Student studying for the exam

パソコンやスマートフォンが普及している現代。手書きより、キーボードで文章を書く機会の方が増えています。レポートや書類はもちろん、スマホでスケジュールを管理しているという人も少なくないでしょう。手書きより圧倒的にスピードが速く、消したり付け足したりも楽にできます。
パソコン類の方が利便性が高いことは十分分かっていますが、では私たちの脳へ与える影響はどうでしょう。手書きの機会が減ったことで、漢字が正しく書けなくなったという話はよく聞きますが、手書きと入力の違いはそれだけではないかもしれません。

badge_columns_1001711手で書くことが脳を活性化させていた!

インディアナ大学の心理学者カリンジェームズは2012年、まだ読み書きを学んでいない子供たちに対し、実験を行いました。まず初めに文字を見せ、その文字を、白い紙に書く、既に点線が書かれた紙になぞる、キーボードでタイプするという三つのうちいずれかの方法で書かせたのち、もう一ど文字を見せて脳の動きを観察しました。

すると、白紙に書くという方法をとった子供の脳、特に左紡錘状回、下前頭回と後部頭頂皮質が活発に活動していたのです。これらの部位は、大人が読み書きをするときに使う脳の領域でした。反対に、点線をなぞる、タイプするという方法をとった子供にはそのような強い活性化は見られなかったということです。このことから、「ただなぞったり入力するだけでは、脳はあまり動いていない」ことが分かりました。

また、脳科学教育研究所の桑原清四郎所長は次のように話しています。

文字を書くときには、指先を繊細に動かすために、脳はとても集中します。脳の神経細胞・ニューロンは、標的細胞に向かって伸びるので、その集中がいいんですね。
これがパソコンやスマホ・携帯電話と大きく違うところです。パソコンのキーボードを打つときに、指先に繊細な命令を送ることはしないので、脳への刺激が少ないんです。

(引用元:マイナビニュース|文字を書かないと脳が老化しちゃうってホント?

このように、キーボードを使うより、手書きで文字を書くほうが脳を活性化させるのです。

close up hands man writing on diary and smartphone

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badge_columns_1001711手書きの方がアイディアが浮かぶ

活躍しているビジネスパーソンたちの多くは、通常のビジネスシーンではIT機器を使いこなしているにも関わらず、アイディアを出すときや、to do リストを書くときには手書きを推奨しています。「トヨタで学んだ「紙1枚!」にまとめる技術」の著者、浅田すぐるさんも、ミスが見つけやすい、柔軟にレイアウトを作れるなどといった理由から、手書きのほうがよいという結論に至ったそうです。またどんな業種のどのような会社であっても、広く様々な意見を集めるブレストでは、ホワイトボードなどを使う場合が多いでしょう。これは単に「確定していない内容でも書きやすい」だけではなく、書く動作や未完成な意見が書かれているのを見ていると、新たにどんどんとアイデアがわいてくるという効果があります。

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以上のように、手書きには多くの利点があることが分かりました。
自分の字に自信がなくて手書きがちょっとという方は、STUDYHACKERの記事、「美しい文字で知性を演出! きれいな文字を書く3つのポイント」を参考にしてみてください。もちろん、スピードではキーボードの方が圧倒的に早いですし、状況によっては手書きできないこともあるのでなにも全てを手書きにしろとはいいません。
時間のあるとき、アイディアを求めているとき、後から色々書き加えたいときなど、状況に応じて手書きとキーボードを使い分けましょう。

参考:
SCIENCE|What’s Lost as Handwriting Fades
マイナビニュース|文字を書かないと脳が老化しちゃうってホント?
浅田すぐる(2015)「トヨタで学んだ「紙1枚!」にまとめる技術」サンマーク出版


京都大学工学部電気電子工学科一回生。カリタス女子高等学校卒業。宇宙開発に興味あり。高校では演劇部に所属。文化祭執行部に入り、文化祭に積極的に参加。大学では硬式女子テニス部に所属。