“AI時代” を強く生き抜くために。「イノベーション」を生み出す4つの力。

「革新的なアイデアが出せるようになりたい」 皆さんはこのように考えたことがありませんか? 成功者の中には革新的なアイデアを次々に出せる人達がいます。彼らはどのようにして“イノベーティブな思考”を行っているのでしょうか。

今回は、成功者たちにならいつつ、イノベーティブに考えるために必要な力を見ていきたいと思います。

イノベーティブな思考の必要性

近年、AIの性能の向上はとどまるところを知りません。将棋やチェス、囲碁などにおける人間とAIとの戦いは既にAIに軍配が上がっていますし、近い将来には現在ある職業の内の50%がAIに取って代わられるだろうとの予測もあります。

このようにAIが浸透し始める中、グローバル市場向けブランディング会社btraxのCEOであり、経済産業省やサンフランシスコ市政府にも勤めるBrandon氏は、人間がAIに負けないために身に付ける力として、次の3つを挙げています。

・クリエイティビティ ・リーダーシップ ・企業的スキル

新たな発想をし、人をまとめ、それを形にする。これら3つの力を合わせたものはまさに、イノベーティブな力だと言えますね。Brandon氏によれば、AIは0から1を生み出すような仕事をすることはできず、故に上の3つの力を要する仕事はAIに奪われることはないだろうとのこと。

確かに、ただ物を運んだり計算したりするような職業であればAIでも(ときにはAIの方が優秀に!)こなすことができるかもしれませんが、新たな物事を生み出すことは、演算処理によって動くAIには無理だといえるでしょう。とはいえ、働くAIロボットがもっと身近になる前に、ぜひともイノベーティブな力を身に付けたいものです。

次からはいよいよ、イノベーティブに考えるために必要な4つの力について述べていきたいと思います。

1. 観察力

1つ目は観察力です。革新的なアイデアの多くは、それまでの日常を観察することでヒントを得て、生み出されています。ただし、観察をするだけでは何も生まれません。キーワードは演繹(えんえき)帰納(きのう)です。

「演繹」とは一般論や経験から推論を行うことで、「帰納」とは具体例から一般論を導き出すこと。たとえば、「すべての人間は死すべきものである」「ソクラテスは人間である」という一般論や経験から「ゆえにソクラテスは死すべきものである」と推論することが演繹です。一方で、「A社は新製品が出ていない」「A社の従業員が多く辞めている」「A社から支払いの先延ばしがあった」という具体例から「A社は経営難に陥っている」と一般論を出すのは帰納になります。

この2つの方法を組み合わせて日常を論理的に観察することで、今まで気づくことができなかったルールや、イノベーションの可能性を見つけることができるでしょう。演繹と帰納を使い「観察結果を観察」して、新しいアイデアを見つけてくださいね。

2. 質問力

次は質問力です。これは「人に質問する」というよりもむしろ、現状や結果に「なぜ?」と問いかける力のことを指します。そして、ここでのキーワードは多角的観察カテゴライズです。

例えば、人気だった自社の商品が急に売れなくなってきたとします。この時、「消費者に飽きられたのだ」と考えることは簡単ですが、それだけでは得るものが何もありません。ここで多角的に原因を観察することができれば、「新規顧客層を取り込めていない」「商品の強みを十分に押し切れていない」などの課題を見つけるができます。

さらにこれを、経営資源や営業力、技術力などの「内的要因」、市場の成長性や競合他社の動向、顧客の消費動向などの「外的要因」というようにカテゴライズできれば、問題の核となる点が明確となり、イノベーションのヒントをさらに得ることができるでしょう。

より広い視野を持って多角的観察を行うことで可能性を押し広げ、カテゴライズによって論点を整理する。このように意識して考えていれば、「なぜ?」の力は自然と身に付くはずです。

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3. ネットワーク力

どれだけ優れたアイデアパーソンでも、人と繋がりがなければ何かを生産することは難しいですよね。イノベーションを起こすためには、人との強いネットワークを作り出す力も必要です。

キーワードはEdge(強み)Action(行動)。強いネットワークを作るためには、まず相手に興味を持ってもらわなければなりません。この時、自分の強みを理解し、相手にアピールできるかどうかが非常に大切です。これが出来れば、相手はあなたに強い印象を覚え、興味を示してくれるでしょう。

また、こちらから行動を起こすのも重要です。相手が動くのを待つのではなく自分から動くことで、しっかりとチャンスをものにしましょう。

4. 実験力

最後に挙げるのは実験力です。これは、現状を失うことを恐れずに「とりあえずやってみる」という力。最後のキーワード、それはTryScrap(壊す)です。物事を進める時、私たちはついついリスクばかり気にして腰が引けてしまうことが多いですよね。しかし、必要以上のリスクの検討は机上の空論と同じになってしまいます。思い切ってTryし、実験してみることが、時に思わぬ気付きやヒントを与えてくれるのです。

また、一度作り上げたものをScrapすることも実験力のひとつ。過去の経験を活かすことは重要ですが、過去にとらわれず物事を再構築することで、多くのイノベーションは成し遂げられているといえるでしょう。

*** イノベーティブな能力、それは現状を把握し、物事をより良くする能力です。そして同時に、社会人に必要とされているものでもあります。会社や社会に貢献するために、またAIに仕事を奪われないために、今回挙げた4つの力を意識してみてはいかがでしょうか。

(参考) クレイトン・クリステンセン著,櫻井祐子訳(2012),『イノベーションのDNA』, 翔泳社. ティナ・シーリグ著,高遠裕子訳(2015),『スタンフォード大学 夢をかなえる集中講義』, CCCメディアハウス. Magic Hour Blog|質問力 ~FACILITATION as a tool for INNOVATION~ @IT|「問題解決力」を高める思考スキル(3):論理展開の基礎は「演繹法」と「帰納法」 All About|ロジカルシンキング、知っておきたい3つの手法

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