成功するためには何が必要だと思いますか。才能、それとも努力でしょうか。もちろん、それらも大切ですが、ほかにも必要なものがあります。それは「運」と「縁」です。とはいえ「運」を引き寄せる努力はできても、なかなか私たちの力が及ぶものでもありません。しかし「縁」ならば、工夫によって手に入れやすくできるのです。

そこで今回は、成功のため日々努力しているあなたに、「縁」の重要性と、効率よく良い縁を手に入れる方法をご紹介します。

成功は縁で決まる

一代でお好み焼きチェーン店「千房」を築きあげた中井政嗣さんはインタビューで、「一般に成功者と言われている人の共通項は2つあります。『良い人と出会ったこと』と『運が良かったこと』」と語っています。

そもそも、成功が縁に左右されるというのは、2000年以上も前からある普遍的なことのようです。中国の王朝・前漢(紀元前206年~8年)の創始者である「劉邦」は、軍事の天才「韓信」、戦略の天才「張良」、政治の天才「蕭何(しょうか)」といった才能ある者たちをまとめ、約400年続く大帝国を築き上げました。

そんな劉邦の人生は、実に「縁」に恵まれたものです。劉邦は、覇権争いをした中国の武将「項羽」を例に挙げ、自分の成功を次のように振り返っています。

わしはこの張良、蕭何、韓信という3人の英傑を見事に使いこなすことが出来た。反対に項羽は范増1人すら使いこなすことが出来なかった。これが、わしが天下を勝ち取った理由だ

(引用元:Wikipedia|劉邦

もちろん、他にも重要な成功の要因はあるでしょう。しかし、簡単に要約してしまえば劉邦の成功は、張良、蕭何、韓信という3人の天才と出会い、彼らを活かすことができたからこそ得られたものなのです。では、劉邦のように良い縁を手に入れるにはどうしたらよいのでしょうか。

実はとても単純なことですが、そのための試行回数を増やせばよいのです。次の項目で具体的にご説明しましょう。

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どんな人でも分け隔てなく接しよう

人と会う回数を増やす。この単純な方法によって、一番簡単かつ早く「良い縁を手に入れる」確率を上げることができます。例えば、良い人材と出会える確率が1%であったとします。ランダムに100人の人と会った場合、以下の式により、理論上はだいたい6割の確率で良い人材と会うことができます。

1-(99/100)100≒63 (%)

つまりそれは、試行回数を増やせば確率を上げられるということ。実際、劉邦は様々な人材を登用していたようです。

劉邦は様々な人材を抜擢し、さまざまなアイデアを吸い上げた。相手が何の実績を持たなくても、身分が低くても、一切関係なかった。

(引用元:田渕直也 著 (2009),『確率論的思考 金融市場のプロが教える 最後に勝つための哲学』, 日本実業出版社.)

実際に劉邦の陣営では、盗賊だった「彭越」や、受刑者だった「英布」といった人物も活躍しています。このように、劉邦はどんな人でも分け隔てなく接していたので、良い人材と出会う確率が高かったというわけです。

しかし、出会うだけでは「良い縁」を手にしたことにはなりません。その証拠に、項羽は劉邦の部下何人かと出会っていながら、彼らを活かすことはできず、結局は劉邦に敗れてしまいました。では、その違いはどこにあったのでしょうか。

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出会いを縁にするために、他人の話を真剣に聞こう

項羽と劉邦の決定的な違いは、他人の話をしっかり聞くかどうかにあったようです。項羽は義父と慕う范増(はんぞう)の忠告すら聞かないことがありましたが、劉邦は初対面の相手でも話をよく聞きました。

天才軍師である張良は、自分の話を非常に熱心に聞いてくれる劉邦に感激し、彼に全力で仕えたのだそう。

劉邦の最大の知恵袋となった軍師・参謀の張良は、仕える武将を自ら探していました。劉邦が、自分の話を熱心に聞いてくれ、素直に献策を実行してくれることに感激して、彼は劉邦を天下人にするために全力を尽くします。

(引用元:DIAMOND書籍オンライン|40代の劉邦が20代の項羽に勝てた理由 リーダーに絶対必要な一つのこと

自分の話を熱心に聞いてくれる人に対して、悪い印象を持つことはありませんよね。劉邦が様々な人材との縁をつかむことができたのは、彼が相手を尊重し、話をよく聞いたからなのでしょう。

なお、人の話を聞く際は、以下に気をつけるべきとのこと。

1. 相手の話に口を挟まない
2. 話を「聞いている」と態度で示す
3. 相手が話したい内容に合わせる

なかでも特に重要なのが3です。例えば相手が休日に行った旅行の話をしているのに、ついつい思い出し「そういえば、連休明けの会議に出席した?」と、いきなり違う話をはじめたら、相手は「あれっ?」と思うでしょう。そうならないためには、相手の話を要約しながら聞くと効果的です。

要約は頭のなかで行なってもよいのですが、「○○っていいところだね」「○○は××が美味しいところなんだ」などと相手の言葉を繰り返しながら要約するのもおすすめです。話を受け止めながら聞いていることを態度で示せますから、相手は気持ちよく話すことができ、あなたに信頼を寄せてくれるはずです。

***
良い人材と出会い、成功をつかみたい。そう思っている方は、まずはどんな人の話も真剣に聞いてみてはいかがでしょうか。きっと、あなたを支えてくれる人が現れるはずです。

(参考)
日経ビジネスONLINE|成功する人は「運」と「縁」に恵まれる 第25回:千房 中井政嗣社長インタビュー
Wikipedia|劉邦
田渕直也 著(2009),『確率論的思考 金融市場のプロが教える 最後に勝つための哲学』, 日本実業出版社.
DIAMOND書籍オンライン|40代の劉邦が20代の項羽に勝てた理由 リーダーに絶対必要な一つのこと
YAHOO!ニュース|「聞く力」とは? 「相手の話をよく聞く」には3種類の意味がある。
司馬遼太郎 著 (2015),『項羽と劉邦(上中下)合本版』, 新潮社.