビットコインとブロックチェーン』,ディスカヴァー・トゥエンティワン.
松尾豊著(2015),『人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの』,KADOKAWA/中経出版.
ビクター・マイヤー=ショーンベルガー,ケネス・クキエ著,斎藤栄一郎訳(2013),『ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える』,講談社.
TechCrunch|誰も教えてくれないけれど、これを読めば分かるビットコインの仕組みと可能性
NHK NEWS WEB|もはや常識!?ブロックチェーンってなに
ドン・タプスコット,アレックス・タプスコット著,高橋璃子訳(2016),『ブロックチェーン・レボリューション ――ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか』,ダイヤモンド社.