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「なんだか最近、記憶力が悪くなったな」。大人になってからと言うもの、そんな声はあちこちで聞く上に、自分自身も実感することが増えてきました。そしてそれを歳のせいにして諦めてしまっている人も多いでしょう。けれど、記憶力の減退を加齢で片付けてしまうのはもったいない。今日はそんなお話です。

badge_columns_1001711日常生活を送るだけで「海馬」が刺激される。

脳の中の海馬(かいば)という場所と、その働きを知っていますか?

海馬(かいば、英: hippocampus)は、大脳辺縁系の一部である、海馬体の一部。特徴的な層構造を持ち、脳の記憶や空間学習能力に関わる脳の器官。

海馬は、脳の外側を覆う『大脳皮質』よりも内側にある“記憶の宝庫”。新しいことを喜んで覚えてくれる場所です。
朝起きてから夜寝るまで、大人に比べて圧倒的に子どもの方が、新しい体験の連続です。日々の生活をしていても、明日を予測できる能力が低いのが子どもです。予測をできないがための“驚き”=新しいことを体験することで、『海馬』をとりまくニューロン(神経細胞)がどんどん成長してつながっていきます。

『海馬』はまた、試行錯誤が大好きなため、努力して何度も挑戦することで安定した記憶として貯蔵してくれます。この努力や挑戦を全くしないと、せっかく覚えてもすぐ忘れてしまうのだとか。こういった純粋な努力があるかないか、日々起こる色々なことに驚けるか、というところも大人と子供の記憶力の差となって現れているのですね。

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badge_columns_1001711感情と結びつくことで飛躍的にアップする記憶

「子どもの頃のような純粋な気持ちを取り戻すのは難しいから、やっぱり記憶力は衰える一方か」と思った方も多いでしょう。
しかし、答えは「ノー」。

ただし、「子どもじゃないんだから」はその通りで、大人が子供のように色々なことに新鮮さを感じるのは難しいのは否めません。大人の場合には、決まりごとが多い日常の中に、いかにしてエッセンスを加えるかということが記憶に残すためのポイントとなります。それに大きく力を貸してくれるのが『感情』です。

たとえば一本の映画を観たとき、私たちは必ず何らかの感想を抱きます。そのことを日記に書く、あるいは誰かに話すことで、感情が形として残ります。すると、新しい記憶を得意とする『海馬』周辺の神経細胞のネットワークが新たに作られ、それが強化されます。そしてそれが、『大脳皮質』に定着することで、長期記憶が保たれます。
観た後に復習ともいえる行動があることで、記憶がより濃く残されるのです。さらには、何度も観ることでやはりネットワークが強化されていきます。

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badge_columns_1001711ロザンの宇治原さんも実践した、大げさ勉強法

何かを記憶する時に、少しでも感情が動くようにして、その感情と記憶したい内容を紐づけること。
これは、意識して行うことでどのような場面にも応用できます。勉強であれば、教科書を声に出して読むという方法がありますが、このとき、感情を込めて大げさにリアクションを取りながら行うと記憶に残りやすくなります。

これについては、お笑い芸人のロザン・宇治原さんが実際にこの方法で京大への道を拓いたということで、ご存知の方もいるかもしれません。
実践するのはちょっと恥ずかしいかもしれませんが、自分が俳優になった気持ちで大げさに読むだけでそれがすんなり記憶されるなら、試してみない手は無いですよね。

*****
大人になるとなかなか出せない感情。それを意識して言葉や行動に込めることで、記憶の定着と記憶力のアップにつながるという話、いかがでしたか? 周囲にいる子どもたちの姿をちょっと観察してみてください。きっと、純粋な記憶の瞬間とパワーに触れて感情を動かされると思いますよ。

<参考文献>
脳と心―「心」はどこにあるのか (ニュートンムック Newton別冊)
脳のしくみ―ここまで解明された最新の脳科学 (ニュートンムック …
wikipedia|海馬 (脳)


横浜国立大学卒業。ライティングオフィス『シーラカンストークス』所属。過去に大学職員、プロ家庭教師の顔を持つ一児の母でもある。趣味は整理収納。