緊張感を味方につける! ストレスマネジメント、3つの基本技術

プレゼンの大一番。入社試験の最終面接。入試本番。

このような一発勝負の場面では、誰でも当たり前のように緊張するものです。そんな時、うまくいくか、いかないかを心配し始めるときりがありません。ある程度の心配はあってしかるべきですが、度が過ぎたストレスは、パフォーマンスにネガティブな影響をもたらします。皆さんの中にも、スポーツや発表の本番の際に緊張のあまり手や体が震え、本来の実力が全く発揮できなかった、という経験がある人がいることでしょう。

しかし心理学的には、適度なストレスはパフォーマンスを高めることが証明されています。例えば、スポーツの世界ではよく語られる「ゾーン」という状態。これは、緊張感とリラックス状態とがバランスよく両立し、極度の集中状態によって信じられないようなパフォーマンスが発揮される状態です。(ゾーンについてはこちらの記事で詳しく紹介しています:STUDY HAKCER|スティーブ・ジョブズも行っていた。極度の集中状態『ゾーン』に入るための3つの方法。

スポーツに限らずビジネスや勉強においても、ストレスをうまくコントロールすることができれば、パフォーマンスを高めることは可能です。今回の記事では、大事な勝負時に役立つ、緊張に強くなるストレスマネジメント方法を紹介していきたいと思います。

体の一部に思い切り力を入れ、それを一気に緩める

まず紹介するのは、自律訓練法と呼ばれる心理療法。「体の一部に思い切り力を入れ、それを一気に緩める」という方法です。自律神経をコントロールすることによって、精神の状態を安定させます。

やり方は非常にシンプル。息を吸いながら思いっきり両手を握りしめて、息を吐くのと同時に一気に緩めてください。どうですか? 気持ちがリラックスするのを感じませんか。

この方法を取るとなぜ気持ちが落ち着くのか、その仕組みについて説明しましょう。

体内には、体の働きをコントロールする自律神経という神経があり、興奮状態で働く交感神経と、リラックス状態のときに働く副交感神経の2種類があります。緊張して不安を感じたり焦ったりしたときに盛んに働いてストレスホルモンの分泌などを行うのは、交感神経です。このとき副交感神経とのバランスが崩れるため、心と体は不調をきたしてしまいます。そのような緊張時に自律訓練法を実践すると、副交感神経が優位な状態を作り出し、精神の状態をコントロールすることができるのです。

説明がややこしくなりましたが、とても簡単にできる方法なので、プレゼンや大事な試験の本番直前などに積極的に使ってみてください。

目をつむって、回数を数えながら深く腹式呼吸をする

次に紹介するのは、Googleなどの企業が研修で行っていることから日本でも有名になった、マインドフルネス瞑想。やり方を簡単に言うと、目をつむり、ゆっくりと深く呼吸をし、その回数を数えるというものです。呼吸に意識を集中させることで、心がリラックスし、ストレスが軽減されるという効果があります。趣旨としては、先に紹介した自律訓練法と少し似ていますね。

(マインドフルネス瞑想の詳しい方法や効果については、こちらの記事も参考にしてください:STUDY HACKER|心の筋トレ “マインドフルネス”  GoogleやAppleが取り入れる、静かな心の作り方

この方法が特に効果的となるのは、もやもやとした気持ちが頭から離れなかったり、気になることがあって夜なかなか寝付けなかったりするときなどです。

筆者自身、なかなか寝付けないときにこの瞑想を行っていました。20分もすると、不思議なことに不安やもやもやした気持ちが頭から消え去り、リフレッシュした気持ちで眠ることができますよ。

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不安なことや、嫌なことをひたすら紙に書きまくる

最後に紹介するのは、ストレスを紙に書きつける方法です。嫌なことや、不安を感じていることがあるときは、ひたすらそれを紙に書き出してみてください。このように、心のもやもやを紙に書き出すことを「ジャーナリング」と言います。

ストレス状態と書くことの関連性について行われた研究によると、ストレスを感じていることについて紙に書くことで、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールが減少することが確認されたのだそう。それによって免疫力向上や内臓機能の改善なども期待でき、心の健康にとどまらず、身体的な健康を取り戻すことができるのだといいます。

また、ジャーナリングには仕事や勉強のパフォーマンスを向上させる効果もあります。ジャーナリングによって嫌な気持ちを書き記した被験者は、学業成績が上がったり、仕事を休まなくてはならない回数が減ったり、仕事の能率が向上したりするなど、勉強や仕事へ良い影響があったことが確認されたのです。

ジャーナリングでは、書くことによって自分の考えを整理し、気持ちを落ち着かせ、冷静さを取り戻して自分を客観視することを目的としてます。嫌な物事の根本を直視するという、一見ストレスのかかりそうなことが、意外なほどにストレスを解消させる効果を持っているのですね。

ジャーナリングについては、こちらの記事でも詳しく紹介していますので参考にしてください。:STUDY HACKER|嫌なことを書きまくれ! 『ジャーナリング』でストレスから解放されよう

*** 非常にストレスがかかる場面でも、不安や緊張は、自分自身でコントロールすることが可能です。ストレスをうまく制御して大一番を乗り越えられれば、成長した自分に会うことができることと思います。がんばってください。

(参考) Well Link|自律訓練法をやってみよう 高妻容一著(2008),『基礎から学ぶ!メンタルトレーニング』,ベースボールマガジン社. 吉田昌生著(2015),『~1日10分で自分を浄化する方法~マインドフルネス瞑想入門』,WAVE出版. STUDY HAKCER|スティーブ・ジョブズも行っていた。極度の集中状態『ゾーン』に入るための3つの方法。 STUDY HACKER|心の筋トレ “マインドフルネス”  GoogleやAppleが取り入れる、静かな心の作り方 STUDY HACKER|嫌なことを書きまくれ! 『ジャーナリング』でストレスから解放されよう 

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