せわしなく仕事をこなすビジネスパーソンにとって、当日の疲れを持ち越さずに解消しきるのは、とても重要なことです。しかし、なかなかいい方法が見つからず、かえって疲れを増大させてしまったり、憂うつな気持ちのまま月曜日を迎えてしまったりすることもあるのではないでしょうか。それでは、プライベートはもちろん、仕事にも悪影響を及ぼしかねません。

そういう方は一度、自分の疲労回復法を見直してみませんか。今回は、やってしまいがちな間違った疲労回復法を明らかにしたうえで、正しい方法をご紹介します。

疲れを残してしまう「NG疲労回復法」とは

具体的な疲労回復法を考える前に、まず「疲労」自体のことを考えてみましょう。

疲労は、大きく分けて肉体面・精神面の2種類があります。肉体面の疲労とは、頭が重い、腰痛や肩こり、目の疲れ、眠気、全身のだるさなど。精神面では、集中力が低下して考えがまとまらなくなったり、やる気が低下したりといったことが挙げられます。また、精神的なストレスが高じると、セロトニンという脳内ホルモンが不足し、うつ病などを引き起こす原因となる可能性も。

どちらの疲労も、放っておくと多大な悪影響を及ぼしかねません。肉体面の疲労がとれないと、会議中に眠気を感じてしまったり、身体の凝りから仕事が正常にこなせなくなったり……。また、精神的なストレスが高じると、タスクをこなすときに取りかかりが遅くなったり、目の前の仕事に集中できなかったりといったことを招いてしまいます。仕事のパフォーマンスを向上させるには、しっかりとした疲労回復が欠かせないのです。

しかし、中には間違った方法を取り入れてしまい、かえって疲れを蓄積させてしまっている人も。疲労を解消できない「NG疲労回復法」をしていないかチェックしていきましょう。

・過度な筋トレ、激しい運動
運動は脳を活性化させる効果がありますから、休日には筋トレや運動を欠かさず行なうという方もいるのではないでしょうか。しかし、疲れやすい人は筋肉が硬くなってしまっている場合があるため、筋トレで余計に老廃物が蓄積され、さらに疲れてしまいかねません。

・長風呂
入浴はリラックス効果があり、疲労回復には最適です。しかし、入る温度に要注意。42度以上のお風呂に10分間入っていると、血液が固まってしまう危険があるのだそう。熱いお湯は交感神経を刺激するためスッキリとした爽快感を感じるかもしれませんが、身体が温まり汗をかきやすくなるので、エネルギーを消耗しすぎてしまうのです。

・ストレス解消で食べ過ぎる
ストレス解消のためについ食べ過ぎてしまう、という方は多いのではないでしょうか。しかし、食べ過ぎ・飲み過ぎは消化器官に負担がかかってしまいます。また、血糖値が急激に変化するため、さらなる疲労感やイライラの原因となるのです。

・夜更かし
翌日が休みの場合は特に、ついつい夜更かししてしまうという方もいるでしょう。しかし、楽しいからといって睡眠時間を削ると、体内時計が狂い、ホルモンの分泌リズムや体温リズムもずれてしまいます。そうなってくると、肉体的・精神的に大きなストレス、疲労が残りやすくなってしまうのです。また、夜更かしした際にやりがちなスマートフォン・パソコン等の電子機器の長時間の操作は、目の疲れや脳の覚醒につながり、睡眠に多大な悪影響を与えてしまいます。

・度を超えた飲酒
寝る前の飲酒や、仕事終わりの晩酌が習慣になってしまっている人は要注意。少しであれば問題はありませんが、深酒をしてしまうと、疲労回復機能を持つ肝臓の働きが悪くなり、肉体的にも精神的にも疲労が蓄積されやすくなってしまいます。

分かっていてもついやってしまう、ということが多いのではないでしょうか。もし当てはまるものがあれば、少しずつでかまいませんので改善していきましょう。

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 正しい疲労回復の4つのポイント

では、実際にどのようなことをすれば疲労をしっかり解消できるのでしょうか。今回は、4つのポイントに分けてそれぞれの疲労回復法を見ていきましょう。

1. 食事面

疲労を回復したいのであれば、食事にビタミンB群を多く含む食品を取り入れることが大切です。ビタミンB群は、体内で糖質をエネルギーへと変換する時に必要な補酵素。また、神経を正常に保つことにも関わっており、不足すると疲労症状やうつ症状が出てしまうこともあります。具体的には、豚肉やレバー、未精製の穀物(玄米など)、魚介類など。積極的にビタミンB群を摂取し、疲労回復に役立てましょう。

2. 睡眠

疲労回復に欠かせないのが、良質な睡眠です。睡眠が浅かったり、途中で覚醒してしまったりすると、十分に疲労を取り去ることはできません。質の良い睡眠のポイントは次の6つです。

【1】食事は睡眠の2~3時間前に済ませ、特にカフェインはとらないようにする
カフェインは交感神経を刺激し、覚醒作用を持ちます。リラックスするために必要な副交感神経の働きが鈍り、睡眠の質が低下してしまう恐れがあるので、摂取しないようにしましょう。また、食後は消化器官などが働いており、こちらも睡眠に影響を及ぼしてしまいます。遅くとも睡眠の2時間前までには、食事は済ませておきましょう。

【2】入浴は睡眠の1時間前に済ませる(ぬるめのお湯でゆっくりつかる)
医学博士の三島和夫氏は、入浴について以下のように述べています。

入浴すると、深部体温(脳や内臓の温度)がぐんと上がった後で急降下します。深部体温は、寝つきのよさや眠りの深さと深く関係しています。寝床に入る1~2時間前の深部体温の下がり方が急であるほど、よい眠りを得やすいとわかっています。入浴すると深部体温が急激に上がるので、その後の睡眠をいざなう効果があるというわけです。

(引用元:花王ヘルスケアナビ|睡眠と入浴―すぐに役立つ健康入浴法(6)

このように、深部体温を急降下させるのが睡眠への鍵なのです。また、熱め(41~42度)のお湯につかることには覚醒効果があるため、寝る前には適していません。38~39度程度の、少しぬるいと感じるくらいのお湯が入眠のためには最適なのです。

【3】部屋は電気をつけず暗くしておく
強い明かりは、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制してしまいます。また、奈良県立医科大学では、夜間の豆電球の使用により肥満の危険性が上がってしまうという研究結果が出ているのだそう。暗闇は苦手だという方は、フットライト等を用いて、照明器具が直接視界に入らないようにしましょう。

【4】窓やカーテンを閉め、外部の音を遮断する
人がぐっすり眠れる音のレベルは40dBと言われています。40dBとは、市内の深夜帯や図書館内程度の音量。それよりもうるさい環境では、眠りが阻害されてしまうのです。外の騒音は取り込まないようにし、テレビなども消すようにしましょう。

【5】ベッドに入ってからは悩み事・不安を考えない
悩み事や不安を抱えていると、ストレスがかかり睡眠に悪影響を及ぼしてしまいます。寝る前にすべて紙に書き出しておくと、考えにくくなりますよ。

【6】深い呼吸を意識して行い入眠する
自律神経が乱れている場合、寝付くのに時間がかかったり、途中で目覚めてしまったりしやすくなります。自律神経の乱れを解消するには、ゆっくりとした呼吸が効果的。目安として、息を吸って吐く動きが1分間に10回未満になるようにしてみましょう。自然と副交感神経が優位になり、眠りにつきやすくなりますよ。

良い睡眠をするためには、これらのポイントを押さえることはもちろんですが、なによりもリラックスすることが重要です。こだわりすぎてかえって気になってしまうという場合には、取り入れやすいものをいくつか試してみる程度でもかまいません。自分に合ったリラックス方法を見つけていきましょう。

3. 運動

気持ちが良いくらいの運動は、疲労回復にはうってつけです。特に、身体をほぐし、伸ばしてくれるストレッチや、ウォーキングなどの有酸素運動がおすすめ。

同じ姿勢でデスクワークを続けていたり、接客で立ちっぱなしのままでいたりすると、血液の循環が悪くなってしまいます。すると、身体のだるさや疲労感を感じるほか、筋肉の硬直による肩こりや腰痛、冷え性、筋緊張性の頭痛など、様々な症状があらわれてしまう可能性も。

有酸素運動はこれらを解消してくれるため、無理のない範囲で取り組んでみるといいでしょう。また、適度に身体を疲れさせることにより、眠りやすくなる効果もあります。

4. 目を休ませる

目を酷使してしまうと、肩こりや頭痛、不眠につながる可能性があります。スマートフォンやパソコンの電子画面から目を離し、ゆっくりと目を休ませましょう。また、蒸しタオルで目を暖めたり、目薬を差したりといったことも目の回復には有効です。

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ついやってしまいがちな「NG」をなくして、翌日に疲労を残さないようにしましょう。

(参考)
女性の美学|最近なんだか毎日だるい…溜まった疲れをとる方法
Doctors me|疲れを取るつもりが逆効果!? あなたの間違った8つの疲労回復法
武蔵野市吉祥寺の「てぴあん」整体院|疲労の原因を知り疲労を改善する
奈良県立医科大学|夜間の豆電球使用が肥満・脂質異常症のリスクになる可能性を示唆
花王ヘルスケアナビ|睡眠と入浴―すぐに役立つ健康入浴法(6)