後輩ができたけれどどうやって褒めたらいいのか分からない、チームワークを良くしたいが恥ずかしくて褒められない、といった悩みを抱えてはいませんか? ビジネスにおいては、指摘し合いながらお互いを高めていくことも重要です。しかしそれと同様に、「褒める」ことも必要不可欠。

褒める力が身につけられれば、チームのモチベーションも向上できますし、将来後輩や部下ができてもしっかりと育てられるようになるでしょう。そこで今回は、褒める力を伸ばすためのコツや方法をご紹介します。

してはいけない、2つの褒め方

良い褒め方を学ぶために、まずはダメな褒め方を確認しましょう。例えば、次のようなものです。

A「〇〇くん、業績が右肩上がりで素晴らしいな!これからも期待しているから、頑張ってくれよ」

B「この前のプレゼンとてもよかったよ。本当に素晴らしい才能を持っているね君は。」

もしかすると、「良いのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実はどちらも褒め方としては有効とは言えません。スタンフォード大学の心理学教授であり、人間の達成動機や人間関係などに関する分野で大きな成果を上げているキャロル・S・ドゥエック氏は、自身の研究の中で「ダメな褒め方」について言及しています。そこで述べられている、ダメな褒め方の特徴が以下の2点です。

(1)成果を強調している
(2)才能を強調している

(1)は、先ほどのAに当たります。成果に対して期待をするということは、裏を返せば「成果が上がらない奴には期待しない」と取られかねないということ。その結果、相手が成果ばかり求めるようになってしまい、本質的な成長はできなくなってしまうおそれがあります。

(2)は、Bに当たります。才能だけを褒めてしまっては相手はさらなる努力をするには至りませんし、「どうやって努力せずに結果を出すか」に拘ってしまう可能性もあります。

よく考えてみれば、どちらも効果の高い褒め方でないことは分かるはずです。しかしビジネスにおいては、こういった褒め方をついついやってしまうという方も多いのではないでしょうか。相手を褒める際には、これらのような落とし穴に注意しましょう。

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良い褒め方の3つのポイント

褒める際の注意点が分かったところで、次に人を褒める時に意識すべきことを3つ挙げていきたいと思います。

(1)努力を褒める
ドゥエック氏は、良い褒め方の要素として「努力を褒める」というものを挙げています。努力を期待することで、相手に「積極的に努力をしよう」という意識を身につけさせることができ、大きく成長する下地が作れるというのです。

最近TV出演などで話題の脳科学評論家、澤口俊之氏もこの「努力を褒める」という方法を支持しており、どんな状況でもモチベーションを維持できる「やる気の回路」を育てるための有効なやり方だとしています。努力を褒めること自体は、それほど難しくはないはずです。褒めるのが苦手な人は、まずはここから始めてみましょう。

(2)相手の目線で考える
皆さんは人を褒める時、相手の思っていることを意識しているでしょうか。もし意識していないと「自分は褒めたつもりだったが、部下は褒められたと思っていなかった」なんてことになりかねません。その人が「どこを褒められたいのか、何を頑張ったのか」をしっかりと意識して褒めるようにしましょう。そうすれば相手のモチベーションもぐっと上がり、あなたへのイメージも良いものとなっていくでしょう。

(3)「Iメッセージ」で褒める
Iメッセージという言葉を聞いたことはありますか? これは、主語を私(I)にした褒め言葉や感謝の言葉などのことをいいます。例えば、Iメッセージで褒めると以下のようになります。

「君の頑張りを見ていると、私も励みになるよ。」
「君のこの前のプレゼン、とても良かったと僕は思うよ。」

このように主語を「I」にすることで、受け取り手はこの言葉を「あくまで話し手の意見」として聞くことが出来、素直に受け止められやすいのです。また、同時に相手に対して「私はあなたのことをちゃんと見ているよ」という承認のメッセージを送ることもできます。

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褒める力を伸ばす練習法

最後に、褒める力を伸ばすための方法について見ていきましょう。やるべきことは、「インプット」と「アウトプット」の練習です。

1. インプット
先ほど良い褒め方がどんなものかを見ましたが、いざ褒めるとなると言葉が出てこない人もいると思います。そこでまずは、他の人がどのようにして褒めているのかを聞き、良いと思ったものを盗みましょう。

たまたまどこかから聞こえてきた「努力した甲斐があったね。これからも頑張って。」という言葉が良いと思えば盗めばよいですし、はたまた同僚に「いつもどんな風に部下のこと褒めてる?」と尋ねてみてもいいかもしれません。このようにして褒め方を「インプット」し、レパートリーを増やしていきましょう。

2. アウトプット
褒め方の引き出しを増やすことが出来たら、次は「アウトプット」の練習です。ここではとにかく、誰でもいいのでたくさん褒めてみましょう。

例えば自分に対する褒め言葉を考えたり、実際に身近な人を褒めてみるのもいいでしょう。街中で見かけた見知らぬ人を心の中で褒めるのもよい練習になると思います。こうして、先ほど「インプット」したレパートリーを「アウトプット」しやすくすることで、いざ褒める時にスッと言葉が出てくるようになるのです。

***
正しく褒める力は、褒める側にも褒められる側にも良い影響をもたらしてくれる、win-winな素晴らしい力です。これはおそらくビジネスシーンだけでなく、私生活でも大きなパワーを発揮してくれるでしょう。ぜひこの機会に、身に付けてみてはいかがですか?

(参考)
HUFF POST CAREER|良い褒め方と、ダメな褒め方
THE21 ONLINE|脳科学から見えてきた!やる気を高める4つの方法
Direct Communication|褒める力を伸ばして仕事も楽しく!⑤