あれもこれも覚えないといけないのに、なかなか効率が上がらない……。記憶を定着できるほど十分な時間を確保できない……。
そんな悩みを抱えている人は少なくないかもしれません。

特に、大学の試験期間なんかには沢山のことを一気に学ばなくてはなりませんので、本当に大変なもの。資格や業務のために勉強する社会人の方も、仕事の合間に勉強の時間を捻出する必要がありますので、覚える作業にかけられる時間は限られてきますよね。

たとえ勉強する時間があったとしても、ずっと勉強を続けていると集中力が落ちてきて、記憶効率が下がってしまうということもあるでしょう。また、一度覚えたはずのことが上手く引き出せないなんていうこともあり、なかなかもどかしくなったりもすると思います。

このような、多くの人の「記憶」に関するお悩みの解消におすすめなのが、勉強内容と五感とを結びつけて記憶していく方法です。

記憶の鍵は“結びつき”

年号を覚えるとき、語呂合わせを使ったことがない人は恐らく一人もいないでしょう。

「794(ナクヨ)うぐいす平安京」「1192(イイクニ)作ろう鎌倉幕府」。

語呂合わせにすると年号を覚えやすくなるのは、数字だけでは記憶しにくいものを、他のイメージと結びつけているから。

「ナクヨうぐいす」なら、平安京でうぐいすが鳴いているイメージ、「イイクニ作ろう」なら、鎌倉の日本を良い国にしようという意欲が込められているイメージです。このように他のイメージと結び付けることで、後からその記憶をよみがえらせるのが容易になるのです。

実は、人間の脳には「取り出せない(取り出しにくい)記憶」というのが山ほど眠っていると言われています。

それを取り出しやすくするためには、記憶を脳に仕舞い込む際に、語呂合わせによるイメージのような取り出しやすい「取っ手」を取り付けてやるのが最も効果的なのです。

kamijo-45days-ec
45日でTOEIC825点に到達! 外資コンサルが選んだ、パーソナルトレーニングという英語学習の形。
人気記事

効果的な記憶法1. 音読と写経

情報に取っ手を付けるための、とても簡単に実践できる方法の一つに、音読と写経があります。

覚えたいと思う内容が書かれている文章を、声に出して読みながら、同時に手を使って紙に書きつけていくのです。

たったそれだけでいいの? と思うかもしれませんが、この方法の凄いところは「視覚」「聴覚」「触覚」の三つの感覚を同時に使用するというところ。

言葉にするときの口の動きや、書くときの手の動きは、記憶が思い出せなくて引っかかった時に、思い出すきっかけとして働いてくれます。覚えたときの口や手の動きを再現してみれば、その流れでスッと思い出せるようになりますよ。

また、言葉を口に出すと、その音が耳から入りますし、元の文章も自分の書いた文章も、視覚的な情報として脳に入ってきます。文章を黙読するだけでは、情報はその一回しか入ってきませんが、文を音読し、さらに書き写せば、二重三重に、違う方法で記憶を上塗りすることになるのです。このように脳内に情報が出現する回数を増やすことは、重要な情報を記憶としてしっかりと根付かせるために大きな効果を発揮します。

gokande-kioku02

効果的な記憶法2. アロマ勉強法

音読と写経を使えば、視覚、聴覚、触覚を使った記憶術は簡単に勉強に取り入れられそうですが、他の感覚についてはどうでしょう。

実は、嗅覚は、記憶のメカニズムと非常に深い関係を持っています。外崎肇一氏(嗅覚研究所代表)によれば、

「嗅覚は、五感の中で最も〝原始的”なシステム。視覚や聴覚とは、情報を処理する脳の中の 経路が違うのです」

(引用元:日経Gooday|においの記憶はなぜ色褪せない?嗅覚の刺激は大脳に直接届く

原始的なシステムほど、身体に深く根付いていると考えられています。だからこそ嗅覚は、記憶の面でも他の感覚より鋭く、有利に働くことが期待できるのです。

皆さんにも、特定の匂いでふっと記憶が蘇るような経験はあるのではないでしょうか。畳の匂いにおばあちゃんの家を思い出したり、すれ違った人の香水で昔の恋人を思い出したり。そのときに蘇る記憶は、思いもよらず鮮明なものだと思います。このように匂いが記憶を呼び戻す現象には、小説の中でその現象を鮮やかに描いた作家の名から「プルースト効果」という名前までついているのです。

この、匂いが記憶に与える効果を利用して、勉強に「香り」を結びつければ記憶の定着を助けることが可能になります。

具体的なやり方は、まず、勉強をする科目や分野を決めたら、アロマや香水を利用してその場に香りを漂わせます。その環境の中で勉強をすることで、勉強した内容が香りと自然に結びついてくれることを狙うのです。あとは、その内容を思い出したいときにその香りを思い返してみたり、香りのついたハンカチをポケットに忍ばせておいたりすれば、香りに導かれて効率よく記憶を引き出すことができるでしょう。

また、アロマには、それ自体が勉強の効率を上げる効果を持つものもあります。例えば、柑橘系の香りは記憶力を高め、バジルは頭脳を明晰に、ペパーミントは眠気を覚まし、ユーカリやローズマリーは集中力を高めると言われていますので、ぜひ使ってみてください。勉強に効き目のあるアロマを導入すれば、勉強効率も上がって、記憶定着にも一役買います。まさに一石二鳥といえるかもしれません。

***
学生、社会人問わず、何かと忙しい中で、十分に時間を取って、繰り返しながらじっくり学ぶということは、なかなか難しくなってきていると思います。

だからこそ、なるべく短い勉強時間で効率よく記憶を定着させられると良いですね。

(参考)
記憶術のやり方 暗記する方法のまとめ|五感をフル活用して覚える記憶法
日経Gooday|においの記憶はなぜ色褪せない?嗅覚の刺激は大脳に直接届く
はてなキーワード|プルースト効果
Wikipedia|マルセル・プルースト
STUDY HACKER|どうして一度で覚えられないの? 脳科学で紐解く『繰り返し学習』の重要性