印象は「第一印象」だけでは決まらない。好感度を少しずつ上げるための “戦略的な” 行動習慣

大切な取引先で初めてご挨拶するとき緊張しすぎて失敗してしまった……。 そんな経験、できればしたくないですよね。

「You never get a second chance to make a first impression.」 (第一印象を与え直す2回目のチャンスは決して訪れない) アメリカの諺にもあるほど第一印象がとても大事であるのは事実。でも本当に挽回のチャンスはないのでしょうか? 失敗は成功の元。諦めるのはまだ早いかもしれませんよ。

今回は、印象の作り方についてご紹介します。

第一印象だけではない「印象」

第一印象が大切だと言われることが多いですが、印象には「第一印象」の他に「第二印象」と「第三印象」があることをご存知ですか。それぞれの印象はどのように作られるのでしょう。

◇第一印象は見た目 第一印象は視覚から83%、聴覚から11%の影響を受けると言われています。つまり、見た目が大事。そして「第一印象は最初の3秒で決まる」とも言われますが、その一瞬を完璧にできる人は少ないはずです。挽回は可能ですから、失敗してしまったとしてもそれほど落ち込む必要はありません。

◇第二印象はコミュニケーション 第二印象では会話の内容や話し方が大きく影響します。第一印象で愛想悪く見えた人が、話してみると責任感が強く頼り甲斐ある人だと感じたとしたら、それは「実直」という好印象に一転します。「見た目よりも中身」はやはり強みです。

◇第三印象は行動習慣 しかし、中には人付き合いが苦手な人もいるはず。そこで最終的に重要となってくるのが第三印象。第一印象、第二印象が「点」だとすると、長期で決まる第三印象は「線」です。「締切り厳守」「失敗しても最善を尽くす」など、誠実な仕事ぶりを見せ続けることでその人の評価がより高まります

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好感度を上げるための印象作り

好感度アップには各ステップでの戦略的思考と行動が必要です。各印象ごとに、気をつけるべき点をご説明します。

<第一印象> 第一印象は見た目が第一です。また、他人はふとした瞬間に細かいところにも目がいくもの。面談や商談前には以下の項目を参考に、自己確認をルーティンにしてしまいましょう。

・スーツやネクタイはシンプルなデザインを。 ・服に汚れやシワはありませんか? ・靴はちゃんと磨かれてますか? ・髪や爪は清潔に整えられてますか?肌は荒れてませんか? ・清潔なハンカチは持っていますか?

そして、会話は相手の目を見て笑顔を忘れずに。印象は顔立ちではなく表情で決まるのです。これは米イリノイ大学、キム・ミューザー博士の研究でも証明済みです。

<第二印象> 第二印象はコミュニケーションが重要。第一印象が悪ければ悪いほど第二印象での評価はよりアップするという「ゲインロス効果」で“逆境”をチャンスに変えてしまいましょう。

1. 膝はまっすぐ相手に向ける 動物行動学者のデズモンド・モリスによると、本心が一番現れやすい体の箇所は「脚」だそうです。脳から一番遠いからこそ本心が出てしまうのだとか。そのため、相手の話を聞くときは上半身ごと両膝をしっかり相手に向けること。そうすれば相手の話に興味を持っていることが伝わります。

2. 「しくじり効果」弱さを共有する 相手が話しやすい環境を作るために、自分の弱みをまず見せることも効果的です。失敗談や自分の欠点の話などを話してみましょう。それが特に初対面の時ならインパクト大ですし、弱さを見せてくれた安心感と親近感を相手は抱いてくれます。

3. 「ピークエンドの法則」最後が肝心 心理学では有名な「別れ際の印象がずっと残る」というもの。つまり、挨拶は最初より最後が大事。最初がダメだったとしても、最後は丁寧に応対して良い印象を残して去りましょう

<第三印象> 長期的に形成される第三印象はごまかしがききません。常日頃からの真摯な行動習慣が大事になるのです。

1. 「単純接触効果」を狙う 「繰り返し接するとそれだけで好感度は上がる」という効果のこと。例えば、取引先には頻繁に顔を出しましょう。どんな印象を相手に持たれていたとしても、会う回数を重ねれば重ねるほど相手は自然とあなたに親近感を持つようになります

2. テーブルにスマホを置かない 「“面談中にテーブルにスマホを置く”という行為は“他から連絡が来たらあなたよりそちらを優先します”という意味に取られかねず印象が悪い」と、心理学者の内藤誼人氏は言います。緊急の連絡が来る予定の時は一言断りを入れておくと、誠実な印象を与えられるでしょう。

3. 「報告」「連絡」「相談」を的確に 正しいステップで仕事を進められれば相手との信頼関係もさらに強まります。その際重要なのが伝える順番。悪い話と良い話の両方を報告しなければいけないとしたら、あなたはどちらを先に話しますか?

カリフォルニア州立大学のアンジェラ・レッグ氏の研究によると、話す側で悪い方を後回しにしたい人が約70%なのに対して、聞く側は悪い方を先に教えて欲しい人が75%を超えていたそう。いくつか伝えたいことがある場合は「サンドイッチ・アプローチ」が有効です。これは良いことの合間に言いづらいことを挟んで伝えることで相手の気分を損ねずにすむという手法話しづらいことほど後回しにせず率直に話す方が良さそうです

4. 「口コミ効果」は後からついて来る 「人から伝わる情報の方が信憑性が高く思え、信じやすい」と言うのが、ウィンザー効果。"口コミ"はまさにこれを活用したものです。「外堀を埋める」という表現がありますが、気に入られたい人がいたら、その周りの人と親しくなりいい印象を与えておくというのも一案です。いい噂がその人達の口から相手に伝われば「ウィンザー効果」大成功。もちろん、真面目な日頃の行動結果として他人に評価されることが大事です。そうすれば「上司が褒めていたよ」「ああ見えて彼女は有能なのよ」など、自ずとウィンザー効果があなたの味方になってくれるでしょう。

ここでついたイメージ(評価)はその後なかなか変わりません。そのため、人の印象を決定づけるのに一番重要なのは第三印象なのです

*** 人間の脳には「可塑性」という特性があり、印象は柔軟に変化し続けます。継続は力なり。人脈作りしても、いい関係を続けなければ意味がありません。さらに一歩進んで印象を人脈の維持に生かして成功を掴みましょう。

(参考) Yahoo!ニュース|「第一印象」「第二印象」「第三印象」のどれを良くすることで、人間関係を円滑にできるか? NIKKEI STYLE |職場の知恵 第一印象で失敗しても挽回可能 「第二印象」で相手の心をつかむ マイナビ ウーマン |「ウィンザー効果」でさまざまな場面で使える!?テク「第三者からの”褒め言葉”はうれしい」 ANA 人材派遣・転職支援サイト |好印象を与える第一印象のポイント ビジネス心理学 |ザイオンス効果(単純接触効果)とは 内藤誼人著(2017), 『第二印象で取り戻せ 「挽回」の心理学』, 毎日新聞出版. 西松眞子著(2010), 『第二印象で好かれる技術』, 講談社.

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