人生に迷ったときには哲学を 全ての悩みのこたえは哲学にあった

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「自由とは何か? 」そう聞かれたら、あなたはどのように答えますか。感情のままにふるまうこと? 好きな時に好きなことをすること? 嫌なものは無視してもいいという権利を得ること?

この問いに対し、ドイツの哲学者カントは「欲望のままに過ごすのではなく、自分が決めた正しいことをする状態」と答えています。

このような問いに真剣に向き合うことは、普段の生活ではなかなかないでしょう。しかし、このように哲学的に考える姿勢こそが、日常の不安や悩みの解消に役立つのです。

 

哲学は日常生活にどのように役立つのか

 

哲学とは、次のように定義されます。

世界・人生などの根本原理を追求する学問。古代ギリシャでは学問一般として自然を含む多くの対象を包括していたが、のち諸学が分化・独立することによって、その対象領域が限定されていった。しかし、知識の体系としての諸学の根底をなすという性格は常に失われない。

(引用元:コトバンク|デジタル大辞泉 哲学

普段の生活では、その日を生きていくのに精一杯で、なかなか自分の人生や世界について思いを巡らせるのは難しいですよね。私たちの暮らしには、いつも何かしらの悩みが付きまとっています。ですが、悩んでいることの本質を考え、解き明かしていくことで、その正体を少しでも知ることができれば、自分自身で物事を考え判断することができるようになるのです。

仕事や将来、勉強などで行き詰まったら、哲学者の言葉をのぞいてみてください。そこには、心がスーッとするような、不安や悩みを解決するヒントがあるでしょう。

 

哲学者の言葉を日常の悩みのヒントにする

 

◎「人間は現在もっているものの総和ではなく、彼がまだもっていないもの、これからもちうるものの合計である」サルトル

これは、自分が今持っているものだけに目を向けず、持っていないものにもしっかり目を向けなさい、という言葉です。 私たちは、自分にできないことや持っていないもの、欠点にばかり目が向きがちです。そのため、人と比較したり、今までの人生を後悔したりすることがありますが、私たちには未来という可能性があります。これから何をするか、何を手に入れるかで、人生はまだまだ変えられるのです。 私たちを、目先の悩みから解放してくれる言葉ではないでしょうか。

 

◎「仕事は人としての誇りのためにするもの」ヘーゲル

仕事で大事なのは、内容ではなくやり方だ、という考え方です。どんな場所ででも、どんな仕事でも、誇れるようにやっていればやりがいは得られるものです。 今の仕事に不満があったり、就職活動などで自分に何が向いているのかが分からなくなった時に、思い返してみたい言葉ですね。

 

◎「人間は得ていないものがあるから精神的に幸せになれる」アラン

例えば、「もっとお金がほしい」と悩んでいたとします。 お金がないと幸せになれない、というのは本当なのか? お金があるかないかではなく、人生そのものを良く生きるために大切なことは何だろう? と考えるきっかけとなるでしょう。

 

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自分の考え方の土台を築くのが哲学

 

次のような寓話があります。

ある日、一人の旅行者がバルセロナのサグラダ・ファミリアを訪れました。辺りを歩いていると、道端で一人の石工が石を削っています。好奇心旺盛な旅行者は、その石工に声をかけました。 「あなたは、いったい何をしているんですか?」 するとその石工は、迷惑そうな顔をしながら腹立たしげにこう言いました。 「見て分からないのか。このいまいましい石を削っているんだ!邪魔だから、とっとと向こうに行ってくれ。」 旅行者は慌ててその場を離れ、しばらく歩いていると、別の石工が同じように石を削っています。その旅行者は、懲りずに先ほどと同じ質問をしてみた。するとその石工は、晴れやかな顔をして誇らしげにこう答えました。 「よくぞ聞いてくれました。私は今、世界で一番美しい大聖堂の基礎を作っているんですよ!」

(引用元:GOD TO GREAT|なぜ仕事をするのか?なぜ働くのか?仕事とは?―自己成長がすべてではない―

どんな物事も、楽しいと思うか辛いと思うかは、その人の考え方次第だということを示す話です。 いかに本質的な観点から自分の人生を見つめ、日々を豊かに有意義に捉えることができるか、という考え方の指針をくれるのが哲学なのです。

 

*** 「哲学は思考のレシピ」。元外務省主任分析官の佐藤優氏はこう語ります。 難しく構える必要はありません。哲学者の残した名言の意図を学び、その思考法を参考にすることで、自分の問題に対する自分なりの解決策を作ることができるのです。仕事や勉強で忙しい毎日ですが、哲学という思考のレシピを取り入れて、毎日をより良く過ごしてみませんか。

 

(参考) お金・仕事・将来への不安が消える 働き女子の哲学入門,『日経ウーマン 2016年2月号』,日経BP出版センター. コトバンク|デジタル大辞泉 哲学 Wikipedia|哲学 門CAFE|カントの自由論 GOD TO GREAT|なぜ仕事をするのか?なぜ働くのか?仕事とは?―自己成長がすべてではない― Inquiry.|サルトル『人間は現在もっているものの総和ではなく、彼がまだもっていないもの、これからもちうるものの合計である。』


京都大学法学部所属。京都教育大学附属高校卒業。高校の頃は生徒会をやりながら模擬裁判選手権で関西大会三連覇を果たす。大学ではよさこい踊りを踊るサークルに所属し、1年中お祭りに参加するために全国を駆け回っている。

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