日常には、仕事とは関係のないルーチンワークが溢れています。

家にいれば、炊事、洗濯などの家事がその代表でしょう。また会社であれば、書類の整理とか郵便物のとりまとめとか、クリエイティブな業務とは関係のない雑事が少なからずあるものだと思います。そして、これらの些末なルーチンワークを行っている時間だけでも、一日の中でかなりの割合を占めてしまうというのが事実ではないでしょうか。

作業の内容によってはアウトソーシングを進める向きもあるようですが、実はそんな「雑務」を行う時間を上手く利用することで、本業の仕事における創造性を大きく向上させることができるのです。

面倒だから後回し、などと軽んじてしまいがちなルーチンワークを、どうすれば上手に仕事に役立てることができるのか、その方法を紹介したいと思います。

ひらめきの条件

ルーチンワークを活用する具体的な方法を説明する前に、ひらめきが起こる条件について確認しておきましょう。

天才的なひらめきに恵まれた人物たちは、しばしば「散歩中」や「シャワーを浴びているとき」に、ひらめきを得たのだそう。例えば、アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏は散歩好きだったことで知られ、散歩中に新商品のアイデアをひらめくこともあったのだといいます。

これはただの偶然ではありません。散歩やシャワーといった、ひらめきとは何の関係もなさそうな瞬間に、実はひらめきの条件とも言える要素が詰まっているのです。

では、脳科学的に見てひらめきの条件とされるのはどのようなことなのでしょうか。

日本大学文理学部で脳研究をしている森昭雄教授は、次のように述べています。

ひらめきとは、脳の『頭頂連合野』と『側頭連合野』にファイリングされた記憶や知識が『前頭前野』に伝わって、異なる要素が統合された瞬間に生まれるもの。そのためには、脳をリラックスさせておく必要があります。その点、散歩も有効な手段の一つ。ひらめきを得たいときは、アイデアの元となる情報を脳にインプットして、一時的に思考のスイッチをオフにしましょう

(引用元:R25|散歩するとクリエイティブになる…はホント? 脳研究者が教える!アイデア発想術

ひらめきが生まれるのは、人間の意識の外、無意識の領域であると言われています。

そのため、ひらめきを得るには、まずはひらめきの「材料」となる知識や情報をインプットしたうえで、一度そのシチュエーションから離れてリラックスし、無意識の状態を活性化させることが必要になってくるのです。

冒頭に挙げたようなルーチンワークは、大抵、あまり頭を使わずにできることばかりですよね。人間はルーチンワークを行っているとき、思考を「オートモード」に切り替え、その分難しいことを考えなくなることが知られています。つまり、雑務の時間は、思考のスイッチがオフになりやすい時間帯。

したがい、仕事とは関係のない雑務の時間は、頭を使わなくなるため無意識の状態が活性化されるので、「ひらめきの場」へと変身する力を秘めているというわけなのです。

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ルーチンワークを活かすために1. 雑務はひらめきに効く時間帯に

では、ここまでの内容を踏まえ、生活から排除できない雑務の時間を、少しでも有効活用する方法を考えましょう。

ひとつめの方法は、ルーチンワークや雑務を行う時間を、ひらめきに効く「美味しい」時間帯に持ってくることです。

美味しい時間帯とは、脳への情報のインプットが完了していて、考えがある程度煮詰まってきたタイミングのこと。例えば、企画書を書いている真っ只中や、情報収集の直後などの時間に、雑務を配置するようにしてみましょう。会社であれば、息抜きがてら、隣の部署に書類を持っていったりコピーを取りに行ったりしてみてください。家で作業をしているのであれば、家事や入浴などを挟むといいですね。

そういうタイミングにルーチンワークを入れるなんて、仕事の腰を折るようにも思えるかもしれませんが、ひらめきを得るには脳にとって絶好のタイミングです。頭に入れたばかりの情報が無意識下で化学反応を起こし、クリエイティブなアイデアが浮かびやすくなります。

ルーチンワークを活かすために2. リラックスできる環境作り

ひらめきにとっては、なるべくリラックスするという条件も重要です。

そのためにも、日頃のルーチンワークの中に、ちょっとしたこだわりを入れてみるのをおすすめします。

例えば、仕事の合間にちょっとコーヒーを淹れてこようという時だったら、コーヒーの銘柄にこだわってみたり、マグカップにお気に入りのものを用意したりすることで、より心がリラックスしやすくなるでしょう。皿洗いや洗濯なら、洗剤や柔軟剤にちょっと良いものを使い、気に入った食器やスポンジなどを揃えたり、書類整理中はお気に入りの音楽を流したり。

こうした工夫をするだけで、ルーチンワークはただの退屈な時間からリラックスした時間に変わるはずです。

手間やお金がかかるように感じてしまうかもしれませんが、アイデアのための投資として考えれば、そんなに高くつくものでもないように思えます。

***
仕事も日常生活も、クリエイティブで楽しいことばかりではありません。仕方ない雑務などは避けては通れないものでしょう。だからといって、なんとなく終わらせてしまうのはとてももったいないことです。

ルーチンワークの時間も有効に活用すれば、よりひらめきに溢れた毎日になるかもしれませんね。

(参考)
SOOL|創造性はデスクを離れる勇気に訪れる―閃きの科学
R25|散歩するとクリエイティブになる…はホント? 脳研究者が教える!アイデア発想術
ダイヤモンド社書籍オンライン|「ひらめき」を生むために必要なのは、「思考法」ではなく「○○」である Pepper元開発リーダーが明かす「0」から「1」を生み出す仕事力
人材派遣会社登録まとめ|ルーティンワークを増やせば創造性の高い仕事ができるようになる
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