あなたは、自分の仕事がちゃんと評価されていると思いますか?
社会人を対象に行われたある調査では、自分は会社から正当な評価を受けていると思うかという問いに対し、約44%もの人がいいえと答え、自分の評価に対して不満を持っていることが明らかになりました。
「なぜ評価してもらえないんだ!」「上司はちゃんと仕事を見てくれていない!」と思っている方、ちょっと待ってください。そう思う以前に、上司に対する自己アピール、ちゃんとやっていますか?
部下の仕事ぶりを把握し適切に評価するのが上司の務め。とはいえ、上司は多くの部下を率いているうえ、たくさんの仕事を抱えていますので、部下の仕事を完璧に把握することができないこともあります。部下が自己アピールすることは、上司からの評価を得るために必要なことなのです。
正しい自己アピールのやり方を学べば、より適正な評価を得ることができるようになります。今回は、プラスの評価につながる自己アピールの仕方について、考えてみましょう。
“かまってちゃん”になろう
自分を見てくれないと気が済まない。そんな人を揶揄して“かまってちゃん”と呼ぶことがあります。嫌われるタイプと考えられがちな“かまってちゃん”ですが、仕事の場においてはデメリットばかりではありません。
なぜなら、部下が上司に歩みよることで、上司からも歩み寄ってもらうことができるから。部下が適度に“かまってちゃん”ぶりを発揮して、上司に好意的に感じてもらうことができれば、面倒を見てもらいやすくなり、仕事内容についてより細かく把握してもらうことができるようになります。そうすれば、より適正な評価を得ることにもつながるのです。
部下に頼られて嫌な気持ちになる上司はいないはず。部下に口出しをしておせっかいに思われるのを恐れたり、部下を飲みに誘うのすらためらったりする上司もいると聞きますから、部下から歩み寄れば、上司だってその部下をすすんで気に掛けるようになるでしょう。
ぜひ、仕事の場では“かまってちゃん”になって、自分の仕事ぶりをアピールできる場を作り出しましょう。
ポイント① 自己評価は高くつけるべし
仕事の成果をアピールするための場として、定期的に成果報告の面談を行っている会社は多いと思います。ここでよく用いられるのが、「自己評価」というシステム。その期間の自分の仕事ぶりを自分なりに評価し、そこに上司や人事が評価を加味して、最終評価を行うというわけです。
この自己評価では、自分が思っているよりも1つ高い評価を付けることをお勧めします。
というのも、自己評価の内容に応じて、最終的に上司から受ける評価が変わってくるためです。自己評価を5段階中3につけた人は最終評価が2~4に、4の人は3~5にに収まりやすくなる傾向があるという調査結果があるのだそう。
脳は何かに評価を下すとき、すでにある評価や別の人の評価に影響されやすいもの。人から勧められた映画を面白く感じやすいのもその一例です。ゆえに、自分を過小評価しすぎると、上司もそれに影響されて低い評価を付けてしまうのです。
成果に対して高すぎる評価はマイナス印象ですが、一つくらいならば逆に高評価を得やすくなります。自信のある仕事であれば、堂々と5をつけて提出しましょう。
ポイント② 仕事の成果はシンプルに発表しよう
報告会などで仕事の成果を発表するときに、大きな成果と小さな成果をごちゃまぜにしてしまう人はいませんか。
例えば、Bという目標を達成するためにAという成果をあげたのに、それらを並列で報告してしまうというようなことです。成果の数は多い方がいい、という心理からやってしまいがちかと思いますが、これは逆効果。
こうしたやり方では、「こいつは何が重要な成果なのかわかって仕事をしているのか?」といった印象を与えてしまいます。また、本来強調するべきBというメインの成果を報告するために充てられる時間も自ずと減ってしまうため、全体的に印象が薄くなってしまいます。
成果発表で重要なのは、量より質。大きな成果に絞って報告するように心がけましょう。
ポイント③ 報告資料は分厚く作ろう
発表の場ではシンプルにと述べましたが、報告書には全ての仕事を盛り込んで、分厚い資料にすると良いようです。
「こんな些細な仕事、いつもやってる当たり前の仕事だし書くまでもない」と思うかもしれません。確かに直属の上司なら把握してくれているでしょうが、評価を下すのは上司だけとは限りませんよね。
人事部の人は、あなたが普段こなしている業務について、詳細に知っているわけではありません。自分の全ての業務を知った上で評価してもらうためにも、書面はなるべく具体的なものにしましょう。「○○という業務をこの3カ月間で××件処理。1日当たり平均△△件で、前期比■%増」というように、数値で表すと、誰がみても分かりやすくなるのでおすすめです。
いかがでしょうか? ちょっとアピールの仕方に気を遣うだけで、評価のされ方は変わってくるものです。仕事が正当に評価されていないと感じる方は、ぜひ試してみてくださいね。
(参考) 日経Bizアカデミー|人事面談では上司に成果を強くアピールするべきか(上) リクナビNEXT|仕事の“やり損”を回避せよ!世渡り上手な自己PR術 仕事のプレゼンテーションがぐいぐい上達する方法|わかりやすい成果のアピール方法