質問こそが成功の鍵。長者番付世界一の男に学ぶ、質問力のたいせつさ。

Portraits of people thinking

説明を聞けばわかるけど、いざ自分で解いてみるとどうもできない……。 そんな経験をしたことがある人はいませんか。 それって、もしかしたら、わからないところがあるのを見落としてしまっているのかもしれません。 見落とし箇所を気づくためには、何が必要なのでしょうか。

badge_columns_1001711わかっていてもできなければ意味がない

陽明学の祖である王陽明は、知行合一という命題を唱えました。知行合一とは、

知識と行為は一体であるということ。本当の知は実践を伴わなければならないということ。

[引用元:goo辞書|知行合一] かの勝海舟もこの知行合一ということに関して、次のような言葉を残しています。

よし知っていても行わないのだから、やはり知らないのも同じことだ。何事でもすべて知行合一でなければいけないよ。(勝海舟「氷川清話」明治30年頃談・角川文庫)

[引用元:ビジネスマン育成塾|「大学」・勝海舟に学ぶ! 言われていることは理解できる。でも、いざやろうとするとできない……。それでは、理解できていると言えないのかもしれません。では、知行合一を実践するにはどうすればいいのでしょうか。

badge_columns_1001711謙虚さを大事にして、質問力を身に着ける

聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥、とはよく言ったもの。 そもそも、わかっているのにできない時は、実際はどこかしらがわかっていないということがしばしばです。そこで必要になってくるのが、誰かに尋ねる力です。 世界的アパレルメーカーZARAの創業者のアマンシオ・オルテガ氏は、そうした質問力に非常に長けた人物です。 オルテガ氏は、10月23日の世界長者番付では一瞬ではありながらも、マイクロソフトのビル・ゲイツ氏を抜くほどの成功した実業家。しかし、そんな彼の性格を語るのに誰もが欠かさないキーワードが、「謙虚さ」です。 ほとんど公の場でインタビューに応じることのないオルテガ氏が数少ないインタビューで最初に口にしたのが、

「私の会社と私のことを書くのに、会社は私がつくったとは書かないで下さい。会社には80,000人が働いていて、彼らも会社に貢献しているのですから」

[引用元:HARBOR BUSINESS Online|ZARA創業者アマンシオ・オルテガが持っていた、学歴よりも大切な「2つの能力」]であったということからも、オルテガ氏の人柄は伝わるのではないでしょうか。 そのインタビューで記者の人が驚いたのが、オルテガ氏へのインタビューだったにも関わらず、最終的にはオルテガ氏が記者の人にした質問の数の方が多かったということでした。 それには、日本有数の振り付け師、夏まゆみさんが「エースと呼ばれる人は何をしているのか」で指摘している、『一流の人ほど、慢心せず謙虚で、厳しい指摘も受け入れていく』ということと通じるものがあります。 自分はわかっているはずなのに、と思っている時、そこには「知らないことを認めたくない」という悪いプライドがあるのかもしれません。 わからないことを恥じずに、謙虚さを持って、なんでも聞いてみることが必要なのではないでしょうか。

Young woman in London with tea and smart phone

badge_columns_1001711質問すべきことの見極め方―そもそも、何が問題か?―

なんとなくわかっている気はするけど、やっぱりわからないから質問はしたい。したいけれど、そもそも自分が何がわからないのかがわからない……。そんな人もいるかもしれません。 わからないことを質問するというのは実は難しい行為で、そもそも全部がよくわからないという時には、何を質問したらいいかがそもそもわからないものですよね。 そこでぜひ試してほしいのが、、森見登美彦さんの小説『ペンギンハイウェイ』の中に登場する、”父さんの三か条”です。

”問題を分けて小さくすること。見る角度を変えること。似ている問題を探すこと”

[引用元:森見登美彦『ペンギンハイウェイ』] この三か条を説明しながら、お父さんは言います。

「これは一番大事なことだが、一番むずかしいことでもある。算数の問題であれば、問題は目の前に書かれている。しかし実際には、問題は何か、ということがそもそも分からない。停電であることを知らずに、間違ってスイッチばかりしらべてしまうようなことがあるよ」

[引用元:同上] たしかにそうですよね。自分がわからない原因がそもそもわからないから、まったく見当違いのアプローチをしてしまって、やはりわからないまま、というのが、現実で私達が陥ってしまいがちな間違いです。そこで、「わかっているつもりだけど、わかっていない」問題に対しては、自分が前提と思っていることをひとまず置いておいて、問題自体を見つめなおしてみましょう。その時に、”父さんの三か条”を使ってみるんです。特に、似ている問題を探すことは、忘れがちでいて重要なこと。これらの三か条を忘れずあてはめて検討していくうちに、自分がひっかかっていた箇所がわかって、質問すべきことがわかるようになるはずです。

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いかがでしたか。 質問することを恥ずかしいことと思わないこと、質問すべき自分のわからないところをあぶりだすことが、知行合一実践への第一歩です。 どんどん質問して、「わかっているからできる」と胸を張れるようになりたいですね。

引用・参考サイト goo辞書|知行合一 ビジネスマン育成塾|「大学」・勝海舟に学ぶ! HARBOR BUSINESS Online|ZARA創業者アマンシオ・オルテガが持っていた、学歴よりも大切な「2つの能力」 東洋経済オンライン|ZARA創業者が世界長者番付トップになった!ビル・ゲイツ氏を一時的に抜き去る 引用・参考文献 森見登美彦|2010|角川書店|ペンギン・ハイウェイ 夏まゆみ|2014|サンマーク出版|エースと呼ばれる人は何をしているのか


京都大学文学部所属。長野県立松本深志高校卒業。ぱんだとししまいがとても好き。在学中は京都でしか見られないししまいを見てまわりたい。

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