皆さんは、“嫉妬” という感情に悩んだことはありませんか?

久しぶりに会った友人の輝かしい近況報告を聞いて「羨ましいな」と僻んだり、SNSを覗いて「またリア充アピールかよ」とやっかんだり……。あるいは、仕事で同僚が活躍している姿を見て「すごいな」と思う一方、内心はどこか複雑な気持ちになったり……。筆者も、充実した毎日を楽しんでいた高校生の頃は気にならなかった他人の幸福が、大学に入った途端に妬ましくなってしまった経験があります。

自分に満足いかない点があるとどうしても他人を羨んでしまうものですが、自分と他人を比べて一喜一憂するのはとても不毛なことです。また、嫉妬の感情に支配されて、学業や仕事に支障が出てしまうのも考えものですよね。

そこで今回は、嫉妬心への対処法を「メタ認知」という観点からお伝えします

嫉妬のメカニズム

そもそも私たちは、なぜ嫉妬してしまうのでしょうか。

嫉妬の原因となるのは、じつは自分への制限や禁止です。もし自分の今の生活に完全に満足して幸福を感じていれば嫉妬することはありませんし、例えばブランド品を自慢している人がいたとしても、あなたがそのブランドに興味がなければ何も思わないはずです。

「何の努力もせずに周りから愛されるあの子に腹が立つ(私は努力しているのに……)」
「大きな企画を任された同僚が羨ましい(私だってやりたかったのに……)」
「いつもおしゃれなお店でディナーしている友人が妬ましい(私は我慢しているのに……)」
といったように、自分がしたくてもできないことを他人がしているときに、嫉妬という感情は生まれるのです。

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嫉妬でアルツハイマーに?

ただでさえ精神衛生上良くない嫉妬心ですが、嫉妬深い女性はアルツハイマー型認知症の発症リスクが高いという研究結果も出ています。

スウェーデン在住の800人の女性を対象に38年間にわたって追跡調査を行なったところ、「罪悪感を持ち、怒りや不安、嫉妬、不機嫌」などに陥りやすい神経症的傾向で内向的な女性が最もアルツハイマーの発症リスクが高く、なんと該当女性の4分の1が発症したのだそう。研究者によると、今回は女性が対象者でしたが、男性にも同じ傾向が当てはまるとのこと。

嫉妬を始めとしたストレス要因は、身体の健康にも良くないことがわかりますね。

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嫉妬を抑えるカギは「メタ認知」

では、どうしたら嫉妬心を抑えられるのでしょうか。筆者がおすすめしたいのは「メタ認知」という方法です。

メタ認知とは、簡単に言えば「自分の現状を俯瞰で見る」というもの。例えば、何か不愉快な出来事があったときに「私は今、この人のこの言動に苛立ちを感じている」といったように、自分が感じていることを客観的に認識できる人はメタ認知能力が高いと言えます。

嫉妬などのネガティブな気持ちなんて捨ててしまいたいところですが、ポジティブとネガティブの心理は切り離して考えることができないものなのだそう。ネガティブな感情をしっかりと自覚して受け入れることで、ネガティブ脳からポジティブ脳に切り替えやすくなりますよ。

メタ認知能力を高める方法

それではここからは、メタ認知能力を高める方法をご紹介していきましょう。

メタ認知の習慣づけに必要な行動のひとつが「モニタリング」。すなわち、自分の感情をチェックして評価するといったものです。嫉妬や苛立ちを感じたときは、「自分は何に反応してネガティブな感情を抱いたのだろう」とモニタリングする習慣をつけましょう。

例えば、毎日おしゃれなランチやディナーの写真をSNSにあげている友人に嫉妬したとき。「なぜ苛立ってしまったのだろう? → 自分は仕事が忙しくておしゃれなお店に行く暇なんてないのに、毎日楽しそうにしている友人の投稿が自慢のように見えて羨ましいからだ」といったようにモニタリングします。

こうしたモニタリングを繰り返すことで、「仕事の忙しさゆえに気持ちに余裕がなくなっている」「毎日楽しそうにしている人に対して嫉妬の感情を抱きがちだ」など、自分がネガティブな感情を抱く原因や対象の傾向を把握できます。すると「忙しくなくなったら自分も行けるはずだ」「楽しそうにしている人の投稿はそもそも見なければいいんだ」など解決策が思いつき、ストレスを軽減できますよ。

また、モニタリングの一環として、定期的に自分自身を振り返ることも必要です。他人の体面を気にせずに書ける日記や非公開設定のSNSアカウントなどを利用し、後から読み返せるものに自分の考えを定期的に記録していきましょう。「こういうときにこういうことを考えるのだな」と思考パターンを理解することで、よりメタ認知能力を高めることが可能です。

そして読書習慣も、メタ認知能力を高める効果があります。読書は映像作品と違って、状況や登場人物の心理を思い浮かべる想像力が必要です。また、多くの本は第三者の視点から書かれているため、物事を客観的に見つめる能力を自然と育てることになるのです。

ただそのためには、自分の好きな本を読む “趣味的読書” だけでなく、鍛えるための “鍛錬型読書” も大切です。教育学者であり明治大学教授の齋藤孝氏によれば、鍛錬型読書には太宰治や井上靖、ヘルマン・ヘッセなどが有効だそうですよ。

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“嫉妬” という感情は、抱いている自分にも嫌気がさしてしまうものです。マイナス感情を冷静に認知して、ストレスフリーな生活を送りましょう。まずはモニタリングと鍛錬型読書から始めてみてはいかがでしょうか?

(参考)
ウーマンエキサイト|あなたのポジティブは偽物かも!? 脳科学者・茂木健一郎が指南
All About|「メタ認知」の力を高めれば、ストレスに強くなる!
日経ウーマンオンライン|嫉妬のメカニズム~嫉妬との上手な付き合い方
wotopi|リア充にも優しくなれる「メタ認知」とは? 脳科学者と心理学者が教える、SNS疲れしない方法
ダイヤモンド・オンライン|嫉妬はわが身に仇をなす アルツハイマー発症リスクが上昇
ダイヤモンド・オンライン|みんなと同じ本を読んではいけない! 読書には「戦略」が必要だ