仕事で必要な「技能」を習得するためのテクニックには様々なものがあります。書店で探せば技能習得のメソッドについて書かれた書籍は山のように見つかりますし、インターネットで検索してもまた同じ。どのテクニックが自分に合っていて効率的に技能習得できるのか、よくわからず迷ってしまいますよね。

しかし、技能習得に関する数多くの情報の中でも、共通して説かれているものがあります。それは「まねる」こと。能力開発の第一人者としても知られるアメリカのセミナー講師 ヴィック・ジョンソン氏も、自身の著書の中で以下のように述べています。

成功への最短距離は、自分がしたいことをすでにして結果を出している人を見つけることだ。そして、その人が結果を出すためにしたことを研究すればいいのである。

(引用元:ヴィック・ジョンソン 著, 弓場隆 訳 (2017),『一流の人に学ぶ 「思考を現実」にする方法』, かんき出版.)

そこで今回は、まねることの実践方法をご紹介します。仕事だけでなく勉強にも役立てられるので、とても重宝するテクニックですよ。

まねることの効果

なぜ技能を上達させることができないのか。その理由を端的に表せば、うまい人のやり方と自分のやり方との間にギャップがあるからです。

例えばプレゼンテーションにおいて、内容そのものは確かに秀逸であるにもかかわらず聴衆の反応が良くなかったとき。それは自分のプレゼンのどこかが、一流のプレゼンテーターのプレゼンと異なっています。話すときの抑揚のつけ方、声音トーン、身振り手振りなど様々な要素が考えられますが、どこかが違うせいで良い評価が得られないのです。

逆に言えば、そのギャップを埋めることができさえすれば、私たちもうまい人になれるはず。例えば「身振り手振りが違うな」と感じたら、そこを少しまねしてみる。すると、今までよりも良い反応が得られることに気づくでしょう。

では、この「まねる」ことは、具体的にどのような手順で行なえばよいのでしょうか。

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1. 一流を観察する

習得したい技能を明確にしたうえで、まずは一流を観察することから始めましょう。

例えばプレゼンがうまくなりたい場合。YouTubeやTEDなどを探せば、一流のプレゼンを自宅にいながら聴講することができます。同じ人の異なるプレゼンを見たり、多岐に渡る人のプレゼンを見たりしながら、一流に共通している要素を洗い出してみましょう。「はきはきして聞き取りやすい声」「簡潔でビジュアルに訴えるスライド」「重要なキーワードを述べるときの声」などですね。それがまねするべきポイントになります。

あるいは勉強の場合でしたら、勉強法の書籍に書いてある方法論に目を通したり、勉強が得意な友人の勉強法を知ったりすることが「観察」にあたります。特に、友人の勉強法を観察したことのある人は少ないのではないでしょうか。自分と同じ資格試験や目標に向けて勉強している友人に話を聞くことで、「〇〇という参考書は非常にわかりやすい」「良い勉強サークルがある」などの有益な情報が手に入ることも少なくありません。

観察を通して一流の方法を知る。これが「まねる」の第一歩になります。

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2. 自分を客観視して改善ポイントを探す

一流の方法を知ったところで、次に知るべきは自分の改善ポイント。そのためには自分を客観視する必要があります。

例えばプレゼンだったら、自分で5分程度のプレゼンをしてみてビデオに撮ってみてはいかがでしょうか。今まで気づけなかった癖に気づくとともに、一流との差を感じることができるはず。これで今後の修正点が明確になります。この「ビデオに撮る」→「修正する」のサイクルを繰り返していくことで、自分のプレゼンが一流のプレゼンに近づいていきますよ。

勉強でもこれは同じです。科目ごとの勉強時間はもちろん、勉強する時間帯やスキマ時間の使い方、復習の仕方、ノートの使い方に至るまで、徹底的に自己分析をしてみましょう。そして一流の方法と比較することで、「暗記は夜寝る前にやったほうがいい」「スキマ時間をもっと有効活用したほうがいい」など、今後改善していくべきポイントが見つかってきます。

あとは実行あるのみです。

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簡単ながらも非常に強力な手段である「まねる」こと。「一流の観察」→「自己の客観視」という手順にのっとって、一流の方法をうまく取り入れてみてください。

(参考)
ヴィック・ジョンソン 著, 弓場隆 訳 (2017),『一流の人に学ぶ 「思考を現実」にする方法』, かんき出版.
石田淳 (2017),『図解 うまくなる技術 行動科学を使った自己成長の教科書』, サンクチュアリ出版.
池田貴将 (2017),『図解 モチベーション大百科』, サンクチュアリ出版.