違和感は見直しのサイン。根拠がない「なんか違う」を大切にすると、隠れた才能を発揮できる。

みなさんは日々の生活の中で、何かに違和感を持った瞬間がありますか。

例えば仕事において、ある企業と新たな取引の可能性について交渉を行っている時に、相手が話す内容はとても興味深いけれど、なぜかその企業とは取引をしない方が良いような気がすると感じたことはあるでしょうか。

また、学校での進路選択時、「なんとなく文系コースは違うな」であるとか「○○学部は向いていないような気がする」などと、根拠のない違和感を覚えたことがある人もいるかもしれませんね。

「原因や理由はよく分からないけれど何か違う」といった感覚が起こる瞬間は、誰もが一度は経験したことのあるものだと思います。そのような感覚をもった時、その違和感は「何となく」であるがゆえに、特に何の対応もしないまま放っておいてしまいがちになるでしょう。しかし、その違和感は本来、無視するべきではありません。

「あの企業とは取引をしないほうが良いような気がしたのに、特段根拠がなかったので取引を進めたところ、やっぱりトラブルが起きた」であるとか「○○学部は違うと思ったのに、周囲が勧めるから良いような感じがして○○学部にしたら、案の定自分に合わなかった」といったように、違和感を無視してしまうと、あとで望まない結果を招いてしまうことも少なくないのです。

今回は、大事にするべき「違和感」についてお伝えしたいと思います。

違和感を軽視するべきでない理由

どこかおかしいと違和感を覚えた時、その感覚に根拠がなく、そう感じる自分に自信がもてない場合、その違和感を放置しておくことがあるかもしれません。違和感を放っておいた場合の実害がイメージしにくいので、つい軽視してしまいがちになるのです。

もしその違和感が自分の身体に関することであったなら、放っておくとケガや病気に繋がることもありますから、病院に行ったり薬を飲んだりするでしょう。それと同じで健康以外に関することでも、どこかおかしいと自分が感じたのなら、やはりきちんと注意を向けるべきなのです。

例えば、「理由はよく分からないけれど、今いる会社は自分に合わないような気がする」という違和感をそのままにしておくとどうなるでしょうか。退屈な、あるいは好きでない仕事に埋もれてしまい、気づいた時には、本当にやりたいことをやるには時期が遅すぎたという結果になってしまうかもしれませんよね。勉強になった、とその経験が前向きに自分の今後へと活かせるのであれば良いのですが、もっと早くに行動を見直していれば良い方に結果が変わっていたかもしれないと、くよくよ考えてしまうことの方がきっと多いはずです。

このように、違和感とは一度自分の状況について見直すべき機会だというサインなのです。違和感を放置することはやめましょう。

違和感があるときは、発想を変える

もし何かに違和感を覚えたら、その違和感を解消する方法について立ち止まって考えてみてください。

フランスのポスター画家であるレイモン・サビニャック氏の例がきっと参考になるでしょう。サビニャック氏はある時、毛糸を宣伝するポスターの依頼を受ました。そこで彼は、「女性が自分自身の姿を毛糸で編む」というデザインを思いついたそうです。しかし、頭から準備下に向かって編んでいき、最後に脚を編みきるというものを考えて絵にしてみたところなんとなく違和感を覚えたのだそう。そこで逆に、下から上に編んでいき最後に髪の毛を編むというデザインに変えたところ、違和感がなくなるどころか生命を感じさせる上昇的な構図になったのだと言います。

[caption id="attachment_37659" align="alignnone" width="242"]画像引用:http://sidoniehollard-tricoturbain.blogspot.jp/2013_02_01_archive.html 画像引用:http://sidoniehollard-tricoturbain.blogspot.jp/2013_02_01_archive.html[/caption]

 

このように、違和感を打ち消すような発想をしてみることや行動を起こすことが大切です。「この会社は自分にはあわない」と感じるなら、まずは業務内容の変更を申し出るだけでも違和感を解消できるかもしれません。サビニャク氏のように、これ以上はありえないという思えるような納得できる解に出会えるかもしれません。

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違和感への対処法

発想や行動を変える以外にも、違和感への対処の仕方はあります。それはシンプルなもので、違和感に素直に従う、ということです。

最初に例として挙げた仕事における交渉の場合には、すぐに取引を交わすのではなく一旦持ち帰ることで、本当にその相手が信用できるのかどうかについて考えることができるでしょう。

人が何かを考える時に、既知の情報をすべて使えているという訳ではありません。その時は思い出せなかった情報、言われてみれば当たり前だけれどなぜか気づかなかったロジック、あるいは目の前にあるのに見落としてしまった何かの兆候。人間は完璧でない以上、そういう、「一応、情報としては入ってきてはいるけれどなぜか使えていない」という潜在的な情報が、「なんとなく違うんだよなぁ」という感覚のもとになっています。その違和感の理由を明確な理屈で説明できないために、従うのは少し勇気が必要なことかもしれません。でも、それは自分では処理しきれていない情報を直観的、無意識的に感じ取り、いわばバックグラウンド的に処理しているということかもしれません。それに従うことによって、顕在化していない自分の視点を得ることができるということもあるでしょう。

*** もし違和感を持つような瞬間があったら、その時が自分の行動を変える良いチャンスとなるのではないでしょうか。みなさんも、ぜひ自分の「違和感」について見直してみてください。

(参考) nikkei BPnet|齊藤孝:今だからこそ、鍛えるべきは“ビジネス脳”より“ビジネス身体” nikkei BPnet|齊藤孝:違和感なくして成長なし、「ジャストフィット感覚」を目指せ 為末大・侍オフィシャルサイト|違和感とは何か 司法書士佐藤良基の公式ブログ【リョウキジ】|はじめに感じた違和感は必ずあとで正体を現す。

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