世の中には「人たらし」と言われる人が存在します。「人たらし」と聞くと悪い印象を持つかもしれませんが、かの有名な豊臣秀吉もその才覚に長けていたと言われています。
媚びるわけではなく、自然に振る舞っているにも関わらず、周囲からウソみたいに好かれ、なぜか憎めないというのが彼らの特徴。あなたの周りにも思い当たる人がいるかもしれませんね。もしあなたが、ちょっとしたことを心がけることで、誰からも好感を抱かれ、周囲から愛される「人たらし」になれるとしたらどうでしょう。
そこで今回は、「人たらし力」を養うための、スグに実践したくなる4つの心理効果をご紹介します。
「人たらし」という究極の処世術
みなさんはこれまで周囲と良好な関係を築くために、気を配ったり、失礼のないように振舞ったりしてきたのではないでしょうか。いわゆる処世術として社会にでたら必要不可欠な能力ですよね。でもそれだけでは誰からも愛されるような「人たらし」にはなれません。では何が必要なのか?
ここでみなさんもよく知る「人たらし」著名人をご紹介します。毒舌キャラで、現在レギュラー番組15本をもつ芸人、有吉弘行さん。不遇の時代を経て、今ではテレビで見ない日はほとんどないほどの人気を誇る有吉さんは、関係者をして「人たらし」と言わしめるほどの処世術を持つそうです。あれだけ毒を吐いても嫌われない理由は、彼が超一流の「人たらし術」をマスターしているからだそうです。
彼の「人たらし力」を表すこんなエピソードがあります。 再ブレークする前、よく上島竜兵さん(ダチョウ倶楽部)に、帰りのタクシー代をせびっていました。あるとき、竜兵さんがタクシー代3000円をあげようとしたら、財布に1万円札しかなかったので、仕方なく竜兵さんが両替をして、有吉に3000円渡したら、お礼を言うどころか 「セコい野郎だな」と言って、お札を乱暴に引ったくったそうです。 失礼千万どころか人間として信じられない話ですが、実はこれこそ、有吉流人たらしの真骨頂なんだとか。普通はやらないことをあえてすることで、自分より上の人に「こいつ、可愛いヤツだな」と思わせるテクニックだそうです。言われてみれば、ここまで無礼なことをされると、もはや笑うしかない。逆に目上の人間と形式的なつき合いしかできない人間は、あまり可愛がられません。むろん、誰にでも同じ手を使うわけではないそうですが。
そんな有吉さんは、自身の著書で「危険をおかさないと、その人の心に入り込めないときがある」と述べており、一か八かの覚悟でつき合わないと、本当の意味で信頼は勝ち取れないと考えているそうなのです。
また一方で、毒を吐いた共演者を裏でフォローをしたり、上述した上島さんとも、定期的にサシで飲みに行き、灰皿を取り替えたり、食事を取り分けるなど、先輩に対する礼を尽くすそうです。
この「攻めの人付き合い」と「きめ細かなフォロー」こそ、「人たらし」と言われる由縁かもしれませんね。
「人たらし力」を高める4つの心理効果
そうは言っても、いきなり有吉さんのような人付き合いを実践することは難しいですよね。そこで、ここでは「人たらし力」を高める4つの心理効果をご紹介します。
1.ハロー効果
最初に出会った時の印象が相手の気持ちを左右するということです。つまり「第一印象」のことです。まずは見た目の重要性を心得ましょう。人に会うときには身だしなみも小ざっぱりと、良い印象を持たれるように気を配りましょう。こちらから微笑みながら挨拶をすることも大切。好意を持っていることがしっかりと伝わることが肝要です。
2.単純接触効果
これは疎遠な人よりも身近にいて、たびたび会う人の方が好意を持ちやすいという効果です。直接会う機会を増やすことが大切ですが、遠くに離れていても、LINEでメッセージを交わすだけでも効果はあるそうです。間接的にでも常に存在を印象付けることで好印象に繋がります。
3.ミラーリング効果
相手と向き合っているときには相手のしぐさを真似ましょう。ちょうど鏡に映っているように見えることから「ミラーリング」と言います。自分と同じ行動をとる相手に対しては、好意や尊敬の念を持っていると捉えられ、親密感が増すのです。相手が足を組んだら、一呼吸遅れて足を組むなどそれとなく真似することでも効果があります。ただし不自然に真似すると帰って相手に不快感を与えてしまいかねないので注意しましょう。
4.アンダードック効果
人は不利な状況にある人や、同情すべき立場の人を、守ってやりたいという感情が湧き、手を差し伸べようとする心理が働くと言われています。片言の日本語で困っている外国人を助けたくなるのはまさしくこのためです。初対面の人に弱みを見せられないと、なかなか打ち解けられません。自己紹介の時など、ちょっとした失敗話を織り込むと、親近感が増すものです。 以上4つを意識的に実践することで「人たらし力」の養ってみてはいかがですか。
***
いかがでしたか? 今やコミュニケーション能力を持つことは当たり前の時代になってきました。 そのなかでも「人たらし」と言われる人たちは、小手先の処世術ではなく、相手を感嘆させるほどのアイデアとエネルギーを使って人に好かれているのです。みなさんも社交性やコミュニケーション能力という枠を超えて、誰からも愛される「人たらし力」を身につけてはみてはいかがでしょうか。
参考文献 心理の時間ですよ|人たらしと言われてみませんか? 好意の返報性の5つの活用法